ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:干しタラ

昨日は聖枝祭(パームサンデー)でした。今週は受難週で、復活祭へのカウントダウンに入った感じ。

2024.04.28 salt cod pie
Μπακαλιαρόπιτα

聖枝祭は魚を食べていい日なので、節食はしてないけど食べたかった魚の料理を作りました。

3月25日の魚食の日と同じく干し鱈を使い、今度はケファロニア島の干し鱈パイ。作るのは数年ぶりで、レシピは書こうと思いつつ作り方が定まってないのでなし。でも、いい加減ざっくりでも書いておかないとまた次回困りそう……。


2024.04.28 salt cod pie1
ケファロニア島のパイは厚めのフィロで作るどっしりとしたもので、肉のパイや魚介のパイなどがよく知られます。フィリングにつなぎ的な役割で米を入れるので、素朴なフィロと相まって食べごたえあり。

前回(関連記事参照)は葉にんにくも入れて作ってみたのだけど、今回はなしで青菜とさまざまなハーブを入れました。


2024.04.28 salt cod pie2
青菜は残ってたふだんそうを使いましたが、花が咲き始める前の若いひなげしの葉を使うのが好きです。鱈の旨味に青菜やハーブの香りが合わさり、春を感じられるお気に入りのパイのひとつです。


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代表的なギリシャ料理のひとつとして知られる、ぶどうの葉で米などのフィリングを包んだドルマデス(ドルマダキァ)。

2023.06.14a
やっぱりとれたての生葉を使ったものは格別なので、出回る時期には作っておきたい料理です。ぶどうの若葉は市場では7月ごろまで見かけますが、旬は4月終わりから5月。今年も余裕がなくちょっと出遅れ気味で、先週やっと作ることができました。

せっかくなので、ラキを一杯。ドルマダキァとケフテダキァ(ギリシャ風ミートボール)で、とってもギリシャらしいおつまみセットです。


2023.06.14c
いつも最初に作る「ドルマダキァ・ヤランジ」は、肉なしでハーブたっぷりの薫り高いドルマデス。ドルマデスというのはぶどうの葉に限らずキャベツ(特に冬によく使われる)など他の葉っぱでも作れますが、このハーブライス入りのはぜひぶどうの葉でお試しいただきたいものです。ぶどうの葉自体もハーバルな風味と酸味があり、それがフレッシュハーブやレモンとあわさって複雑な味わいを生みます。


2023.06.14b
ちなみに作り始めるまでは面倒だなと思って実はなかなか重い腰が上がらなかったりするんですが、私にとってはとてもリラックス効果がある料理です。ひとつひとつ包んで巻いていく作業は瞑想のように心が静まるし、作っているときの香りはまさにアロマセラピー。
日本ではぶどうの葉の入手が若干困難ではありますが、レシピ本にも作り方を掲載していますので、機会があればぜひお試しください。


2023.06.15a
我が家の超定番のもうひとつ、ひき肉入りトマト風味のドルマダキァはとても小さいサイズに包まないと気が済まないので、今回はパスして……代わりに干し鱈入りのを作りました。


2023.06.15b
干し鱈入りはその時の気分で副材料を変えるのでレシピは定まっていないのだけど、よく作っているドルマダキァのひとつです。


2023.06.15c
今回はハーブをたっぷり目に入れ、ヤランジの配合に近い感じで。玉ねぎ、刻んだ干し鱈(塩抜きしたもの)を炒め、トマト少しと米も加え炒めて、ハーブ(パセリ、ディル、スペアミント)とひまわりの種、干しぶどうを加えました。塩こしょうで味をととのえますが、塩の量は干し鱈の塩気によって加減します(煮ると味が薄まるので濃い目に)。


2023.06.15d
ドルマダキァ・ヤランジには松の実と干しぶどう(カランツ)をよく入れるのですが、今回なしで作ったので鱈の方に入れたくなりました。いきなり思い立ったので、松の実の代わりにひまわりの種を炒って使いましたが、これも十分おいしい。ひまわりの種は、自分の中で「貧乏人の松の実」と呼んでいます(笑)


2023.06.15e
この日のもう一品は、レンズ豆のサラダ。茹でたレンズ豆に、玉ねぎ、パプリカ、トマト、フェタチーズ、ディルをシンプルなワインビネガー&オリーブオイルのドレッシングで。ビネガーはバルサミコを使って甘めに仕上げてもおいしいです。


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早いもので、今週はメガリ・エブドマダと呼ばれる聖週間。パスハ(復活祭、イースター)も間近です。

2021.04.25 salt cod pie

昨日はパームサンデーだったので、魚の料理を作りました。
ギリシャ正教では復活祭までの40日間は断食なので、敬虔なクリスチャンは動物性の食品は食べませんが、3月25日と復活祭の前の日曜日(聖枝祭、棕櫚の主日)は魚食が許されます。

ギリシャの断食期間について、noteでも書いてますので興味のある方はこちらのリンクからどうぞ。




うちは普段あまり魚料理をしないので、断食はしてないけどここぞとばかりに行事に乗っかります。

先月は普通に定番の干し鱈のフライを作りましたが、パームサンデーにはケファロニアの干し鱈パイが食べたい!と心に決めてたんです。

ギリシャはパイ料理がとてもよく食べられる国で、全国的に共通するもの以外に地方のバリエーションもいろいろあります。イオニア海に浮かぶケファロニア島の郷土料理は、厚めの生地でたっぷりの具を包んで焼き上げたパイ。特にミートパイがよく知られます。
干し鱈やタコといったシーフードのパイもあり、そういえばあれはおいしかったな……と、最近ふと思い出して食べたくなっていたのです。

タコのパイは残り物のタコを使ってミニサイズで作ったのがこちらに載ってましたが、鱈は見つからず……。確かあの時はアニサキス入りの鱈を引いてしまったので(その部分はもちろん取り除いたけど)、気分が下がりすぎて撮らなかったのかも?

2021.04.25 salt cod pie1
ちなみに干し鱈ですが、ギリシャで使うのはポルトガル料理のバカラオと同じタイプの干し塩鱈です。セミドライなのでやわらかいですが、しっかり塩漬けされているので何度も水を換えながら2日ぐらいかけて戻します。

ケファロニア島のパイは、生地が厚めということ以外にも特徴があります。フィリングに米を入れるというのもそうで、リゾットのパイ包みのような印象を受けるかもしれません。


2021.04.23 marjoram
また、ケファロニア島で好まれるハーブ「サプシホ」の香りも味のポイント。これはマジョラムのことで、ギリシャの共通語ではマジュラナと呼ばれます。

他に入れるハーブなどは人それぞれですが、パセリ、ディルまたはフェンネル、スペアミントといったところ。私はハーブたっぷりで作るのが好きです。

2021.04.25 salt cod pie2
玉ねぎ、ねぎ、にんにくも。もう新にんにくの時期ですが、まだ葉にんにくが売っていたので、ねぎと一緒にこれもたっぷり刻んで入れました。

2021.04.25 salt cod pie3
こんな感じで焼く前はちょっと汁気があるのですが、米がスープを吸ってしっとりとしたフィリングになるまでじっくり焼きます。

2021.04.25 salt cod pie4
生地は、焦げてはいないけど深く焼き色がついた状態が理想。やっぱりとてもおいしくて、普段はあまりパイを食べない長女も2切れ食べていました。


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昨日はギリシャの独立記念日と生神女福音祭(受胎告知の日)のダブル祝日でした。
独立記念日は今年200周年ということで、コロナ禍のなか制限はあるものの盛大にお祝いされました。

2021.03.25 bakalioaros1
前にも書いた通り、宗教的には現在復活祭までの長い断食期間で魚を含む動物性の食品は節制の対象となっていますが、3月25日と棕櫚の主日(パーム・サンデー)は魚食が許可される日です。特に干しダラがよく食べられるのは、海から遠く離れた地域でも手に入ることや、血が抜かれていて穢れを感じさせないというのが理由のようです。

干しダラの料理の中でも、フライにしてスコルダリァというガーリックディップを添えた一品「バカリァロス・スコルダリァ」は超がつく定番。フライ自体は小麦粉を(水、ビール、炭酸水など好みのもので)溶いた衣、またはシンプルに小麦粉をまぶして揚げたごく普通のものなのですが、スコルダリァと一緒に食べるというのがギリシャ料理らしい特徴です。

伝統的なスコルダリァの作り方は、生のにんにくを塩と一緒にペースト状につぶして、つなぎとなる材料、オリーブオイル、ワインビネガーを加えていきます。つなぎのスタンダードな材料は、茹でたじゃがいも、パンの白い部分、くるみやアーモンド。じゃがいもやパンは全国的に一番よく使われ、ナッツは地方的な傾向が少しあります。

このブログでもいろんなスコルダリァを紹介しているのですが、探しにくいですね……下記リンクの記事の最後にまとめを載せてます。




私は干しダラフライがすごく好きというわけでもないのだけど、年に一度か二度ぐらいは食べたくなります。なので、こういう行事でもないとまず作らないから便乗しておくかという感じ。

ちなみに干しダラって昔は庶民の食べ物でしたが、現代ではそんなに安くないのですよ。普通に乾物屋さんで買うとキロ10ユーロ以上するし、戻したりの手間もかかるので、あまり頻繁には食卓に上らない食材。干しダラを食べる行事の前にはどこのスーパーでも特売で安く買えるので、ここぞとばかりに買って大事に食べます(笑)


2021.03.25 bakalioaros2
前置きが長くなりましたが、今年のテーマは「全部スコルダリァで食べるワンプレート」。
バカリァロス・スコルダリァって一応は干しダラの料理ですが、スコルダリァを食べるための料理と言ってもいいかもしれません。一緒によく食べられるビーツのサラダもスコルダリァが合うし、私的には絶対はずせない一品。今回は黒目豆(乾燥豆も、若いさやもスコルダリァに合う)も参加させて、野菜もいっぱい食べられるにぎやかなワンプレートにしてみました。
上に飾ってある山菜っぽいものはたまたま買ってあったので、春のイメージでのせてみました。小さい唐辛子ピクルスはビーツにすごく合うのでおすすめ。

タラは、今回軽めのが食べたいな〜というのと、パリッと揚げた皮が食べたかったので衣は小麦粉をまぶしただけです。スタンダードな干しダラフライのレシピは下記リンクに。



スコルダリァは、私はじゃがいもだけのはあまり好きじゃないので他の材料も入れるのですが、今回は久々にアーモンドのにしました。じゃがいも、パン、アーモンドの3種のつなぎが入っています。でも家族はアーモンド入りって気付いてなかったかも?(高いのに……)
色や味を春らしく軽やかにしたかったのでアーモンドを使いましたが、ナッツのスコルダリァの中ではやっぱりくるみが好きですね。スコルダリァって生のにんにくやビネガーでパンチの効いた味なのですが、くるみのナッティーな味は、それらに負けず主張しつつも味をまとめてくれるのです。



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ぶどうの葉っぱが旬の6月に作って、すっかり載せるのを忘れていました

2019.06.25 dolmades with salt cod & fava - Copy
Ντολμαδάκια με μπακαλιάρο και φάβα

ギリシャの伝統的な料理のひとつドルマデス(ドルマダキァ)。ちょっと手間がかかるので忙しいとなかなかできないのですが、フレッシュなぶどうの葉が売ってる間は最低限米&ハーブのものと米&挽き肉の2種類作ります。

葉っぱが余ったり時間や気分に余裕があるともう1種類少し変わったフィリングのものを作るのがいつもの流れで、今年は上記定番の2種類に加え干し鱈とファヴァ入りのを作っていました。


2019.06.25 dolmades with salt cod & fava2 - Copy

この組み合わせは伝統的なものではなく私がその時食べたいを辿っていったらできたもので、ギリシャ国内フュージョン料理といった感じでしょうか。ペロポネソス半島ラコニア地方の郷土料理である干し鱈のドルマデスと、シミ島で作られるファヴァ入りのドルマデスを組み合わせています。


自分用メモも兼ね、作り方を書いておきます。

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干し鱈は水に浸けて塩抜きをしておき、小さく切ります。ファヴァは水に浸け戻しておきます。ぶどうの葉っぱは軽く下茹でして、大きければ包みやすい大きさに切ります。

玉ねぎみじん切りをオリーブオイルでしんなりするまで炒め、ファヴァと干し鱈を加え、軽く炒めます。あればここで白ワインを加え、アルコールが飛ぶまで煮ます。トマトのすりおろしを控えめな量(トマト味にならない程度)、洗った米も加えまとまった感じになるまで炒めます。


2019.06.25 dolmades with salt cod & fava3

刻んだディル、塩、胡椒を加え味をととのえフィリングのできあがりです。


2019.06.25 dolmades with salt cod & fava4

ぶどうの葉っぱでフィリングを包み、鍋に並べていきます。


2019.06.25 dolmades with salt cod & fava5

ぴったりと並べ、1段で並ばなければ上にも重ねていきます。全部並べ終わったらオリーブオイルとレモン汁を回しかけ、水をひたひた〜微妙にかぶるくらい加えます。この時おろしトマトを加えてもいいですが、フィリング同様「トマト味」と言えるぐらいに入れると無粋な気がするので控えめがいいです。

煮ても大丈夫な皿など、ある程度しっかりとした落し蓋をし、さらに蓋をして火にかけます。煮立ってきたら弱火にし、葉っぱとフィリングが柔らかくなり汁気がほぼなくなるまで小一時間ほど煮込みます。火から下ろし、すぐには食べないで(と言いつつここでかなりつまみ食いしますが)最低限粗熱が取れるまで置いて味をなじませます。

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ファヴァは剥いて割った豆ですが、こうやって長いこと煮込んでも結構しっかりと形が残ります。ギリシャ料理ではドロドロのペースト状に煮てサラダ感覚で食べるのが定番の豆なんですが、作ってみるとわかるけど以外に煮込み時間がかかりしぶといのです。

この料理のバリエーションとしては、アヴゴレモノソースで仕上げてもおいしいです。最後、煮汁を少し多めに残してよく溶いた卵とレモンを加え、かき玉にならないよう気をつけて火を通します(※)。煮汁はトマト入り・なし、どちらでも合いますよ。

※アヴゴレモノをかき玉にしそうで心配な方や、後で温めなおしをしたい場合はコーンスターチか小麦粉を少し溶いて加え卵のたんぱく質を安定させるといいです(→アヴゴレモノはこちらを参考に)。

【関連記事】
干し鱈のドルマデス:123


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