ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:ヴィーガン

早いもので、8月ももう終わり。

2025.08.21a
そういえばこの夏はスベリヒユをあまり食べていなかったなぁ……と思い出し、市場で買ってきました。


2025.08.21b
好きじゃない人には、ちょっと酸味があって青臭いただの草なんだけど、私は洗ったり下ごしらえしてる途中でちょいちょいつまみ食いしてしまいます。子供の頃にその辺でイタドリだとか、食べられる草や実をとってよく食べてたので、当時から変わってないのかもしれません。


2025.08.21c
先日の昼ごはんに作ったのは、じゃがいもやズッキーニとあわせた煮込み。玉ねぎをオリーブオイルでしんなりするまで炒め、食べやすい大きさに切ったじゃがいもとズッキーニを加え、じゃがいもの表面のかたさがとれるまで、ふたをしてちょっと蒸します。すりおろしたトマト、ざく切りにしたスベリヒユを加え、塩と砂糖を軽くひとつまみ程度。水を適宜加え、野菜がすべてやわらかくなるまで煮てできあがり。にんにくや胡椒など入れない、シンプルでやさしい味に仕上げるのが好きなのですが、この辺はお好みで。


2025.08.21d
生でサラダに入れるときは、やはり夏のサラダといえばこれ!のホリアティキ(グリークサラダ)にすることが多いです。トマトやきゅうりといった夏野菜のシンプルかつ力強い味わいに、雑草でもあるスベリヒユがとてもよく合います。


2025.08.23
1束分は、一度作ってみたいなぁと思っていた山形県辺りの保存食「ひょう干し」にしてみました。煮物をお正月料理として食べるそう。軽く茹でてから天日干しにするんですが、太い茎がしっかり乾くまで結構しぶとい。

毎年作っているかんぴょうも同じ頃に干したのだけど、どちらもからからに乾くとほんの少しになりますね。あまり張り切って沢山作っても結局使い切れなかったりするので、「ちょっと足りないくらいが丁度いい」と、自分に言い聞かせています。


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暑かったり、いろいろあって気分が乗らなかったりで更新が滞ってましたが、写真が溜まってきたので忘れないうちに載せようと思います。

2025.07.12 dolmadakia
前回の記事では、「ズッキーニの雄花が売ってなくて、仕方なくズッキーニの実にくっついている雌花で米詰めを作ったけど満足度が低かった」と書きました。




こういう時の法則として、記事に書いた後に事態が反転するのは割とよくあることでして、翌週土曜の青空市場で雄花とひょっこり出会うことができました。「今度出会えたらためらわずに買う」なんて言いつつ、週末はメニューが決まってるし、お金も使っちゃったしなぁ……とか悩みながら(せいぜい数ユーロのことなのに)一旦は通り過ぎて、引き返したのですが。

2025.07.12 dolmadakia1
ぴんとした綺麗な花束じゃなく、ズッキーニの実の海の脇にバサッと適当に積まれた小さな山。これを全部2ユーロで引き取ってきたのですが、暑い中を歩いてるとどんどん萎れてくるので、うちに帰ったらすぐ料理にとりかかります。

2025.07.12 dolmadakia2
このときを待って冷凍庫で待機していたぶどうの葉の束を取り出し、まずはフィリング作り。フィリングは気分や手持ちの材料でその都度変えるのだけど、今回は玉ねぎと、すりおろしたにんじんとズッキーニ(それぞれ、グレーターの小さい丸穴、大きい丸穴で)、すりおろしトマト、米。ハーブはミントと冷凍庫にあったフェンネルを入れました。

2025.07.12 dolmadakia3
おしべは綺麗ならそのままでもいいけど、ちょっとくたびれてたので取りました。

2025.07.12 dolmadakia4
葉っぱと花それぞれ包んで鍋に入れ、水、オリーブオイル、レモン汁を加えじっくり煮てできあがり。何個か混ざってた雌花も使いましたが、どれだか見えますか?やっぱり雄花の方がおいしい!

2025.07.12 dolmadakia5
日本ではどちらも入手がちょっと難しい食材だけど、自分で育てたり、誰かにもらったりできる方はぜひ。多めに作っておくと数日楽しめます。鍋を火から下ろし落ち着かせてからのまだ温かいのも、冷蔵庫から出してそのまま冷たいのもおいしいですよ。

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しばらくブログを更新してないうちに、そろそろ5月も半ばにさしかかろうとしています。

2025.05.06 stuffed artichoke
そういえばまだ食べてなかった!と慌てて作った料理のひとつがアーティチョークの米詰め。毎年必ず作るわけでもないのですが、やっぱり好きだなぁと、満たされる一品です。

なんとなく重い腰が上がらないのがこういう詰め物料理だけど、やってみるとそれほど手間はかかりません。個人的に一番重要ポイントだと思っているのが、重なり合ったガクの間をよくよく洗うことで、これがちょっと面倒なのですが、中心の毛羽を取ったりフィリングを詰めやすいよう、花を開かせるように広げていきます。アーティチョークの種類によってはトゲトゲしているので、手に刺さらないよう先にキッチンばさみでガクの先を切るのを忘れずに。

2025.05.06 stuffed artichoke1
作り方は以前書いたので、関連記事を参考にしてください。
フィリングが全体的にまんべんなく入ってるとうれしいですが、適当でも大丈夫です。

2025.05.06 artichoke
米詰めアーティチョークを蒸し煮にしている間に、ちょっとメゼ。
ギリシャ料理は時間がかかるので面倒という印象をもつ方も多いと思いますが、大体は鍋で煮込んだりオーブン任せにするので、その間に他のことをしたり、メゼチャンス!と休憩を挟んだりします。

この日のメゼは、生のアーティチョークとクレタ島の塩漬け小粒黒オリーブとグラヴィエラチーズ。拙著「おうちでギリシャ居酒屋」のコラムでもちょっと触れましたが、こういった生野菜はクレタ島のラキなど強い蒸留酒にぴったりのシンプルおつまみです。

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フロニャ・ポラ!
田舎へ帰省したりしてる人が多いのか、うちの辺りは静かな復活祭の日曜です。

2025.05.19 vegan mageiritsa
最近の私は、張り切りすぎないのがモットー。家族みんなが好きなお菓子だけはいっぱい作って、料理はほどほどに準備します。昔は友人家族とギリシャの典型的なイースターホリデーを過ごしたりもしてたのだけど、フードファイト状態でなかなかハードなんですよね。

土曜から日曜に日付が変わり、教会から帰ってきて深夜に食べるマギリッツァという羊モツのスープは、長期間に渡る動物性食品の断食を破り肉料理でお祝いするウォームアップのような感じですが、真夜中だというのにマギリッツァだけでなく沢山の肉料理が並ぶことも珍しくありません。

そんな復活祭をちょっと懐かしく思いつつ、自分の中で定番化しつつあるのがヴィーガンマギリッツァです。モツを使った伝統的なマギリッツァは大好きなので何度か作ったこともあるんですが、うちは家族が誰も食べないので、自分だけのために作るのはモツの量的にかなり厳しいのです。日本みたいに少量パックなんてものは存在しないギリシャでは、羊モツはレバー、心臓、肺など繋がった状態で売られてます。ぜひ入れたい腸も、1頭分なので多い。いつだったか日本から妹が来た時に作ったのはなかなか楽しい思い出だけど、ふたりでもやはり持て余してしまいました。

ギリシャで長く暮らすうちに、鶏レバーとアヴゴレモノ(卵レモン)、きのことアヴゴレモノなど、羊モツの入らないマギリッツァをいろいろ試行錯誤した末、これが私なりの完成形かなと思えるのがきのことひよこ豆ピュレのヴィーガンマギリッツァ。

ちなみにマギリッツァは、スープというより煮込みみたいなものやトマト味のものなど地方バリエーションもいろいろあるのだけど、全国的に見られスタンダードとされるのは、モツのほかにレタスやハーブ、米を入れてアヴゴレモノ仕立てにしたタイプです。

また、ギリシャ人でもみんながマギリッツァを好きなわけではなく、モツが苦手な人や菜食主義者もいるので、伝統的でないマギリッツァも定番化しています。

2025.05.19 vegan mageiritsa1
ひよこ豆ピュレをアヴゴレモノの代わりに使ったのは我ながらいいアイデアだなと思ってるのですが、普通においしくヘルシーで、食べごたえもあるのでぜひベジタリアンやヴィーガン以外にも試してもらいたいレシピです。やさしい味と食感で、体調が悪いときの食事にもぴったりですよ。


2025.05.19 easter bread & biscuits
そして、今年のお菓子たち。
これも我が家の定番と呼べるものがほぼできあがっていて、違う種類のチュレキ(甘いパン)やフレッシュチーズのお菓子も作ろうかなと最後まで迷ったのだけど、無理なく作れる範囲にしようと思いとどまりました。なので、今回作ったのはサワーチェリー&チョコのチュレキと、ベーシックなイースタービスケット、シミ島のクルラキァ3種。一緒に並んでるイースターエッグはいつもの玉ねぎの皮でひたすら煮て染めたもので、卵同士をぶつけて勝者を競うゲーム用には市販の赤いイースターエッグも少し買ってます。

チュレキは2個作ったけど、これは真っ先になくなりますね。ビスケットも朝食やおやつにつまんでどんどん減っていきます。

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色合いこそ地味めだけど、春を感じられる料理のひとつがこの煮込みです。

2025.04.11 aginarokoukia
冬のおわりの寒さが厳しい頃から、市場に並びだすアーティチョークとそら豆。どちらも初夏まで出回っているので長く楽しめますが、若いそら豆が食べられるのは限られた期間だけです。

走りの、指くらいの太さのものはとてもしなやか。中の豆はとても小さく、むいて食べるのには適さないので、さやごと煮たり揚げたりする料理に使います。

定番の組み合わせのアーティチョークとそら豆の煮込みには、もうちょっと大きくなって中の豆の存在感も増したものがいい。今年はもう時期を逃してしまったかなと思っていたところ、滑り込みで作ることができました。

そら豆はさやの手触りがベルベットを思わせる感じなら、ちょっと育ち気味に見えてもまだ大丈夫。両端の筋が硬くなってしまったものは丁寧に筋取りして、豆のふくらみのある部分を避けて食べやすい長さに切ります。さやがつるっとした感じになってしまったらもう硬いので、むいて中の豆を皮ごと使います。

日本では若いそら豆はあまり売ってないかもしれませんが、さやまで食べられるほどのは無理でも、まだ黒い筋が出てない皮ごと食べられるものに出会ったら、ギリシャの煮込みにしてみようかな......と、思い出してもらえるとうれしいです。

2025.04.11 aginarokoukia1
アーティーチョークも日本では入手が困難だったり値段が高かったりしますが、そら豆だけで作ったり、アーティチョークの代わりにじゃがいもを入れてもおいしいですよ。

レシピは以前載せたので、下記リンクからご覧ください。
今回ハーブはフェンネルを使いました。

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