ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:伝統食品

8月はうだるような暑さにすっかりバテつつも、この夏作ってみたいと思っていた保存食をなんとか完成させていました。

2024.08.14 corn xynochondros (2)
Ξινόχοντρος από καλαμπόκι

作ったのは、とうもろこしのクシノホンドロス。
まずクシノホンドロスとは何?というのは以前書いたのを関連記事のリンクから見ていただくことにして……本来は粗く砕いた麦で作られるクレタ島の伝統食品なのですが、ある時にとうもろこしを原料としたグルテンフリーのクシノホンドロスというのを見かけて、こんなものまでグルテンフリーヴァージョンが出るとは時代だな〜と感じるとともに、自作したい気持ちがムクムクと湧いてきたのです。

それでとうもろこしの季節を楽しみに待ってたのだけど、私がよく行くいくつかの市場で売られてたのはなんだかいまいち。甘味に欠けていたのは、この用途には丁度よかったのですが。最近になって実入りのよいとうもろこしをあちこちで見かけるようになったので、猛暑のせいだったのかもしれませんね。


2024.08.14 corn xynochondros 1
めげずにとうもろこしを買い集め、まずは粗びき乾燥とうもろこしを作りました。小麦で作った時と同じような感じだけど、やはりうちのフードプロセッサーやミルでは上手く挽くことができず、粒そのままみたいなのと細かすぎるのが混ざっています。市販品は確か原材料に「とうもろこし粉」という表記があった気がしますが、コーングリッツぐらいの粗さに挽いたとうもろこしで作っているようです。もしコーングリッツが手に入るなら、それでもっと簡単に作れそう。


2024.08.14 corn xynochondros 2
とろりとして酸っぱくなるまで発酵させた山羊乳と塩適量、とうもろこしのホンドロスをあわせて煮ていきます。山羊乳を発酵させるのは、初めて作った時の自然に任せる方法ではなく、山羊乳ヨーグルトをスターターとして使いました。


2024.08.14 corn xynochondros 3
汁気がなくなるまで煮たホンドロスを手で握ってまとめ、乾燥させます。一緒に干されてるのは小麦で作った普通のクシノホンドロスと、夏のはじめに仕込んであった杏の梅干し風(今回はサワーチェリーも少し)。


2024.08.14 corn xynochondros 4
この形のまま完全に乾燥させてもいいのだけど、中まで乾くのに時間がかかるのと、料理に加えて煮る時に崩しにくいのもあり2日目は粗くほぐして乾かしました。


2024.08.14 corn xynochondros 5
防虫のため、最後は低温のオーブンで仕上げています。


2024.08.14 corn xynochondros 6
その後バカンスに出かけたりいろいろあって先日やっと一品作ったのがこちら。なんとなく、オクラの煮込みに合いそうだなと最初に思い浮かんだのですが、丁度冷蔵庫にあった使いかけのバターナッツかぼちゃも入れたらちょっと秋っぽい雰囲気の煮込みになりました。

【関連記事】



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夏は伝統的に保存食をいっぱい仕込む季節。田舎では豊富にとれる野菜や果物を瓶詰めなどに加工したり、乾物を作ります。

2022.07.18 xinochondros
都会暮らしではそんな本格的にはやらないまでも、ちょこっと何かを作りたくなります。私が毎年作るものといえば、ドライサワーチェリーやあんずの梅干し(もどき)、あとミントを干す程度なのですが、今年はまた使い切れない小麦の粒があったのでクシノホンドロスに加工しました。



クシノホンドロスは粗びきにした小麦を山羊または羊の発酵乳で煮て乾燥させた、クレタ島の伝統食品。詳しくは以前書いた記事をご覧ください。

2022.07.17 xinochondros1
家庭で丸麦から作ろうとすると、麦をうまく砕くのが難しいです。石臼でもあればいいですが、もちろんそんなものはないので前回と同じく水に浸して戻してからフードプロセッサーにかける方法でやりました。これも綺麗に砕けないので、ほぼ丸ごとの粒も混ざってたりします。
丸麦の消費目的ではない場合、市販の粗びきブルガー小麦を使うといいです。

前回の作り方と変えた点は、山羊乳をただ放置して発酵させるのではなく、山羊乳のヨーグルトを山羊乳と混ぜました。これだとかなり早くできます。

2022.07.17 xinochondros2
トップの完成品写真の撮影はまだ中まで乾燥しきってない状態でしましたが、今回は使いやすくほぐしたタイプに。上の写真では握って固めてますが、ある程度乾いたところで割っていき、虫防止のため最後は低温のオーブンで仕上げました。

2022.07.19
クシノホンドロスを使って前にいろいろ作った中では、ロールキャベツやピラフがヒットだったので、またそのうち作る予定。とりあえずは野菜のごった煮に入れてみました。
野菜は別にこの組み合わせでなくても単品野菜の煮込み(今の時期なら、たとえばオクラのトマト煮など)でも何でもいいのですが、クシノホンドロスが入ることで味に深みが出てボリュームもアップします。


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最近冬らしくなったせいか、煮込み・ポレンタ・トラハナのようなものばかり食べています。

2012.11.21 trahana me hirino
Χοιρινό με τραχανά

煮込みやポレンタはともかく、トラハナって何?という方はまずこちらの記事からどうぞ。

私はトラハナをスープと言うよりもお粥のような感じに濃く作ってることが多いのですが、最近はごくシンプルに水で煮て仕上げにフェタチーズというパターンです。

今回は、ちょっとだけ豪華ヴァージョンで豚肉入りにしてみました。
ギリシャ語でこれの料理名は“ヒリノ・メ・トラハナ”(豚肉とトラハナ)だと思うのだけど、そう呼ぶほど肉は入ってません^^;

煮込みを作った時に出た切り落としが中途半端な量あったので、フライパンで軽く焼き色をつけ、玉ねぎ&にんじんと一緒に圧力鍋へ。豚肉が柔らかくなるまで煮たら、トラハナを加えあとは普通にかき混ぜながら煮るだけです。

トラハナが柔らかくなり、ぽってりとしたら出来上がり♪
トッピングはフェタチーズ、胡椒、パプリカです。

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