ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ルピーニ

最近は、ドリンクのお供にルピーニ(ウチワマメ。ギリシャ語ではルピナ)をよく食べてます。夏はビールに枝豆的なのが欲しくなるんですが、その地中海バージョンのウチワマメで。

2017.06.06 lupini

ルピーニは多分まだ日本ではほとんど知られていないものですが、次に流行るスーパーフードではと言われるヘルシーな食品なのです。
高たんぱく、低GI、低カロリーで、食物繊維やミネラル豊富。また、生活習慣病の予防・改善、アンチエイジング効果などが期待されるアミノ酸 アルギニンを多く含むことでも注目されています。

とは言え、ルピーニはアルカロイドを多く含むためしっかりとした下処理が必要。普通の乾燥豆と同じく戻して茹でたあと、さらに苦味(アルカロイドによる)を抜くために何日も水にさらします。そのためかなり手間がかかる印象ですが、作業時間は短いのでそれほどでもありません。濃い目の塩水に浸けておくと結構日持ちするので、ちょっと多めに作っておくとスナックとして重宝します。

ルピーニについては、茹で方のレシピ含め以前に記事を書きましたのでこちらからどうぞ。



塩味のほか、いろんな味付けでバリエーションを楽しむのもおすすめです。過去記事では浸し豆風やガーリックオレガノ風味のを紹介しましたが、最近作ったものもいくつかご紹介します。


2017.06.01 lupini

スパイシーガーリック味。
昔、ハワイの人に教えてもらったスパイシーガーリック枝豆をアレンジして、ルピーニでもかなりいけました。
ごま油でニンニクのみじん切りを炒め、水気を切ったルピーニ(塩水漬けだと塩辛くなりすぎるので、あらかじめ塩抜きしておきます)を投入。しょうゆ、みりん、だしの素(好みで)を加え汁気がなくなり香ばしくなったら、七味を振ってできあがり。ピリ辛味は、七味の代わりに唐辛子やシラチャーソースなどでもいいです。


2017.06.05 lupini

ポルトガル風チリガーリック味。
ルピーニを漬ける塩水に、たっぷりのニンニクスライスと唐辛子を加えておくだけ。シンプルだけど、これがなんとも後をひく味で、お気に入りのひとつです。食べる時は汁気を切って器に盛り、好みでオリーブオイルや胡椒など加えて下さい。


2017.06.06 lupini2

地中海風レモンガーリック味。
ちょっとすっぱいのもおいしいです。ルピーニに、塩、レモン汁、レモンの皮、ニンニク、唐辛子(生の青唐辛子を使いましたが、赤唐辛子でも)、好みのハーブ(画像のはレモンタイム)を混ぜて袋に入れ、しっかり漬かるよう空気を抜いておきます。冷蔵庫で、一日ぐらいは置いた方がおいしくなりますよ。好みでオリーブオイルをかけてどうぞ。

ルピーニの食べ方ですが、一般的に皮は残します。枝豆をさやから押し出して食べる、あの要領ですね。ルピーニの場合、言うほど皮は硬くないので、皮ごと食べてしまってもいいのですが。若いそら豆の皮を食べるか残すかというのと同じで、若干硬い&消化によくないかもという感じです。


※ナッツアレルギーの方は、ルピーニアレルギーを発症する確率が少し高くなるようです。ご注意下さい。


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皆さんは、一度食べてみて苦手だった食べ物をまた食べてみたくなりますか?
私の場合、トラウマになるほど口に合わなかったものですら「今食べたら苦手じゃなくなってるかも?」と思わずにはいられない。要するに食い意地が張ってるということですが(笑)良く言えば食に関する好奇心が強いのです。

2009.04.13 lupini1

今までに二度食べてみて、どうも美味しさがわからなかったものの一つがこのルブーニャ(ウチワマメ、ルピーニ)。地方によって呼び名がいろいろあり、ギリシャ語で一般的にはルピナと呼ばれます。地中海沿岸に自生するマメ科ルピナス属の植物から採れる種子で、スペインやイタリア辺りでよく食べられるのか、私が初めてこれを見たのはロンドンのスペイン食品店でした。
丸くて艶々とした可愛い姿に惹かれて、真空パックになったルピーニを買ってみたものの、味の方は「なんだか微妙…」。ロンドン在住時代は、それ以来ルピーニを見かけても再び手を出すことはありませんでした。

2006.09.04 beach snack

そして、それから10年以上も経って再び試してみたのが数年前、シミ島のぺディでのこと。海辺の売店に置いてあるのを見て、「これはビーチで寝そべりながらつまむのにいいわ」と買ったのだけど、やはりお味の方は「…(変な味…しかも何だか磯臭いし)」と、期待はずれだったのです。ルピーニは海水に漬ける場合もあるので、謎の磯臭さは海水によるものだったのかもしれませんね。

ちなみに現代ギリシャではルピーニをそれほど見かけないようですが、古くから食用とされているものです。蛋白質を多く含むルピーニは貧しい人々の間で重要な栄養源として重宝され、特にペロポネソス半島のマニの人々は“ルピノファゴス”(ルピーニ食い)と呼ばれるほどに常食していたそうです。

古代ギリシャの哲学者ゼノンは、ワインを飲むと柔和になる自分を、水に浸すことにより苦味を失うルピーニに例えたと言われています。
また、アケロンのネクロマンテイオン(死霊託宣所)ではその儀式の前にルピーニが振舞われたとか。ルピーニに含まれる各種アルカロイドの幻覚作用が死者の霊との交信を助けると信じられていたそうですが、そういう効果を期待するには普通に食用とする為の下処理を省いていたのかもしれませんね。と言うのも、ルピナス属は全草にアルカロイドを含む為に、食用にするにはしっかりとこの毒を抜くことが必要。まあ、ただ茹でただけで食べようと思っても、あまりに苦くて食べることが出来ないのですが。苦味がしっかり抜ければ食べても安全ということです。

2009.04.17 lupini3

さて、タイトルの“三度目の正直”に話を戻して。

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