ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ヴィーガン

ぶどうの若葉の季節ですね。復活祭前に、ベジヴァージョンのドルマダキァ(ドルマデス)を2種類作っていました。

2024.05.02 dolmadakia
手前が普通にオリーブオイルをたっぷり入れたもので、奥はオイル抜きで代わりにタヒニ(ごまペースト)を使ったもの。これは以前レシピを載せてますが、ちょっと分量など見直してみたくなったので。


2024.05.02 dolmadakia3
フィリングはこんな感じで、右のオイルなしはただ混ぜただけ、左は玉ねぎとズッキーニを炒め、トマトと米も加え軽く炒め煮にしています。ハーブは今回どちらもパセリとミントを使用。ズッキーニ入りの方は野菜の甘さを引き立てたくてカランツも入れました。


2024.05.02 dolmadakia4
ぶどうの葉っぱは爽やかないい香りがするのだけど、品種によるのか、この時のは甘さの際立った香りでした。葉の裏側が内側に来るよう上にして並べ、フィリングをのせてどんどん巻いていきます。


2024.05.02 dolmadakia1
オイルありの方は煮汁にもすりおろしトマトを加え、レモンはほんの少し。野菜とカランツのやさしい甘さを生かす味付けにしてみました。


2024.05.02 dolmadakia2
オイルなしタヒニ入りで作った方は水とレモン汁だけ加えて煮たので、少し乾いた感じの仕上がりなのは否めません。煮汁にもタヒニを入れてしまうと見た目が悪くなるのを心配したのだけど、その後タヒニソース仕立てのも作ったので、また近いうちに載せます。


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切るより割った方が具材がわかりやすいかなと思ったのだけど、撮影に失敗しています……手前がレンズ豆とタヒニ、奥がオイルありの。


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レンズ豆とタヒニのドルマダキァはドデカニサ諸島で好まれる揚げ玉ねぎのトッピングをのせてみればよかった!と後になって気付き、これもオイルなしで作れるなと思いついたので試してみました。そのままでもおいしいドルマダキァですが、香ばしい玉ねぎの味と食感が加わったこちらも捨てがたい。

揚げ玉ねぎのトッピングはシミ島で「クセロティガニシ」と呼ばれ、パン粉で作られる場合もあります。油を使わない方法は私が思い付きで作ってみただけなので現地のレシピではないのですが、タヒニの風味も加わりおいしいです。

ノンオイルクセロティガニシの作り方:玉ねぎを短い薄切りにし、全体にまぶさる程度の量のタヒニを加え和えます。焦がしすぎないよう時々かき混ぜながらオーブンで焼き、サクッと香ばしくなったらできあがり。エアフライヤーをお持ちの方は、そちらの方がうまくサクサク食感に仕上がりそうです。


【関連記事】

※レシピは以前書いたままのものです


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イースターサンデーの料理部門。直前までどうするか決めかねて、やっつけで作った復活祭メニューらしきものです。

2024.05.05 easter1
昨日の記事でも触れましたが、復活祭のお菓子は我が家の伝統と言えるような定番ができあがっているけれど、料理は毎年どうしようか悩みます。
ギリシャの復活祭の料理はラムや仔山羊の丸焼きが有名。丸焼きでなくともこれらのお肉を使った料理が定番で、伝統的な食卓には欠かせないものとなっています。それに加え他の肉料理やレバーなど内臓の料理が前菜に出てきたりと、胃袋の限界が試されます。

とは言え、近年はそんなに大量の肉を買っている人はあまり見なくなりました。昔は復活祭前に市場やスーパーへ行くと、丸ごとのラムをカートに積んだり抱えて運んでいる人をよく見かけたものですが。経済的な理由が一番大きいのでしょうけど、他にもさまざまな要因がありそうですね。

うちの場合、私と長女しかラムを好んで食べないし、モツが好きなのは私だけ。それでもちょっと何か作りたいしラムレッグでも買おうかなと迷っているうちに買いそびれてしまいました。全部のお店がというわけではないはずですが、復活祭直前は抱き合わせ商法で頭も付けられてしまうので、それは今いらないなぁと。

ヴィーガンの復活祭メニューも随分前に考えてたのだけど、詰め物をしたラムが食べたい気分でもあったので、雰囲気だけでもと思い冷凍庫にあった鶏もも肉を捌いて作ったのが今回のメイン。ラムや仔山羊に詰め物をして焼いた料理は島でよく見かける気がしますが、一頭丸ごとだったり、小規模に腿や肩肉で作ったり。詰め物も、地方によっていろいろです。今回はナクソス島風に、ふだんそうとハーブと米のフィリングで。少し前に載せたふだんそうパイのフィリングと同じような材料ですが、肉に詰める場合はレバーなど入れたりもします。


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こんな感じで、なんとか閉じてたこ糸で縛ったけど、針と糸で縫うとか楊枝で留める方がよさそう。ちょっと心許なかったので、とじ目を上にして焼き途中で一回ひっくり返しました。


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焼き上がりを切ってみたところ。チキンヴァージョンもおいしいのだけど、やはりラムで作ったのが食べたい……チキンでもせめてレバーを入れたかったなぁ。


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もう一品は考えてたヴィーガンメニューからひとつ、ジゲロサルマデス。羊モツを米やハーブとあわせたフィリングを網脂で包んで焼いたものです。かなり前の復活祭に作ったことがあるので、興味のある方は関連記事をご覧ください。ヴィーガンヴァージョンは網脂の代わりにライスペーパーで包んでみたのだけど、焼いてるうちにちょっと破れてしまいました。味はよかったのだけど、材料をシンプルにするため省いた材料はやはり入れるべきだったかも。こちらもちょっと課題の残る仕上がりでした。


【関連記事】

2024年の復活祭、お菓子部門はこちら


ジゲロサルマデスを作った時の記事です(レシピはなし)


今回作った詰め物料理と似たフィリングを使った植物性材料だけのパイ。ナクソス島ではふだんそうをよく食べます

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受難週の半ば。復活祭前の断食期間も残すところあとわずかですが、去年から載せそびれていた油抜きニスティシマのパスタを慌ててご紹介します。

2024.04.30 pasta
Αλάδωτα νηστίσιμα μακαρόνια με γαρίδες, ταχίνι και πελτέ

ニスティシマというのは、ギリシャ正教の断食(食事節制)のルールに従った食べ物のこと。基本は植物性で、一部シーフード(血が出ないとされるもの)を含みます。敬虔なクリスチャンは年間通してかなりの日数をこのような食事で過ごすわけですが、日によっては油さえ使わない場合も。その辺のことは関連記事に書いていますので興味のある方はご一読ください。

本来の目的からすると、特に油抜きの日にはおいしさを追及したりせず、ほぼ手をかけない質素な食事をするのが正しいのだと思います。しかしながら、聖山アトスの修道僧の作る料理など見ていると、ハーブやスパイスを一般的なギリシャ料理より多めに使ったりという工夫も見られます。
近年関心の高まっているヴィーガンやプラントベースの食材や料理との融合もあり、時代とともに変わっていくニスティシマ料理は、ギリシャ料理を長年研究している私にとってはかなり興味深いカテゴリです。


2023.12.23 pasta
大層なことを言いましたが、おいしいニスティシマ料理を考えるのが楽しいだけなんですけどね。ニスティシマは日本で買うと高価なチーズを使わないし、ものによってはオリーブオイル(こちらもかなり高騰中!)も不使用なので、コストを抑えるという利点もあります。もちろんニスティシマでない料理も知ってもらいたいですが、より多くの方にギリシャ料理を味わっていただけるのではないかなという可能性を感じています。


2024.04.30 pasta1
今回ご紹介するパスタは、少ない材料と手間で作れるアラドタ(油抜き)のニスティシマ料理。油抜きの料理やお菓子でよく使われるタヒニ(ごまペースト)でソースを作ります。トマト味とレモン味の2種類のレシピを書いたので、ぜひお試しくださいね。具材としてえびを使いましたが、野菜を使えばヴィーガンレシピになりますし、シンプルにソースだけでもおいしいです。


【関連記事】



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きのこのギロス風というのを以前載せたけど、そのバリエーションでこんなのも作っています。

2024.01.17 celeriac  and mushroom gyros
ギリシャ料理ではニスティシマ(断食・節食仕様の料理)というカテゴリですが、動物性の材料が入らないのでベジタリアンやヴィーガンの方にも食べていただけます。ギリシャでも菜食料理の店が増えているのですが、ヴィーガンのファストフード店では肉の代わりにきのこなどを使ったギロピタが食べられますよ。


2024.01.17 celeriac and mushroom gyros1
ギロス風のはきのこだけで作ってもおいしいのですが、脂身感というか、ちょっと柔らかいテクスチャもあるといいなぁと思い根セロリ(セロリアック)とあわせて。根セロリの代わりにカリフラワーやなすなんかでもいいです。


2024.01.17 celeriac  and mushroom gyros1
お肉のギロスにはジャジキだったりマスタードマヨネーズのソース(チキンギロスの場合)がよく添えられるのだけど、タヒニソース以外のもやりたいなぁと思って実験。今は植物性のヨーグルトもスーパーで普通に売ってるのでそれを使えばヴィーガンジャジキが作れますが、敢えて他のもので試してみたくなりました。


2024.03.10 celeriac and mushroom gyros with avocado tzatziki
こちらはアボカドのジャジキ。アボカドのディップはフォークでつぶして粗く仕上げるのが好きなんですが、これはフードプロセッサーでなめらかにしました。


2024.03.14 chickpea tzatziki
ひよこ豆をピューレにして作ったジャジキ。ちょっとタヒニを入れたくなるけど、そしたらきゅうり入りフムス……。タヒニにきゅうりなら濃いめに作ったタヒニソースに入れるかなぁ。
味的にはやっぱり植物性ヨーグルトが当然ジャジキとしてはいいのだけど、この中ではアボカドかタヒニソースがおすすめ。たまにこういう遊びをしてひとり楽しんでいます。


【関連記事】

今回は皿盛りにしてますが、もちろんこんな風にピタサンドにするのもおすすめです。


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復活祭前の長い大斎(断食・節食期間)も折り返し点を過ぎたところ。

2024.03.28 sefoukloti
Σεφουκλωτή Νάξου

うちは普段と変わらない食生活ですが、せっかくなので断食メニューをどんどん紹介していこうと思っています。いくつかレシピは書き溜めてあるのだけど、復活祭までに載せきれるかな?

近年はベジタリアンやヴィーガンの代替食品がどんどん増えているため、動物性食品の断食もしやすくなっています。肉で作っていた料理をそういった食材で代用するのは私もたまにやってみるのだけど、自分の中でしっくりくるものや本当においしいなと感じるのは、そういった“もどき”(というのもよい表現ではないですが)よりも、ギリシャで昔から食べられている食材を使った動物性食品なしの料理です。


2024.04.03 sefoukloti 1
ギリシャ人のソウルフード的な食べもののひとつにパイがありますが、私が気に入って冬から春にかけてよく作っているチーズなしのパイを今回はご紹介します。定番の青菜パイの地方バリエーションで、ナクソス島のセフクロティという料理。ふだんそう(セスクロ)を主材料に、たっぷりのハーブや米を加えた味わい深いパイです。


chard
このパイのレシピを書くにあたって、日本でふだんそうはどれぐらい入手しやすいかというのが気になって調べてみたのですが、「うまい菜」という名前で売られていたりもするよう。妹が地元の里の駅で売られていたのを撮影して見せてくれました。他の名前はスイスチャードですが、茎の色がカラフルな品種がそう呼ばれる場合が多いみたいです。

フィリングに米を入れるのは他のいくつかの地方でも見られるもので、水分を吸ってクラストがべチャッとなるのを防ぎます。そういえばこのブログでは米入りのパイってほとんど紹介していませんが、初期に載せたタコのパイケファロニア島の干し鱈パイがこのタイプです(いずれもレシピ未公開)。


ナクソス島のふだんそうパイのもうひとつの特徴が、ちょっと甘味を加えるということ。こちらは絶対条件というわけではないので苦手な方は抜いて作ってもいいのですが、干しぶどうを少し加えたり、蜂蜜をかけて食べたりします。蜂蜜をかけるのは確かアピランソスという村でよくやる食べ方ですが、これがまたおいしいのでぜひお試しを。イタリアやフランスの南の方にも甘いふだんそうのパイがあるのを思い出しましたが、地理的・歴史的に繋がりがあるのかもしれませんね。


2024.03.28 sefoukloti 2
レシピは厚めの生地上下1枚ずつの簡単なフィロでご紹介していますので、生地から手作りするパイは難しそう……と二の足を踏んでいる方にも比較的作りやすいです。


2023.12.14 sefoukloti
薄いフィロがお好みの方は、そちらで作っていただいてもどちらでもおいしいですよ。


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