ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:保存食

オリーブの記事もまだ終わってませんでした……こちら4品目は甘いものです。

2023.04.28 olive glace
ペロポネソス半島をドライブ中に立ち寄ったお店でカラマタオリーブのグリコ(シロップ煮)の瓶詰めが売られてるのを見かけたことがありますが、あれは石灰水で下処理してあったのだっけ?随分前に聞いてメモしたのがどこかにあるはずなんだけど。

グリーンオリーブで作る場合、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)で渋抜き→水に数日晒すというプロセスのあとにシロップ煮にすればいいのだろうけど、今回は新漬けとして薄い塩水に漬けてあったものを使うので、種抜き後に水に浸けました。

とは言え、新漬けの場合は薄い塩味なので、すぐ食べる用ぐらいの薄塩のなら塩抜きしなくても程よい味に仕上がりそう。


2023.04.26 olives
今回は全部種抜きしてからすぐに全部調理しなかったので、後回しにしたシロップ煮用のはとりあえずレモン水に浸けてその日の夜か翌日まで置いてました。


2023.04.27 olives
煮てる段階の写真も残ってるけど、いつ作り始めたのかがあやふや。

シロップ煮そのままのグリコにしてもよかったんだけど、ちょっと気が変わってグラッセにしました。段階的に砂糖を足していき、しっかりとシロップを染み込ませます。


2023.04.28 olive glace1
グラッセと言うと、結晶化した砂糖の衣をまとったもの?ギリシャでは結晶化はさせてなくて艶々タイプをよく見る気がします。今回は少量だし、とりあえずちょっと乾燥させて砂糖をまぶしたのを作ってみました。


2023.04.28 olive glace2
割ってみたところを、クローズアップで。どうですか?この透明感!
オリーブの持ち味を生かしつつも、何かひと味加えたくて、レモンとクローブをほんのり……な感じで作ってみました。

この味つけが大正解で、ちょっと残った塩気も程よいです。
甘いものよりおつまみ系が好きなのでグラッセは少量しか作らなかったのだけど、思ったよりおいしくできてしまったので、もっと作ればよかったかも?次のオリーブシーズンも、大量にグリーンオリーブを仕込むことになりそうです。


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1リットル分の新漬けオリーブ(だったもの)消費作戦、3品目は麻辣オリーブです。

2023.04.26 olives1
Mala olives

あっさり薄塩味の新漬けオリーブは、シーズン最初のみずみずしいフレッシュなグリーンオリーブの味わいがまさに口福。
産地ならではの贅沢な食べ方になりますが、私は毎年秋に大量に自作して、バリエーションもいろいろ楽しんでいます。

いろんな味つけのを作ってきたつもりだけど、なぜまだ作ってなかったんだろう!?と完全に抜け落ちていたのが「麻辣味」でした。

見た目だけで、ごはんもお酒も進みそう。こんなの美味しいに決まってますよね。作ってる途中から味見が止まらない危険な食べ物です。


もう1か月ほども前のことなので何を入れたのかうろ覚えですが、作り方を記しておきます。

オリーブは種を抜いたものを使用。塩気が強い場合は水に浸けて塩抜きして水気を切っておきます。
にんにく、しょうが、お好みでねぎも一緒に刻み、多めの油(オリーブ縛りでオリーブオイルを使いました)でスパイスと一緒に炒めます。スパイスは赤唐辛子フレークと花椒に、八角もひとつ放り込んでみました。
香りが立ったらオリーブを加え炒めあわせ、砂糖と酢少し(黒酢とかワインビネガーなどお好みで)、紹興酒(なければ適当な酒でも、入れなくても)、醤油(中国の生抽と、老抽も少し。日本の醤油の場合は控えめに)を加え水分を飛ばすように炒め煮にしてできあがり。


2023.04.26 olives2
ボトル1本分のオリーブの種を全部抜いてしまってから使い道を考えたのですが、結果、穴にスパイスや調味料が入り込んでしっかりとした味わいに仕上がりました。控えめなのがお好みなら種入りのままでもいいけど、ごはんと一緒に食べたり和え物などに展開するなら種抜きがおすすめです。


2023.04.29 olives3
そんなに沢山は作らなかったので、麻辣オリーブの展開おつまみは一品だけ。滷牛腱とか酱牛腱っていうんでしょうか、牛すね肉を中華スパイス風味の醤油煮にしたものを薄く切って、白髪ねぎと麻辣オリーブを添えました。


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寒い日が続いています。

2023.01.30 xinochondros soup
今週はアテネにも雪が降るほどで、次女の学校は水曜までオンライン授業だったのもあり私はほぼ冬眠してました。セントラルヒーティングがあるのでそこまで室温は低くないんだけど、寒いと体が動かなくなるんですよね。

こんな時に食べたくなるのがトラハナのスープ(トラハナについては関連記事に詳しく書いています)。ドロッとしたテクスチャーがお粥やおじやを連想させるコンフォートフードですが、トラハナの仲間のようなクシノホンドロスを夏に作ったのがまだあったので、それを使ってスープを作りました。クシノホンドロスは小麦粉じゃなく麦の粒を粗く挽いたもので作るので、プチプチとした食感です。

覚え書き。
ポークチョップの骨部分と鶏を捌いた時に出た鶏ガラがあったので、血抜きをしてから圧力鍋で煮ます。適当なくず野菜と、半分に切った玉ねぎ、トマト一切れ、ベイリーフも入れて。骨にはスープ用に肉をある程度残していたので、ほろっとやわらかく煮えたら骨から肉をはずしておきます。玉ねぎは一旦取り出し、スープを漉して玉ねぎと一緒に鍋に戻します。
好みで小さく切ったズッキーニや一口大に切ったじゃがいもも入れ、クシノホンドロスを適量加えこれらがやわらかくなるまで煮込みます(玉ねぎは混ぜているうちに勝手に崩れます)。取っておいた肉を最後に戻して軽く煮、塩こしょうで味をととのえたらできあがり。


2023.01.19 cauliflower & potato stew with xinochondros
見た目があまり変わらないけど、別の日に作ったカリフラワーとじゃがいもの煮込みもクシノホンドロス入りで作ったのでついでに載せておきます。
こちらは肉系のものは入ってないのですが、うまみが足りないなんてことは全然なくて、変わらずおいしい。肉やブイヨンを入れたスープよりも、我が家ではこちらの系統で作る方が多いです。


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ギリシャの長い夏休みも、終わりに近づいてきました。

2022.07.27 gemista
夏中ずっとカラカラだった昔とは気候が変わって8月後半でも雨が降ることが増えましたが、なんと今週は連日雨の予報が出ています。
猛暑が去ったのはいいですが、いろいろと心配になりますね。


2022.07.27 gemista1
写真は、先月作って載せそびれていたイェミスタ(スタッフドベジタブル)。
夏の定番料理ですが、暑い時期のオーブン料理は苦行……。
なので、私は真夏にはめったに作りません。
この時に作りたかったのは、少し前にクシノホンドロス(挽き割り小麦と発酵乳の保存食)を仕込んでいたから。


2022.07.27 gemista3
すぐに記録しなかったからうろ覚えですが、米とひき肉のフィリングで、米の一部をクシノホンドロスに置き換えました。風味付けはミント(パセリも入れたかったけど切らしてた)、こしょう、オールスパイスに、シナモンも少し入れたかも?


2022.07.27 gemista2
いつものイェミスタにクシノホンドロスが入ることで、麦の食感と発酵乳の味わいプラス。
おいしいキャベツが出てきたら、クシノホンドロス入りのロールキャベツを作るのも楽しみです。

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ギリシャのごはん うちで楽しむ、とっておきレシピ74
にはベジヴァージョンのイェミスタを掲載しています。
ちょっと時間のかかる料理ですが、じっくり焼き上げることによっておいしく仕上がる一品。多めに作るのがおすすめです。


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夏は伝統的に保存食をいっぱい仕込む季節。田舎では豊富にとれる野菜や果物を瓶詰めなどに加工したり、乾物を作ります。

2022.07.18 xinochondros
都会暮らしではそんな本格的にはやらないまでも、ちょこっと何かを作りたくなります。私が毎年作るものといえば、ドライサワーチェリーやあんずの梅干し(もどき)、あとミントを干す程度なのですが、今年はまた使い切れない小麦の粒があったのでクシノホンドロスに加工しました。



クシノホンドロスは粗びきにした小麦を山羊または羊の発酵乳で煮て乾燥させた、クレタ島の伝統食品。詳しくは以前書いた記事をご覧ください。

2022.07.17 xinochondros1
家庭で丸麦から作ろうとすると、麦をうまく砕くのが難しいです。石臼でもあればいいですが、もちろんそんなものはないので前回と同じく水に浸して戻してからフードプロセッサーにかける方法でやりました。これも綺麗に砕けないので、ほぼ丸ごとの粒も混ざってたりします。
丸麦の消費目的ではない場合、市販の粗びきブルガー小麦を使うといいです。

前回の作り方と変えた点は、山羊乳をただ放置して発酵させるのではなく、山羊乳のヨーグルトを山羊乳と混ぜました。これだとかなり早くできます。

2022.07.17 xinochondros2
トップの完成品写真の撮影はまだ中まで乾燥しきってない状態でしましたが、今回は使いやすくほぐしたタイプに。上の写真では握って固めてますが、ある程度乾いたところで割っていき、虫防止のため最後は低温のオーブンで仕上げました。

2022.07.19
クシノホンドロスを使って前にいろいろ作った中では、ロールキャベツやピラフがヒットだったので、またそのうち作る予定。とりあえずは野菜のごった煮に入れてみました。
野菜は別にこの組み合わせでなくても単品野菜の煮込み(今の時期なら、たとえばオクラのトマト煮など)でも何でもいいのですが、クシノホンドロスが入ることで味に深みが出てボリュームもアップします。


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