ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:メゼ

昨日はキリストのエルサレム入城を記念する日、聖枝祭(パームサンデー)でした。

2026.04.05 mezedes
今週は受難週に入り、いよいよ復活祭が近づき準備に慌しくなります。

生神女福音祭に続き、聖枝祭も魚を食べる日ということで、せっかくなので魚料理とニスティシマ(一部シーフードを除き動物性食品を使わない)料理のメゼでランチにしました。

まだ結構大量にある干し鱈は一旦置いておき、今回はあんこうの頬肉です。たまに市場の魚屋さんで見かけて惹かれるのだけど、家族は食べないので、また今度にするか……と見送りがちな食材。

これをメインにした昨日のメニューは、

・あんこう頬肉のサガナキ
・里芋のケフテデス
・里芋のサラダ
・葉にんにくのピクルス


あんこうのサガナキはマスタードソースなど白っぽいものがいいなと思い、シンプルに仕上げてみました。レシピを書いてみたので、お試しくださいね。

野菜は里芋の料理が2品ありますが、急にコロカシ(タロイモ)が必要になった結果です。「特定の食材が必要なときに限って消えてしまう」法則が発動してしまい、私の行動範囲内では見つからず、結局アジア食品店で売ってる里芋を使ったのですが。

2026.03.29 skordamia
葉にんにくのピクルスは、昔、ペロポネソス半島を旅したときに出会ったもの。春に市場に並ぶ葉にんにくを見かけると作りたくなります。


2026.03.29 magoula tiganita
こちらは別の日、行事に関係なく作ったメゼ。
あんこうの頬肉は一食分には多かったので、塩こしょうして小麦粉をまぶしただけのフライも作りました。これにも葉にんにくピクルスが好相性で、シンプルな味つけのフライを引き立てる、丁度いい薬味になりました。



あんこうのサガナキ(ペスカンドリッツァ・サガナキ)

2026.04.05 magoula saganaki

材料:(メゼとして1〜2人分)
あんこう...150g
塩、こしょう
にんにく...小さめ1かけ
青唐辛子...大きめ約10切れ
レモン...スライス2枚
オリーブオイル...大さじ11/2〜2
ディジョンマスタード...小さじ1
コーンスターチ...小さじ1/4
白ワイン...大さじ2
オレガノ...好みで少々

あんこうは頬肉ならそのまま、尾の身なら一口大に切り、塩こしょうをまぶしておく。

にんにくはみじん切り、青唐辛子とレモンもそれぞれ切っておく。ディジョンマスタード、コーンスターチ、白ワインは溶きあわせておく。

小さなフライパン(できればそのまま食卓に出せるもの)にオリーブオイルとにんにくを入れ、弱めの火加減で香りを出す。

少し火を強め、あんこうと唐辛子、レモンを加える。あんこうを両面焼きつけて半分火が通ったら、全体を軽く炒めあわせマスタードと白ワインをあわせたものを加える。

あんこうに火が通りソースにとろみが出るまで煮て(濃すぎるようなら水を少し加える)、味をととのえる。好みでオレガノをひとつまみふりかける。

MEMO:他の白身魚で作ってもいいです。



おうちでギリシャの居酒屋気分が楽しめるメゼ本。
こちらに掲載しているムール貝のサガナキやチーズのサガナキもおすすめです!


カサラ・デフテラのメニューに使うために茹でた白花豆を、ちょっと取り分けておいて野菜のメゼにしました。

2026.02.25a
ギリシャではギガンデスと呼ばれる白花豆。粒が大きく食べごたえがあるので、フライにしたりも。北ギリシャのプレスペスやカストリアで生産されるギガンテスが有名で、それぞれ原産地名称保護認証、地理的表示保護認証を受けています。

あの辺りの特産品つながりでフロリナペッパー(赤いバナナピーマンのような甘唐辛子)で作ったソースを添えるつもりだったのですが、食材が余り気味だしまた買い足したくないなぁ……と迷っていたところ、「マカロ」はどうだろう?と思いつきました。

マカロと呼ばれる料理は、北マケドニア共和国と北ギリシャのマケドニア地方の両方にあり、にんにくを効かせた味つけが特徴。北マケドニア共和国ではディップソースのようなものですが、北ギリシャ料理のマカロは小麦粉でとろみをつけたソースなので、同じ名前でも結構違った料理になるようです。マカロの味つけや色合いは地方による傾向や個人の好みによりさまざまで、油、小麦粉、にんにくという基本の材料に、ブイヨン、ワインビネガー、トマト(ペーストなど加工品、もしくは生トマト)、パプリカ(マイルドなもの、もしくは辛いもの)などが副材料として加えられることにより、バリエーションが生まれます。

最も一般的には揚げミートボールのソースとして、その他、チキンのソースとして使われることが多いです。ミートボールの場合、揚げ油をそのまま利用するのが本来の作り方のようで、食材を無駄にしない工夫から生まれたのでしょう。


2026.02.25b
今回はモダンギリシャ料理のアプローチで豆とあわせるということで、マカロは酸味(ワインビネガー、トマトペースト)・うまみ(トマトペースト)・辛味(ホットパプリカ)・色味(トマトペースト、ホットパプリカ)の4要素を加えたパンチのあるものにしてみました。


2026.02.25c
茹で豆を揚げるときの衣にはシンプルに小麦粉をまぶしただけですが、薄く小麦粉をはたいてから、小麦粉を炭酸水で溶いた衣にくぐらせると、もっとパリッとした仕上がりになります。

乾燥ミントを揉んで粉状にしたものと、胡椒、塩少々をボウルにあわせておき、揚げて油を切った豆を加えまぶしつけます。これも思いつきでやってみたもので、ミートボールの味つけを意識したのですが、見た目も味も断然よくなるのでおすすめ。

揚げ油でマカロを作るので、豆が冷めないうちに手早く作業します。鍋に残った油が多すぎたら減らし、底にたまった小麦粉で足りなそうなら衣に使った小麦粉を少し足します。すりおろしたにんにく(完成品写真の量なら、あまり大きくない1片ぐらい)を加え香りが立ったら、トマトペースト、ワインビネガー、パプリカ(辛いのでもマイルドなのでも好みで)を加え水でのばします。とろみが出るまで煮、塩で味をととのえます。器に豆のフライとマカロを好きなように盛りつけてできあがり。


2026.02.25d
この日のもう一品は、そら豆とアーティチョークの煮込み。カサラ・デフテラのメニューに加えようかなと、土曜の市場でそら豆を衝動買いしてたのだけど、結局使わず持ち越したのでした。柔らかいさやごとの若いそら豆とアーティチョークとあわせた煮込みは、春を感じられる伝統的なギリシャ料理です。


【関連記事】

今週からサラコスティ(レント)。

2026.02.24
復活祭に向けて、節制を心がける期間で、食生活の面では「血が出ない・背骨がない」シーフードや魚卵を除いた動物性食品を断ちます。その初日となるカサラ・デフテラ(クリーンマンデー)は、断食をきちんとやる人もそうでない人も、ニスティシマ(断食メニュー)料理の並んだ食卓を囲む日。祝日ということで、ちょっと奮発してシーフードたっぷりのごちそうをお酒とともに楽しむ人も多いです。

我が家の場合、私以外は誰もシーフードを食べないので、いまいち盛り上がりに欠ける日。それでも以前はシーフードチャンス!と自分だけ張り切っていたりもしたのですが、別に他の日に食べればいいよなぁ……と、ここ数年は地味メニューで済ませています。

カサラ・デフテラの行事食の基本はラガナという平たく大きなパン。そのお供にタラモサラタ(これも、家族は食べないけど)、オリーブ、ピクルス、豆料理やシーフード料理といったものをあわせます。お菓子はハルヴァ、特に胡麻ペーストで作ったサクサク食感のヌガーのようなタイプがよく食べられます。


2026.02.23
今年のメニューは、ラガナ、タラモサラタ、白花豆のオーブン焼き、茹でカリフラワーのサラダ、アボカドとタヒニのディップでした。夫の分を先に分けてしまったので、ラガナはちぎってあります。ラガナとタラモサラタだけでも私は結構お腹いっぱいになってしまうので、やはりシーフードは別の日にして正解だったかも……。

トップの写真は、余ったタラモサラタで翌日作った野菜のメゼです。
私はタラモサラタをパンよりも野菜や豆と一緒に食べる方が好きで、一番お手軽なものだときゅうりにつけるのがおすすめなんですが、今回は、カリフラワーとかぶと若いそら豆をスキレットで焼いたものに添えてみました。

上にかかっている黒いのは、オリーブの粉。少量作ったから手揉みなのとオイル分でしっとりしてるので綺麗な粉になってませんが。
ずっと前に買ったクレタ島の小粒黒オリーブ(ドライキュアタイプ)が、残り少なくなり乾いてきたので、いっそ潰して粉末にすれば?と思ったのでした。開いて種をはずして低温オーブンで乾かし、細かく潰してあります。

これがとてもいいアクセントになり、大正解!あと少しだけオリーブが残ってるので、何か別のものにもあわせてみようかなと考えています。

ビンチョウマグロでラケルダを作った話の続き。

2025.07.13
生っぽさが残りつつも熟成によるねっとりとした食感に変化し、しっかりと塩がきいたラケルダ。これをさらに乾燥熟成させたいなぁと、昔作ってみた“海のパストゥルマ”を思い出していたのでした。


2019.04.25 pastourma
(※これは、以前私が送ったレシピで妹が作った牛肉のパストゥルマ)

パストゥルマというのはアルメニアからトルコ、エジプト、ギリシャ辺りで食べられる干し肉の一種で、フェヌグリークやパプリカなどのスパイスペーストでコーティングされているため、独特の強い香りが特徴。牛肉をはじめ、水牛、ラクダ、羊などの肉でも作られます。

ギリシャで“海のパストゥルマ”と称した魚のを見かけるようになったのは、確か90年代終わりか2000年代に入ってから。魚版は他の国でもあるのか知りませんが、当時一回ぐらいお店で食べてみて「もうちょっとパストゥルマらしくできるのではないか」と思って自作したのが2017年のこと。ブログにも記録してあるので、まずはこちらの記事をご覧ください。




魚でパストゥルマを作るなら、赤身の本マグロがやはり一番適していそうで、スペインの「モハマ」、サルデーニャの「ムシャーメ」といった、マグロの生ハムのような保存食が思い浮かびます。自作してみた当時もそのように考えてたのだけど、値が張るのと、近所で売ってなかったため小さなハガツオを使ったのでした。普通のマグロなら肉のパストゥルマとほぼ同じ感じにこってりスパイスペーストで覆っても負けなさそうですよね。その数年後、パストゥルマで有名なデリがマグロのパストゥルマを売り出したので、やはり私の読みは間違ってなかったようです。

ラケルダに話を戻すと、またしても本マグロじゃないのですが、前回よりがっつりとスパイスをまぶしてみました。残っていた小さな身で作ったため、わざわざペーストにはしてませんが、しばらく熟成させるので、塩分も少し上げておこうと、スパイスミックスに塩も足しました。すりおろしにんにくをまずはすり込んで、スパイスミックスを全体にたっぷりまぶし、手でにぎってなじませます。


2025.07.13 pastourma tonou
そして、冷蔵庫で1週間くらい乾燥させたでしょうか(冷蔵庫がパストゥルマ臭くなるかなと少々心配だったけど、大丈夫でした)。切ってみると、前に作ったのよりいい感じ。そのままでも素晴らしいメゼですが、せっかくなので料理との組み合わせを楽しんでみることにしましょう。


2025.07.13 fava
まずはファヴァとあわせてみました。定番のおいしい組み合わせに、パストゥルマをトッピングしたフムスがありますが、フムスは今でこそギリシャでもよく見かけるようになったけど、ギリシャ料理ではないので、ファヴァで。シンプルな豆ペーストが、繊細な味わいの魚版パストゥルマにとてもよく合います。ペースト類だとメリジャノサラタ(焼きなすサラダ)もいいかなぁと思ったので、もしまた作る機会があれば試してみたいです。


2025.07.14 potato salad
次は、マヨネーズを使わないタイプのポテトサラダと。これも間違いない組み合わせだけど、ゆで卵のおつまみ(「おうちでギリシャ居酒屋」掲載レシピ)と合わせてみたかったなぁ……と、食べてる途中で思い出しました。

また長くなってしまったので、今日はこの辺で。パストゥルマの話はあと一回続きます。


【関連記事・書籍】



パストゥルマってどんな味?と気になった方は、拙著「おうちでギリシャ居酒屋」にパストゥルマもどきのミニパイ(スパイス香る干し肉とチーズのパイ)のレシピを掲載してますのでぜひ。

少し前のことですが、スーパーの魚コーナーで、なかなか良さそうなビンチョウマグロ(ビンナガマグロ)が目に留まりました。

2025.07.07 tonolakerda
夫と長女には、生トマトにオリーブやケイパーなど混ぜたソースを添えたソテーにして、血合いは角煮に。自分用は、塩漬けにすることにしました。

ハガツオを塩漬けにした、ラケルダというメゼがギリシャやトルコにあるのですが、ビンチョウマグロなどで作られることもあります。マグロのは、トノラケルダ。こういった塩辛い魚の保存食は、ウゾやチプロといった強いお酒によく合うおつまみです。

うちで作る場合は、少量仕込んで早めに食べてしまうので、大量の塩に長いこと漬けておく作り方はせず、粗塩を全体にまぶし、2日ぐらい置くだけ。最初、水分が出てくるので捨てて、必要なら塩をふり直します。塩が浸透して身が締まった感じになったら、オリーブオイルをからめてさらにひと晩〜1日ほどマリネしてできあがり。ちなみに本来の作り方だと、ひまわり油(オリーブオイルだと、冷蔵庫で固まってしまいます)に浸けて保存します。


2025.07.07 tonolakerda1
ギリシャではレモンを絞って食べる人も多いのだけど(ギリシャ人は、自動的にレモンをかける傾向があります……)、レモンはなしで、玉ねぎを添えてちびちび食べるのがおいしいです。

ウゾを飲みながらラケルダをつまんでいたら、残りのラケルダをもっといいものに展開しようと思いついたのですが、その話はまた次回に。

↑このページのトップヘ