ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:メゼ

バカンスシーズンのピークとなる8月。私たちも夏休み中にはちょこっと島へでも行くつもりではありますが、少し閑散としたアテネでのんびり(実際はだらだら)過ごしています。

2024.08.06a
この時期観光地以外は街のお店も飲食店や個人商店は閉まっているところが多いので、最低限の材料でメゼをいろいろ作って並べてみました。

・豚肉コンフィとトマト入りのスクランブルエッグ
・ジャコウタコソテーのせファヴァ
・ファヴァのケフテデス
・バナナピーマンの素揚げ
・ハネムスカリ球根のピクルス



2024.08.06b

肉が入りメインっぽいスクランブルエッグについては、ちょっと長くなるのでまた次回に。

豆ペーストのおつまみといえばフムスが有名ですが、ギリシャのメゼの定番ファヴァは黄色い割り豆から作られる、それ自体はシンプルな塩味の豆のペーストです。オリーブオイルやレモンをかけてさっぱりとサラダ感覚でいただきます。ベーシックな食べ方としては薬味として玉ねぎやケイパーなど少しのせますが、キャラメライズさせた玉ねぎのトッピングや、タコ(炭火焼きだったり煮込みだったり)をあわせるのも定番。

今回はハンドブレンダーでなめらかに仕上げたファヴァに、スーパーで衝動買いしたジャコウタコをオレガノ&レモン味のソテーにしたものとオニオンスライス、ケイパーのトッピングで。ジャコウタコはお手頃価格が魅力だけど、普通のタコやイカと比べ旨味に欠ける気がするので、煮込みにした方がよかったかも?

シーフードを食べない家族用には、煮てる途中で取り分けておいた水分少なめで粒感もあるファヴァでファヴォケフテデス(ファヴァのミートボール風)にしました。写真を撮るときに並べ忘れたのだけど、にんにく&ミント風味のヨーグルトと、トマトソースに少し調味料を足したもの(シナモン、カイエン、はちみつ、ワインビネガー)2つのソースを添えて。

あとは、いい加減使い切りたいハネムスカリ球根ピクルスと、この時期食べまくっている小ぶりな甘唐辛子類。今週は深い緑のは大きめのしかなかったので、小さなバナナピーマンぽいのを市場で買ってきました。


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ギリシャに住んでかなり長くなりますが、こんなに猛暑日が続く夏はあまりなかった気がします。

2024.07.23
暑いキッチンであまり肉などを触りたくなくて、週の大半はベジタリアンかそれに近いメニュー。簡単なパスタやサラダや軽い煮込みだったり、さっと作れるメゼ(おつまみ)のようなもので済ませることが多いです。

昨日はそろそろ旬が終わりのさくらんぼを市場で買ってきたので、料理にも使いたいなぁと思いタラガニチーズとあわせてサガナキにしました。

日本でもちらほら売ってるらしいタラガニチーズ。伝統的なチーズであるかのように紹介されることも多いのですが、実は比較的歴史は浅く、十数年前に登場したペロポネソス半島メシニアのチーズです(追って、イピロスのメーカーも製造するように)。タラガニとは、メシニア地方の方言で「羊飼いの外套」を意味するそう。元々は羊乳だけで作られていたらしいですが、市販されているタラガニの原材料を見ると牛乳に羊乳・山羊乳の混合と表記されています。アラホヴァのフォルマエラやキプロスのハルミ、ヒオス島のマステロに少し似た感じで、加熱しても溶けずキュッキュッとした食感が特徴です。塩気はハルミほどきつくなくて、マイルドな味わいなので好きな方が多いと思います。

タラガニはそのままでも食べられますが、焼いて食べるのが定番とされるチーズのひとつです。熱々の焼きたてにシンプルにレモンを絞ってもいいし、チャツネのようなソースを添えて食べたり、サラダのトッピングにしたり、さまざまな料理に加えたりといろいろ楽しめます。

今回は私と娘用にタラガニとチェリーのサガナキ、夫にはトマトと玉ねぎと青唐辛子で簡単に作ったソースのサガナキにしました。遅い昼ごはんに作ったのだけど、どちらもワインやチプロ(ポマースブランデー)がとても進むこと間違いなしです。

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復活祭前ですが、うちは普段の食生活と変わりなしで節制はしていません。と言っても、元々肉料理は週に2回程度。特に私と夫は野菜や穀物中心の食事です。

2024.04.17 meze
昨日はみんな大好きなケフテダキァ(揚げミートボール)を作りました。
少し前にSNSで日本の学校の給食メニューにケフテデスが出たというのを見たのですが、ギリシャ語でミートボールがケフテス、複数形だとケフテデスになります。

さまざまな種類や食べ方のあるミートボールですが、ギリシャのものはミントやオレガノなどハーブの程よく香るタイプが基本(クミンなど入れる場合も)で、一番ポピュラーなのは小麦粉をまぶして揚げたものです。私のブログや本では普通のひき肉のミートボールのことはケフテダキァという表記になっていますが、これはギリシャで一般的な呼び方で、特にこのような揚げミートボールのことは「小さいミートボール」やただ単に愛称のような感じでケフテダキァ(ケフテダキャ)といいます。ちなみにぶどうの葉で米を包んだ料理をドルマデスといいますが、これも同じ感じでドルマダキァ(ドルマダキャ)と呼ぶ方が一般的です。

前置きが長くなりました。料理写真のミートボールは本当に小さなひと口サイズですが、レギュラーサイズの半分くらいの大きさです。ミートボールは食べムラのある次女の分がいっぱいあった方がいいなと思って、多めに作っても私は少しつまむ程度。別に我慢してるわけではなく、これぐらいの量を豆サラダなんかと一緒に盛り合わせたおつまみプレートで楽しむのが好みなのです。

このような盛り合わせはピキリアといって、ギリシャの居酒屋的なお店や昔ながらのカフェニオン(主に男性が集うカフェ)でもよく出てきます。ウゾに合うメゼのピキリアだとシーフードが中心だったり、その時にあるメゼを適当に盛り合わせただけなんですが、ワンプレートにいろいろまとまってるとなんだか楽しくて、軽く一杯飲むのにいいんですよね。

ケフテダキァのほかにはティロカフテリ(フェタチーズと唐辛子のスプレッド)、ペットボトル漬けカラマタオリーブ、レンズ豆のサラダ、にんじんとチーズのサラダ。これはほんの一例なので、みなさんもギリシャのメゼをいろいろお好みで組み合わせて楽しんでみてください。


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夫の叔母さんの揚げミートボール。チーズは入れなくてもおいしいです。

こちらのレシピではクリームチーズも入れてますが、いつもはフェタチーズと唐辛子だけかギリシャヨーグルトも少し加えて作ってます。

豆サラダはいろんなバリエーションを載せていて、これが今回のにちょっと近い感じです。トマトやルッコラ、バルサミコは入れてませんが。


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誰しも食べ物のマイブームってあると思うのですが、特にその傾向が強いうちの次女。最近はティロカフテリを毎週リクエストされています。

2023.11.10 tyrokafteri potato
ティロカフテリは、辛いチーズのディップというかスプレッドのこと。ギリシャではよく食べられる、パンが進んで困ってしまうメゼのひとつです。
ベースとなるチーズはフェタチーズ(もしくは似たタイプの白チーズなど)で、青唐辛子を使った白っぽいタイプとパプリカを使った赤いのがあります。

「ギリシャのごはん」レシピ本には赤いティロカフテリを掲載していますが、実際うちでよく作るのは大きめサイズで辛味が結構強い青唐辛子を使ったタイプ。ティロカフテリはフードプロセッサーがなくても作れるとても簡単なディップで、むしろフードプロセッサーじゃなく手作業で混ぜた方が粗いテクスチャに仕上がりおいしいです。

2023.11.10 tyrokafteri
皮が焦げるまでローストした青唐辛子を掃除して、ナイフとフォークが当たっても気にならないお皿に置きます。フェタチーズも気前よく大きめの塊をその隣に待機させましょう。
ナイフで唐辛子をある程度刻み、フェタチーズとともにフォークでつぶしながら混ぜあわせていきます。チーズが高いからちょっとかさ増ししたいという意図があったり、塩気を和らげたいな……という方はここでギリシャヨーグルトもお好みで適量加えてください。ワインビネガー少しとオリーブオイルで味をととのえてできあがり。隠し味程度にすりおろしにんにくを加えてもいいです。

日曜恒例のピッツァついでに唐辛子を焼いて、次女のためにティロカフテリを作るというのがルーティンになってたのだけど、ある時、風邪をひいて食欲が落ちていたため手つかずで残ったことがありました。もしかしたら食べるかもしれないしと遠慮して置いておいたティロカフテリは、傷んではなかったので食べられることは食べられるけど、ちょっと微妙。「もったいないけど捨てるか…」に気持ちが傾きかけた時にふと思いついたのが、ポテトに絡めて焼くおつまみでした。

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ティロカフテリポテトの作り方:

じゃがいもは食べやすく切って(私は皮をむいてくし切りにしてます)耐熱皿に並べ、ゆるくラップをかけて柔らかくなるまでレンジ加熱する。

じゃがいもの水気を切って、オリーブオイルをひいたフライパンで焼く。全体がこんがりするまで返しながら焼いたら(余分な油があればキッチンペーパーに吸わせる)、真ん中を開けてティロカフテリを加える。

2023.11.10 tyrokafteri potato process
ティロカフテリが溶けてふつふつなってきたら、ポテトに絡むよう混ぜ合わせてできあがり。よく油がなじんだ鉄のフライパンか、もしくはお手軽にテフロンのフライパンならティロカフテリがフライパンに持って行かれないのでおすすめ。チーズが少し焦げてカリッとするまで焼いたのもまたおいしいです。
または、溶けたティロカフテリを混ぜずにポテトにつけながら食べても。

いずれの場合もお好みで黒こしょうをガリガリ挽いて、オレガノを散らしてどうぞ。

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2023.11.10 tyrokafteri potato1

完成品の写真を撮って食べかけていたら、次女が欲しいと言うのであげたんですが、どうやらこれが新たなヒットとなってしまったらしく、ティロカフテリを毎週作る作業に、ポテトを焼くという手間が新たに加わったのでした……。


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アラホヴァ、パルナソス山辺りに縁のある方からフォルマエラチーズをいただきました。うちでは普段買わないチーズなので、食べるのは何年ぶりでしょう?

2023.07.04 saganaki
フォルマエラ(φορμαέλαまたはφορμαέλλα)は、中央ギリシャに位置するヴィオティア県アラホヴァの伝統的なセミハードチーズ。羊乳や山羊乳を原料とするチーズで、約500gの円柱形に作られます。細長い籠に入れて成形するため、ぎざぎざとした模様が特徴的です。
フォルマエラチーズはペロポネソス半島のカラヴリタでも作られますが、アラホヴァのものが特に有名で、PDO(原産地名称保護制度)認証を受けています。

食感はキプロスのハルミチーズやペロポネソス半島メッシニア県のタラガニチーズのようにキュッキュッとした歯応え。そのままでも食べることはできますが、サガナキやグリルなど加熱調理して食べる場合が多いです。

というわけで結局簡単にサガナキで全部消費してしまったのですが、ちょっと甘いソースで食べたい気分だったので、2種類作ってみました。

トップの画像は、セモリナ粉衣のサガナキにチリトマトジャム添え。フォルマエラチーズを厚めにスライスし、さっと濡らしてセモリナ粉をまぶします。きつね色になるまでオリーブオイルで揚げ焼きにしてできあがり。セモリナ粉があったのでそれを使いましたが、コーンミールでもいいですよ。
チリトマトジャムはこれ用にごく少量作ったので適当ですが……トマトと生唐辛子と玉ねぎ少しを刻んで鍋に入れて煮詰め、味つけは蜂蜜と塩を使いました。


2023.06.29
こちらは衣はつけず、フライパンで焼いたサガナキ。ちょっとだけ食べたいなと思ってたら薄めに切れてしまいましたが、もうちょっと厚く切った方がいいです。

フォルマエラは加熱しても溶けないので、衣なしでそのまま焼いても形は保ったままになります。夏らしく桃の簡易ジャムですが、ウゾと粗びきこしょう入りで大人の味に。チリトマトジャムと同じく、甘味は最後に蜂蜜を加えています。

今回は甘いソースというテーマでやってみましたが、シンプルにバターで焼いて唐辛子フレークかパプリカを少し散らしたり、オリーブオイルで焼いてレモンで食べるのもいいし、サラダや料理に加えても楽しめるチーズです。


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