ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:レシピ

今週は天気予報に最高気温40度の数字が出てきて、ついに来たか〜とうんざりしつつも、今のところは長く熱波が続く感じではなくホッとしています。去年は暑さに途切れがなくしんどかったので、夏中これぐらいだといいのですが。

2025.06.22 melitzanosalata me paprika
暑くても関係なく我が家では夫の希望で毎週日曜がピッツァと決まってるので、オーブンをつけるついでに他の料理やお菓子も焼いたりしています。数日困らないくらいの量を作れたらいいけど、そこまでやる気力はないので大抵は野菜を放り込んでおく程度。先日はバナナピーマンと唐辛子のマリネや、焼きなすサラダを作りました。

ポピュラーなギリシャ料理のメゼのひとつ「メリジャノサラタ」は和訳すると「焼きなすサラダ」ですが、焼きなすディップと認識する人も多い料理。「貧乏人のキャビア」と呼ばれるものと似ています。
メリジャノサラタはギリシャの中でも副材料や味つけにいろいろバリエーションがあって、どれぐらいのテクスチャーに仕上げるかもお好みですが、フードプロセッサーを使うよりも、フォークでざっくり潰して粗く仕上げるのが好きです。

春頃に友人たちと行ったメゼレストランでメリジャノサラタを頼んだら、あまり他では見ない、パプリカをきかせたタイプのが出てきました。野菜のパプリカが入ってるのはよくあるのだけど、その店のはスパイスのパプリカが結構たっぷりと使われていたのが印象的で、夏野菜の時期になったらあのイメージで作ってレシピ化したかったのです。

2025.06.22 melitzanosalata me paprika1
ワインビネガーでさっぱりした味の焼きなすは、夏のおつまみに最高。
レシピ本「ギリシャのごはん」「おうちでギリシャ居酒屋」でもメリジャノサラタをいくつかご紹介していますが、こちらもぜひお試しください。

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カロミナ!(月初めの挨拶)
断食期間のうちにベジ料理をもっと載せたかったのだけど、あっという間にイースターになりそう。今年は西方教会と東方教会ともに4月20日です。

2025.03.18 fasolia me lahano toursi
今日ご紹介する料理は自分でキャベツを漬けようと思うと少し日数がかかってしまうのですが、素朴ながらもおいしい豆の煮込みです。

スラブ系の食文化に近いものも多い北ギリシャではキャベツの漬物を使った料理があると以前書きましたが、これもそのひとつ。普通にキャベツと豆を煮込んだだけでもおいしいけど、発酵により醸し出される酸味と複雑な風味が、フレッシュなキャベツをそのまま使うのとはひと味違った料理に変身させてくれます。

作り方はいろいろあり、トマト味、トマトなしでパプリカだけの味つけ、米も加えたラハノリゾ(キャベツごはん)のバリエーションのようなタイプ、豆スープの残りに発酵キャベツを加えて展開料理として作るパターンなど。それぞれのおいしさがあってどれも捨てがたいです。


2025.03.18 fasolia me lahano toursi1
レシピは一番シンプルなパプリカ味で書いてみたので、興味のある方はお試しください。


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10月半ばにクレタ島のハニアへ行ってましたが、その後から調整を繰り返していたのがブレキのレシピです。

2024.12.04 boureki
Χανιώτικο μπουρέκι

ギリシャの郷土料理の中でも人気が高くよく知られるジャンルの筆頭がクレタ料理。クレタ島出身者のコミュニティもあちこちにあることから、全国的にクレタ料理店や食材店の数は多く、特にアテネなど大きな都市ではよく見かけます。
そのためアテネに住んでいてもクレタ料理はいろいろ食べられるのですが、そういえば見かけないかも?と思ってた料理のひとつがハニア風ブレキ(ハニオティコ・ブレキ、コロキソブレコ)でした。ミニパイやフライパンで焼いたり揚げたりするパイはどこのクレタ料理レストランでもあるけど、どっしりしたタイプのはあまり無いような気がします。

ハニア風のブレキはズッキーニとじゃがいもとフレッシュチーズを何層にも重ねて素朴な生地で包みじっくり焼き上げた一品。パイの一種ですが、食事のメインとして食べられるボリュームのあるものです。これを現地で食べてみたくてレストランで注文したら、運ばれてきたのはパイ生地で包まれてないタイプだったのでちょっとがっかり……ということがあったのでした。

ブレキは他では入手困難な地元産のチーズを使うことが味のポイントだと思ってるのでレシピ化するつもりはなかったんですが、レストランで食べたものが味の点でもまあまあで少々残念だったがために、これはやるしかないのでは?と自分の中でプロジェクトが立ち上がったのでした。


2024.11.12 boureki
プロトタイプは四角い耐熱容器でどーんと大きめに焼いたもの。ギリシャの家庭だと、うちで使ってるのよりもっと巨大な容器で作るでしょうけど。この時は野菜の下ごしらえとして軽くフライパン焼きにする方法で作りました。

2024.11.20 boureki
2度目からは、日本でも作りやすそうなサイズにスケールダウンし、野菜は生のまま入れる方法に。
分量的にはいい感じでレシピが書けたんですが、ここで「チーズの入手問題」が気になり、いっそ自家製チーズの方がいいのでは?と思い試作第3弾に踏み切りました。

ギリシャのフレッシュチーズの代用品はリコッタかカッテージチーズ辺りですが、売ってる店が限られそうだし値段もかなりするんですね。ギリシャでも普通はハニアのフレッシュチーズじゃなく他のもの(アンソティロにフェタ少し加えるのがよさそう)で代用することになります。

それで牛乳とレモン汁で簡単に作るフレッシュチーズを使ってみたところ、味も食感も一番私の好みに仕上がり、日本の方にも作れるレシピとしてはいい落としどころではないかなぁと密かに自信を持って書いたのが今回ご紹介するレシピです。


2024.12.04 boureki1
牛乳1リットルで切りのいい分量にしたかったので最初に作ったのよりチーズの量は控えめなのですが、味的には申し分なく、バランスよく仕上がったと思います。トマトは酸味がいいアクセントになるけれど(3回目のだけトマトなしで作りました)なくても美味しいのでお好みで。
少し手間と時間はかかりますが、作業自体は簡単なのでぜひお試しください。


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受難週の半ば。復活祭前の断食期間も残すところあとわずかですが、去年から載せそびれていた油抜きニスティシマのパスタを慌ててご紹介します。

2024.04.30 pasta
Αλάδωτα νηστίσιμα μακαρόνια με γαρίδες, ταχίνι και πελτέ

ニスティシマというのは、ギリシャ正教の断食(食事節制)のルールに従った食べ物のこと。基本は植物性で、一部シーフード(血が出ないとされるもの)を含みます。敬虔なクリスチャンは年間通してかなりの日数をこのような食事で過ごすわけですが、日によっては油さえ使わない場合も。その辺のことは関連記事に書いていますので興味のある方はご一読ください。

本来の目的からすると、特に油抜きの日にはおいしさを追及したりせず、ほぼ手をかけない質素な食事をするのが正しいのだと思います。しかしながら、聖山アトスの修道僧の作る料理など見ていると、ハーブやスパイスを一般的なギリシャ料理より多めに使ったりという工夫も見られます。
近年関心の高まっているヴィーガンやプラントベースの食材や料理との融合もあり、時代とともに変わっていくニスティシマ料理は、ギリシャ料理を長年研究している私にとってはかなり興味深いカテゴリです。


2023.12.23 pasta
大層なことを言いましたが、おいしいニスティシマ料理を考えるのが楽しいだけなんですけどね。ニスティシマは日本で買うと高価なチーズを使わないし、ものによってはオリーブオイル(こちらもかなり高騰中!)も不使用なので、コストを抑えるという利点もあります。もちろんニスティシマでない料理も知ってもらいたいですが、より多くの方にギリシャ料理を味わっていただけるのではないかなという可能性を感じています。


2024.04.30 pasta1
今回ご紹介するパスタは、少ない材料と手間で作れるアラドタ(油抜き)のニスティシマ料理。油抜きの料理やお菓子でよく使われるタヒニ(ごまペースト)でソースを作ります。トマト味とレモン味の2種類のレシピを書いたので、ぜひお試しくださいね。具材としてえびを使いましたが、野菜を使えばヴィーガンレシピになりますし、シンプルにソースだけでもおいしいです。


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きのこのギロス風というのを以前載せたけど、そのバリエーションでこんなのも作っています。

2024.01.17 celeriac  and mushroom gyros
ギリシャ料理ではニスティシマ(断食・節食仕様の料理)というカテゴリですが、動物性の材料が入らないのでベジタリアンやヴィーガンの方にも食べていただけます。ギリシャでも菜食料理の店が増えているのですが、ヴィーガンのファストフード店では肉の代わりにきのこなどを使ったギロピタが食べられますよ。


2024.01.17 celeriac and mushroom gyros1
ギロス風のはきのこだけで作ってもおいしいのですが、脂身感というか、ちょっと柔らかいテクスチャもあるといいなぁと思い根セロリ(セロリアック)とあわせて。根セロリの代わりにカリフラワーやなすなんかでもいいです。


2024.01.17 celeriac  and mushroom gyros1
お肉のギロスにはジャジキだったりマスタードマヨネーズのソース(チキンギロスの場合)がよく添えられるのだけど、タヒニソース以外のもやりたいなぁと思って実験。今は植物性のヨーグルトもスーパーで普通に売ってるのでそれを使えばヴィーガンジャジキが作れますが、敢えて他のもので試してみたくなりました。


2024.03.10 celeriac and mushroom gyros with avocado tzatziki
こちらはアボカドのジャジキ。アボカドのディップはフォークでつぶして粗く仕上げるのが好きなんですが、これはフードプロセッサーでなめらかにしました。


2024.03.14 chickpea tzatziki
ひよこ豆をピューレにして作ったジャジキ。ちょっとタヒニを入れたくなるけど、そしたらきゅうり入りフムス……。タヒニにきゅうりなら濃いめに作ったタヒニソースに入れるかなぁ。
味的にはやっぱり植物性ヨーグルトが当然ジャジキとしてはいいのだけど、この中ではアボカドかタヒニソースがおすすめ。たまにこういう遊びをしてひとり楽しんでいます。


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今回は皿盛りにしてますが、もちろんこんな風にピタサンドにするのもおすすめです。


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