ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ベジタリアン

記録的猛暑にバテ気味ながらも、食べたい気持ちが勝って久々にイェミスタを作りました。

2023.08.02 gemista
イェミスタは「詰め物をした」という意味でいろんな種類があるのですが、一般的にただ“イェミスタ”といえばトマトやピーマンといった野菜に米などを詰めた料理を指します。

似たような詰め物料理は多くの国にあり、特にトルコや中東で作られるものはギリシャのイェミスタに近いよう。しかし、安易に「同じ」と言ってしまうなかれ。それぞれの国・地方で味つけが少し違ったり、調理法も鍋で煮るかオーブン焼きにするかでかなり味わいが変わってくるのです。

ギリシャ風のイェミスタの特徴は、オーブンでじっくり焼くため野菜のうまみがぎゅっと濃縮されるというのが第一でしょうか。詰め物にはハーブも結構たっぷり入れるのだけど、生だったりさっと加熱した時の味わいとは違って、お米や野菜と渾然一体となったおいしさ。食べると「これこれ!」と細胞がよろこぶ感じで、少なくとも味覚的にはギリシャは私のふるさとのひとつになったのだなぁと思います。

2023.08.02 gemista1
かなり久しぶりに作ったイェミスタは、米と野菜とハーブだけの菜食ヴァージョン。ベーシックなイェミスタはひき肉も入れるタイプだという説も聞いたことがあるのですが(私の師の一人である叔母さんのイェミスタも肉入りだった)、お店でも家庭でも肉なしの方がよく作られているようです。


2023.08.02 gemista2
日本のオーブンで作る場合はスペースも限られるかと思いますが、イェミスタは多めに作るのがおすすめです。焼き時間が結構長いので少量だともったいないという以外に、作りたてよりも時間が経ってなじんだのがおいしいというのも大きな理由。私もその一人なのですが、ギリシャでは大量に作って冷蔵庫に入れておいたイェミスタを冷たいまま食べるのが好きという人も多いんですよ。冷えたイェミスタは、子供の頃からの夏を思い出させるノスタルジーも味の秘密なのでしょう。


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今年はなんだかギリシャらしいカラッとした天気じゃないのですが、ようやく夏らしくなってきました。

2023.04.26 melitzanes pastitsada
暑い時こそしっかり食べて……というのはもちろん心がけているけれど、気温が高いとあまり肉は触りたくないというのが本音。私も夫も肉料理は週に1、2回でいいので、子供たちにだけ用意する場合も多いです。

今日ご紹介する料理は、本来牛肉や鶏肉(特に雄鶏)で作られるコルフ島の郷土料理を菜食アレンジしてみたものです。ワインやスパイスを加えたトマトソースでじっくり肉を煮込んだ料理はギリシャでは全国的に見られる定番ですが、コルフ島のパスティツァーダはより多くのスパイスをブレンドした複雑かつスパイシーな味が特徴。




菜食ヴァージョンはきのこなんかもおいしいですが、夏らしくなすで。
トマト系ソースやスパイスとの相性は言うまでもなく、これからの季節にぴったりな一品になりました。

2023.04.26 melitzanes pastitsada1

なすのパスティツァーダ風(メリジャネス・パスティツァーダ)

材料:(2人分)
なす...3〜4本(250〜300g)
玉ねぎ...中1/2個(80g)
にんにく...1〜2かけ
完熟トマト...350g
トマトペースト...大さじ2
オリーブオイル...大さじ4〜5
赤ワイン...大さじ2
ワインビネガー...大さじ1/2
塩...約小さじ3/4

スパイス:
パプリカ、カイエンペッパー、シナモン、オールスパイス、こしょう...各小さじ1/4
クローブ、ナツメグ...各小さじ1/8
ベイリーフ...1枚

ブカティーニまたは好みのパスタ...約180g
すりおろしチーズまたはチーズ代替品...好みで適量


なすは大ぶりに切り、軽く塩をふってしばらく置いておく。
玉ねぎ、にんにくはそれぞれみじん切り、トマトはすりおろしておく。スパイスはあわせておく。

なすから出た水気をキッチンペーパーで拭く。フライパンを中火で熱してオリーブオイル大さじ1〜2を入れなすを並べて焼く。全面に程よく焼き色がついたら鍋に移す。

なすを焼いたフライパンにオリーブオイル大さじ2〜3と玉ねぎを加え弱火でじっくり色づかせないよう炒める。玉ねぎがやわらかくなったらにんにくを加え、香りが立つまで1〜2分炒める。

スパイス類、トマトペーストを順に加え、オイルになじませるように炒める。少し火を強め、ワインとワインビネガーを加えアルコールが飛ぶまで軽く炒め煮にする。

トマトと塩小さじ1/2を加え、つぶすように数分煮てからなすの入った鍋に加える。鍋を火にかけ、くつくつ沸騰してきたらふたをして弱火で20〜30分煮る。なすがとろけるようにやわらかくなり、ソースの味がなじんだらできあがり。味をととのえ、火からおろす。

パスタを茹でて水気を軽く切り、パスタを茹でた鍋に戻す。パスティツァーダのソースだけを適量加え和え、器に盛る。パスタの上か脇になすを盛りつけ、ソースをかける。食べる時に好みでチーズをふりかける。

MEMO:伝統的なパスティツァーダと混同されないように、「パスティツァーダ風」としました。なすを大ぶりに切ることと、それを単品で具材とすることでパスティツァーダらしさを出しています。彩りや栄養バランスが気になる人はサラダなどサイドディッシュで補ってください。

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レンズ豆のレシピ、せっかくなのでもうひとつ載せておきます。

2023.05.02 lentils with vegetables
Φακές με λαχανικά

今日ご紹介する料理は、これからの季節にぴったりな夏野菜を使った煮込みです。野菜はオーブン焼きにするのが好きですが、暑い時期にもあまり苦にならず作れるよう、フライパンひとつでできるレシピにしました。

ところで、2つ前の記事でご紹介したレンズ豆とマッシュルームのラグーソースは、使用する豆の量が少ないので「レンズ豆は戻して使うか、多めに茹でて他の料理にも使いまわすのがおすすめです」というようなことを書きました。




今回の料理の場合はレンズ豆の形を残したいので、できればまず「水戻しして使う」方法でお試しください。茹でてから使う方法だとどうしても皮が剥けたり煮崩れてるのが個体差によって出てしまうのですが、酸味の素材が入ったソースで煮ると、「やわらかくなりにくい」というのが逆にメリットとして働いて、豆の粒がしっかりとした仕上がりになります。


2023.05.02 lentils with vegetables1
温かくても冷たくてもおいしいし、軽いメインディッシュとしても、シンプルな肉や魚介料理のつけあわせにも活躍する一品です。


レンズ豆と夏野菜の煮込み(ファケス・メ・ラハニカ)

材料:(2〜4人分)
レンズ豆...1/2カップ
なす...130g
ズッキーニ...130g
パプリカ...60g
トマト...正味150〜160g
玉ねぎ...小1/4個20g
にんにく...大1かけ
オリーブオイル...大さじ4〜
塩...約小さじ1/2
こしょう
バルサミコビネガー...大さじ11/2
はちみつ...小さじ1
パセリみじん切り...大さじ3

レンズ豆は洗って水に浸けてふっくらとするまで(約3時間〜)戻しておく。

なすは1.5〜2cm角のさいの目切りにし、軽く塩をふって混ぜておく。ズッキーニ、パプリカもなすと同じくらいの大きさに切る。トマトは皮をむいて1cm角くらいに切る。玉ねぎとにんにくはみじん切りにする。

中サイズのフライパン(直径24〜26cm)を中火で熱し、オリーブオイル大さじ2を加える。なすの水気をキッチンペーパーで拭いてから加え、ズッキーニとパプリカも加え炒める。野菜に火が通り少し色づいたら、一旦取り出す。

同じフライパンにオイル大さじ2を足し、玉ねぎとにんにくを弱〜中火で色づかせないように炒める。にんにくの香りが立ち玉ねぎがやわらかくなったらトマトを加え、軽く炒める。

レンズ豆と水1/3カップを加え、ふたをして弱〜中火で煮る。3分程度煮てレンズ豆がやわらかくなったら、塩、こしょう、バルサミコビネガー、はちみつ、パセリ、先に炒めておいた野菜を加え混ぜあわせる。

レンズ豆と野菜が程よいやわらかさになり、味がなじむまでさらに数分煮る。この時、汁気が残っているようならふたを取って水分を飛ばすようにする。最後にもう一度味見をして必要なら調整し、火からおろす。

MEMO:メインディッシュとしてなら2人分になります。
レンズ豆を浸水することによりとても早く煮えますが、戻すのを忘れた場合は下茹でする方法でも。やっと柔らかくなったぐらいまで茹でて使います。豆と同時に調味料と野菜を加え(茹で汁は不要もしくは少量加える)数分炒め煮にしてください。
また、レンズ豆をたっぷり茹でておいて複数の料理(スープ、サラダ、ピラフなど)に使うのもおすすめ。すでに茹でてあるレンズ豆を計量する場合、約1カップ使います。
ヴィーガンの方は、はちみつを他の甘味料に置き換えてください。


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うちは、毎週日曜日がピッツァの日。トッピング用に買うマッシュルームがいつも余るのですが、中途半端な量なので夫が好きな野菜カレーに入れたりパスタに使うことが多いです。

2023.05.22 lentils & mushroom ragu sauce
私のお気に入りパスタソースのひとつが、ある時にふとレシピを思いついた、ベジタリアン/ヴィーガンのミートソースっぽいものです。ギリシャの食文化的に言えば、ニスティシマ(ギリシャ正教の決まりで動物性食品をとらない日に食べる料理)というカテゴリにあてはまります。

2023.05.22 lentils & mushroom ragu sauce1
菜食の料理は肉を模したものも多いですが、ギリシャで昔から食べられているようなニスティシマの料理は「本来肉を使う料理もあるけど、肉抜きで作るから代わりに合いそうな食材を使った」みたいな感じです。なので肉っぽさは特に目指してないのだけど、野菜料理としてしみじみおいしいなぁと思います。

近年ギリシャでもヴィーガン食やプラントベースみたいなのが流行っていて、ヴィーガン対応の代替食品もいろいろ見かけるようになったため、ニスティシマの食品や料理への影響も個人的にかなり注目しているテーマです。

2023.05.22 lentils & mushroom ragu sauce2
それはともかく、ミートソースと比べる必要なしにおいしいパスタソースなので、ベジタリアンじゃない方もぜひ。チーズか代替チーズをかけてもいいですが、私はチーズなしの方がおいしいと思います。かけたい人もまずはそのままで食べてみてください。


レシピは続きに。
かなり迷って乾燥レンズ豆を水戻しする方法でレシピにしましたが、もちろん茹でたレンズ豆で作ってもいいです。それらのオプションを説明してますので、MEMO欄まで読んでからお試しくださいね。


続きを読む

ギリシャで復活祭に食べる最初の食事として定番なのが、マギリッツァという羊モツのスープです。

2023.04.11 vegan magiritsa
ギリシャ正教の決まりを守っていた場合、復活祭前40日以上の長いあいだ動物性の食品を口にしませんが、この断食を破る最初の食事として食べるのがマギリッツァです。真夜中を過ぎて教会から戻ってきての食事なので、食べ始めるのが早くても12時半ぐらいになってしまうのですが、ギリシャの家庭ではマギリッツァに加え肉のオーブン焼きやレバーのワイン煮といったヘビーなメニューをいきなりこなすことも多いです。

もちろんギリシャ人がみんなマギリッツァを好きなわけではなく、モツは苦手という人も。また、少人数向けには作りにくいスープであること、とても手間がかかるという理由などから、お店で出来合いのを買ったり、羊や山羊のモツを使っていないアレンジヴァージョンのマギリッツァを作るという人も増えています。


2023.04.11 vegan magiritsa1
アレンジヴァージョンのマギリッツァではマッシュルームを使ったものがすでに伝統的なマギリッツァに並ぶ定番となっている気がします。これは、近年ベジタリアンやヴィーガンが増加していることも関係しているでしょう。

うちは家族が誰もモツを食べないので、私も昔からさまざまな非伝統的マギリッツァを考え出してきました。夫と次女はアヴゴレモノも苦手なためアレンジヴァージョンでも食べるのは私だけ、もしくは私と長女だけなのですが。


2023.04.11 vegan magiritsa2
今年はちょっとひらめいて、アヴゴレモノなしのヴィーガンマギリッツァが初登場。
タヒニを使うのは断食期間によく食べるタヒノスパっぽくなってしまうし、デルビエ(小麦粉やスターチでとろみをつけただけ)はもうひと工夫欲しい感じだし......ということで、ひよこ豆のピュレを控えめな量入れてみたら、かなり好きな感じに仕上がりました。


ヴィーガンマギリッツァスープ

材料:(2人分)
茹でたひよこ豆...1/2カップ
ひよこ豆の茹で汁...豆と一緒にカップに入れて1カップ
レモン汁...大さじ1
コーンスターチ...小さじ1強
きのこ(今回マッシュルームとヒラタケを使用)...150g
万能ねぎ...1本
ロメインレタス...外側の大きな葉2枚
オリーブオイル...大さじ2
塩、こしょう...適量
水...300ml
米...大さじ2
ディル...3〜5本
レモン...適量(食べる時に好みで)

ひよこ豆を計量し、豆が入ったままのカップに茹で汁を200mlのところまで加える。スティックブレンダー(またはミキサーなど)でなめらかなピューレ状にする。レモン汁とコーンスターチも加え混ぜる。

きのこは食べやすく切るか手で裂いておく。万能ねぎは小口切り、ロメインレタスは縦半分に切ってから1cm幅くらいに切る。

鍋にオリーブオイルを入れて温め、きのこを加え弱めの中火で炒める。出てきた汁気が飛んで少し色づいてくるまで、鍋底を焦がさないよう(焦げ味が出るため)気をつけて炒める。ねぎとレタスを加え、オイルが回ってしんなりするまで軽く炒める。塩小さじ1/2とこしょう適量を加える。

さっと洗った米、水を加えふたをして弱火で約20分、米がやわらかくなるまで煮る。ディルを刻んで加え、ひよこ豆のピュレもかき混ぜてから加える。少しとろみがついて味がなじむまで1〜2分ほど煮る。味をととのえて火から下ろす。

器に盛り、好みでレモンを添える。

MEMO:酸味があまり得意でない人が結構いるようなので、レシピではレモン控えめにしています。最後に味をととのえる時か、もしくは食卓で各自好みの酸味に調整してください。

このレシピに使うひよこ豆は少量なので、多めに茹でて(圧力鍋がおすすめ。10分程度で茹であがります)残りは他の料理に使ってください。自分で乾燥豆を戻して茹でるのが面倒なら、缶詰を使ってもいいです。

【余ったひよこ豆の使用例】
一番簡単で美味しい料理のひとつがサラダです。
汁気を切った茹でひよこ豆をボウルに入れ、玉ねぎ(赤玉ねぎがおすすめ)とパセリのみじん切り、塩、こしょう、ワインビネガー、オリーブオイルを加え和えます。ハーブを変えたり他の具材を足したりのアレンジもいろいろ楽しめます。



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