ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:干しタラ

フライを作ったときに戻した干し鱈を少し残してあったので、ホルタをあわせて煮込みを作りました。

2025.03.26 bakaliaros me horta
ギリシャでは野草や青菜の類を総称して「ホルタ」といいますが、野山で、あるいは市場で集めてきたさまざまな葉っぱを味わうことができるのは、この国に住んでてよかったなぁと思うことのひとつです。

干し鱈とホルタの煮込みは、「干し鱈で何をしようかな……」と考えたとき私が食べたい料理のトップ5には間違いなく入るものです。使用する葉っぱ類はこれとは特に決まっていなくて、その時々に市場で目についたものだとか、気分に合った香りのハーブなどあわせます。
前はどんな風に作っていたか、過去記事をちょっと検索してみたら、うずら豆も加えたのが我ながらとてもおいしそう。すっかり忘れてたけど、また今度やってみよう。


2025.03.26 horta
今回は入れたかったカフカリスラというハーブが全然売ってなくて(時期的に、まだあるはずなのだけど)、やっと見つけてもやけに高かったりショボショボだったので見送り。味的にはあまり主張しないアブラナ科のホルタと、あとはポロねぎや普通のねぎを多めに入れました。


2025.03.26 bakaliaros me horta1
鱈は家族が骨付きの魚を嫌がるので扱いやすいフィレをいつも使っているけど、こういう料理はどちらかというと骨付きの干し鱈で作りたいかも?昔はどちらかというと苦手だった、煮てぷるんとした皮もいつの間にか好きになったので、私の好みど真ん中の一品。じゅんわりとおいしさが口の中に広がる煮込み、みなさんも食べたくなりませんか?

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今日3月25日はギリシャの独立記念日。そしてキリスト教行事の生神女福音祭(受胎告知の日)でもあります。

2025.03.25a
復活祭まで40日以上も続く長い断食期間の最中で、きちんと節食ルールを守る人は動物性の食品を口にしないのですが、生神女福音祭は魚食が許されるため魚料理を食べるのが伝統です。

中でも干し鱈の料理、特にスコルダリァというガーリックディップを添えたフライが定番。なぜエーゲ海がありながら輸入品である干し鱈がよく食べられるのかという理由は以前書いたので、関連記事をご覧ください。

干し鱈の料理はどちらかというと煮込みやオーブン焼きなどが私は好きなんですが、フライもたまに食べるといいものだな……と思うので、年に一度、3月25日はベーシックな「バカリァロス・スコルダリァ」に落ち着きつつあります(と言いつつここ数年のを見返したら、一昨年は干し鱈のスパゲッティだったけど)。
というわけで、鱈フライもスコルダリァも去年と作り方は同じ。

サイドディッシュにぜひ欲しいのは、シンプルなビーツのサラダ。実は普段はめんどくささが勝ってパックの調理済みビーツも愛用してるのだけど、葉っぱも食べたいときは青空市場で新鮮な葉つきビーツを買ってきます。


2025.03.25b
揚げたて熱々の干し鱈フライに、スコルダリァをたっぷりつけて。ビーツや青唐辛子ピクルスと交互に食べると、食材同士の相性のよさに、思わずうなずきたくなるおいしさです。

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去年の3月25日メニュー。


ほぼ同じような感じですが、こちらは2021年の。


新刊「おうちでギリシャ居酒屋」でも、たらフライのスコルダリァ添えのレシピをご紹介しています。こちらは日本でも作りやすいよう甘塩たらを使っていますが、もちろん干し鱈を塩抜きして使っても。


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昨日は聖枝祭(パームサンデー)でした。今週は受難週で、復活祭へのカウントダウンに入った感じ。

2024.04.28 salt cod pie
Μπακαλιαρόπιτα

聖枝祭は魚を食べていい日なので、節食はしてないけど食べたかった魚の料理を作りました。

3月25日の魚食の日と同じく干し鱈を使い、今度はケファロニア島の干し鱈パイ。作るのは数年ぶりで、レシピは書こうと思いつつ作り方が定まってないのでなし。でも、いい加減ざっくりでも書いておかないとまた次回困りそう……。


2024.04.28 salt cod pie1
ケファロニア島のパイは厚めのフィロで作るどっしりとしたもので、肉のパイや魚介のパイなどがよく知られます。フィリングにつなぎ的な役割で米を入れるので、素朴なフィロと相まって食べごたえあり。

前回(関連記事参照)は葉にんにくも入れて作ってみたのだけど、今回はなしで青菜とさまざまなハーブを入れました。


2024.04.28 salt cod pie2
青菜は残ってたふだんそうを使いましたが、花が咲き始める前の若いひなげしの葉を使うのが好きです。鱈の旨味に青菜やハーブの香りが合わさり、春を感じられるお気に入りのパイのひとつです。


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代表的なギリシャ料理のひとつとして知られる、ぶどうの葉で米などのフィリングを包んだドルマデス(ドルマダキァ)。

2023.06.14a
やっぱりとれたての生葉を使ったものは格別なので、出回る時期には作っておきたい料理です。ぶどうの若葉は市場では7月ごろまで見かけますが、旬は4月終わりから5月。今年も余裕がなくちょっと出遅れ気味で、先週やっと作ることができました。

せっかくなので、ラキを一杯。ドルマダキァとケフテダキァ(ギリシャ風ミートボール)で、とってもギリシャらしいおつまみセットです。


2023.06.14c
いつも最初に作る「ドルマダキァ・ヤランジ」は、肉なしでハーブたっぷりの薫り高いドルマデス。ドルマデスというのはぶどうの葉に限らずキャベツ(特に冬によく使われる)など他の葉っぱでも作れますが、このハーブライス入りのはぜひぶどうの葉でお試しいただきたいものです。ぶどうの葉自体もハーバルな風味と酸味があり、それがフレッシュハーブやレモンとあわさって複雑な味わいを生みます。


2023.06.14b
ちなみに作り始めるまでは面倒だなと思って実はなかなか重い腰が上がらなかったりするんですが、私にとってはとてもリラックス効果がある料理です。ひとつひとつ包んで巻いていく作業は瞑想のように心が静まるし、作っているときの香りはまさにアロマセラピー。
日本ではぶどうの葉の入手が若干困難ではありますが、レシピ本にも作り方を掲載していますので、機会があればぜひお試しください。


2023.06.15a
我が家の超定番のもうひとつ、ひき肉入りトマト風味のドルマダキァはとても小さいサイズに包まないと気が済まないので、今回はパスして……代わりに干し鱈入りのを作りました。


2023.06.15b
干し鱈入りはその時の気分で副材料を変えるのでレシピは定まっていないのだけど、よく作っているドルマダキァのひとつです。


2023.06.15c
今回はハーブをたっぷり目に入れ、ヤランジの配合に近い感じで。玉ねぎ、刻んだ干し鱈(塩抜きしたもの)を炒め、トマト少しと米も加え炒めて、ハーブ(パセリ、ディル、スペアミント)とひまわりの種、干しぶどうを加えました。塩こしょうで味をととのえますが、塩の量は干し鱈の塩気によって加減します(煮ると味が薄まるので濃い目に)。


2023.06.15d
ドルマダキァ・ヤランジには松の実と干しぶどう(カランツ)をよく入れるのですが、今回なしで作ったので鱈の方に入れたくなりました。いきなり思い立ったので、松の実の代わりにひまわりの種を炒って使いましたが、これも十分おいしい。ひまわりの種は、自分の中で「貧乏人の松の実」と呼んでいます(笑)


2023.06.15e
この日のもう一品は、レンズ豆のサラダ。茹でたレンズ豆に、玉ねぎ、パプリカ、トマト、フェタチーズ、ディルをシンプルなワインビネガー&オリーブオイルのドレッシングで。ビネガーはバルサミコを使って甘めに仕上げてもおいしいです。


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早いもので、今週はメガリ・エブドマダと呼ばれる聖週間。パスハ(復活祭、イースター)も間近です。

2021.04.25 salt cod pie

昨日はパームサンデーだったので、魚の料理を作りました。
ギリシャ正教では復活祭までの40日間は断食なので、敬虔なクリスチャンは動物性の食品は食べませんが、3月25日と復活祭の前の日曜日(聖枝祭、棕櫚の主日)は魚食が許されます。

ギリシャの断食期間について、noteでも書いてますので興味のある方はこちらのリンクからどうぞ。




うちは普段あまり魚料理をしないので、断食はしてないけどここぞとばかりに行事に乗っかります。

先月は普通に定番の干し鱈のフライを作りましたが、パームサンデーにはケファロニアの干し鱈パイが食べたい!と心に決めてたんです。

ギリシャはパイ料理がとてもよく食べられる国で、全国的に共通するもの以外に地方のバリエーションもいろいろあります。イオニア海に浮かぶケファロニア島の郷土料理は、厚めの生地でたっぷりの具を包んで焼き上げたパイ。特にミートパイがよく知られます。
干し鱈やタコといったシーフードのパイもあり、そういえばあれはおいしかったな……と、最近ふと思い出して食べたくなっていたのです。

タコのパイは残り物のタコを使ってミニサイズで作ったのがこちらに載ってましたが、鱈は見つからず……。確かあの時はアニサキス入りの鱈を引いてしまったので(その部分はもちろん取り除いたけど)、気分が下がりすぎて撮らなかったのかも?

2021.04.25 salt cod pie1
ちなみに干し鱈ですが、ギリシャで使うのはポルトガル料理のバカラオと同じタイプの干し塩鱈です。セミドライなのでやわらかいですが、しっかり塩漬けされているので何度も水を換えながら2日ぐらいかけて戻します。

ケファロニア島のパイは、生地が厚めということ以外にも特徴があります。フィリングに米を入れるというのもそうで、リゾットのパイ包みのような印象を受けるかもしれません。


2021.04.23 marjoram
また、ケファロニア島で好まれるハーブ「サプシホ」の香りも味のポイント。これはマジョラムのことで、ギリシャの共通語ではマジュラナと呼ばれます。

他に入れるハーブなどは人それぞれですが、パセリ、ディルまたはフェンネル、スペアミントといったところ。私はハーブたっぷりで作るのが好きです。

2021.04.25 salt cod pie2
玉ねぎ、ねぎ、にんにくも。もう新にんにくの時期ですが、まだ葉にんにくが売っていたので、ねぎと一緒にこれもたっぷり刻んで入れました。

2021.04.25 salt cod pie3
こんな感じで焼く前はちょっと汁気があるのですが、米がスープを吸ってしっとりとしたフィリングになるまでじっくり焼きます。

2021.04.25 salt cod pie4
生地は、焦げてはいないけど深く焼き色がついた状態が理想。やっぱりとてもおいしくて、普段はあまりパイを食べない長女も2切れ食べていました。


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