ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:献立

今日はギリシャでは生神女就寝祭。8月の真ん中のこの祝日がバカンスシーズンのピークとなります。

2024.08.07

……という前置きとはあまり関係なく、写真は先週作った料理です。茹でて食べるつもりでアマランサス(ギリシャで夏によく食べられる葉野菜)を買ってきたのだけど、それだと次女が食べないのでパイにしました。


2024.08.07a
フィリングの作り方。玉ねぎとすりおろしたズッキーニ(あれば好みで)をオリーブオイルで炒めて、すりおろしたトマトを控えめな量加え、軽く炒め煮にします。下茹でして粗く刻んだアマランサスも加え塩こしょうを少し。あとでフェタチーズを加えるので塩は加えすぎないよう注意。全体がなじむ程度に炒めたら火からおろして冷まし、砕いたフェタチーズを加え混ぜあわせます。


2024.08.07b
青菜パイにはあまりトマトって入れないのですが、アマランサスで作るときは味を引き立てる程度に加えるのも好きです。アマランサスとよく一緒に茹でたり煮たりするズッキーニも、今回は少し入れて作りました。ズッキーニとトマトをすりおろすと説明しましたが、どちらもグレーターの大きい方の丸穴で粗くすりおろします。


2024.08.07c
あとの2品はファヴァと、そばの実のサラダ。そばの実は伝統的なギリシャ料理には使いませんが、健康を気にする人が買うのか近年はスーパーでも結構よく売られています。煎ったそばの実でお茶を作ったので、漉したあとの実は玉ねぎ、トマト、ピーマンとオリーブを加えサラダにしました。味付けはシンプルに塩こしょうとオレガノ、ワインビネガー、オリーブオイルです。


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フィロの作り方はこちらを参考に。今回は小麦粉200gで生地を作り、一枚一枚のばす方法。生地を重ねる時にはオリーブオイルを塗っています。






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バカンスシーズンのピークとなる8月。私たちも夏休み中にはちょこっと島へでも行くつもりではありますが、少し閑散としたアテネでのんびり(実際はだらだら)過ごしています。

2024.08.06a
この時期観光地以外は街のお店も飲食店や個人商店は閉まっているところが多いので、最低限の材料でメゼをいろいろ作って並べてみました。

・豚肉コンフィとトマト入りのスクランブルエッグ
・ジャコウタコソテーのせファヴァ
・ファヴァのケフテデス
・バナナピーマンの素揚げ
・ハネムスカリ球根のピクルス



2024.08.06b

肉が入りメインっぽいスクランブルエッグについては、ちょっと長くなるのでまた次回に。

豆ペーストのおつまみといえばフムスが有名ですが、ギリシャのメゼの定番ファヴァは黄色い割り豆から作られる、それ自体はシンプルな塩味の豆のペーストです。オリーブオイルやレモンをかけてさっぱりとサラダ感覚でいただきます。ベーシックな食べ方としては薬味として玉ねぎやケイパーなど少しのせますが、キャラメライズさせた玉ねぎのトッピングや、タコ(炭火焼きだったり煮込みだったり)をあわせるのも定番。

今回はハンドブレンダーでなめらかに仕上げたファヴァに、スーパーで衝動買いしたジャコウタコをオレガノ&レモン味のソテーにしたものとオニオンスライス、ケイパーのトッピングで。ジャコウタコはお手頃価格が魅力だけど、普通のタコやイカと比べ旨味に欠ける気がするので、煮込みにした方がよかったかも?

シーフードを食べない家族用には、煮てる途中で取り分けておいた水分少なめで粒感もあるファヴァでファヴォケフテデス(ファヴァのミートボール風)にしました。写真を撮るときに並べ忘れたのだけど、にんにく&ミント風味のヨーグルトと、トマトソースに少し調味料を足したもの(シナモン、カイエン、はちみつ、ワインビネガー)2つのソースを添えて。

あとは、いい加減使い切りたいハネムスカリ球根ピクルスと、この時期食べまくっている小ぶりな甘唐辛子類。今週は深い緑のは大きめのしかなかったので、小さなバナナピーマンぽいのを市場で買ってきました。


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鋼の意志で予算内におさめるメニュー。

2024.07.31
食費が入ってすぐに買出し日だと嬉しいのだけど、逆に数ユーロしか残ってないカツカツの日もあります。給料日前の……みたいな状況ですね。
もちろん所持金がそれだけということはないのですが、よほどのことがない限り予算オーバーにはならないようにしてます。

というわけで、今週の市場で買ったのは一束50セントのスベリヒユと、キロ1.5ユーロだった甘唐辛子とズッキーニで合計2ユーロ。野菜はこのほかにスーパーでじゃがいもを数個だけ買いました。これはスーパーの方がちょっと安いという以外に、市場では多めに買わされがちというのが主な理由です。

メインに用意した煮込みは、スベリヒユにズッキーニとじゃがいもをあわせて。オリーブオイルで玉ねぎをじっくり炒め、すりおろしたトマトを加え塩と隠し味程度の砂糖を加え少し煮ます。ひと口大に切ったズッキーニ(ヘタもおいしいので一緒に)、水適量を加え煮てやわらかくなってきたら、ざく切りにしたスベリヒユと食べやすい大きさに切ったじゃがいもを加えます。
汁気は程よく残る程度に調整し、じゃがいもがほっくりやわらかく煮えたらできあがり。にんにくやハーブなど加えないシンプルさが、しみじみおいしい煮込みです。味つけは塩と好みで黒胡椒を少し。

少しぬめりのあるスベリヒユは、ヌルヌル食材が苦手な夫には控えめな量の方がいいかなと思い、ズッキーニとじゃがいもを多めに入れました。
写真は私の分で、一緒に出した唐辛子の素揚げついでに目玉焼きも作ってのせました。

素揚げ唐辛子は、辛いもの好きの夫には辛い唐辛子で、私と娘の分は甘唐辛子。塩を振っただけでいくらでも食べられるほど好きなんですが、今日はにんにくを刻み入れたワインビネガーをかけて。

今回煮込みにしたスベリヒユですが、やっぱり生でも食べたくて、茎の細い部分を少し取り分けておきました。トマト、自家製オリーブと一緒に盛りつけて、オリーブオイルひとまわしと塩をパラリ。ギリシャサラダのバリエーションとしてスベリヒユを入れることもあるのだけど、チーズなど入らないシンプルなサラダもとても好きです。


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春にハネムスカリ球根の料理に使いたくて買った乾燥そら豆がまだ残っていたのを、ようやく使い切りました。

2024.07.10a
乾燥そら豆の煮込みって私はたまに食べたくなるのでサラコスティの初めにミント風味のも作りましたが、よく煮てもちょっと皮の食感が気になるんですよね。家族はあまり好きじゃないようなので、皮を剥いてターメイヤにでもしようかなと思いつつ、なかなかそのタイミングがやってきませんでした。

それで今週は、えいっと全部戻して3つの食べ方で。前にもらったクレタ島の自家製ラキが少し残っているのを思い出したので、クレタ料理のメゼにしてみました。


2024.07.10b
そら豆は生でもおつまみとして食べられますが、クレタ島では乾燥そら豆をただ戻しただけで生で食べる「ヴレフトクキア」というのがあります。日本語にすると、濡れそら豆でしょうか。塩水に浸けて一晩戻しただけのもので、皮を剥いて中身を食べます。

ヴレフトクキアは現代ではあまりやらなくなっているようだけど、復活祭前などの斎(ものいみ)の期間、特に油なども摂らない厳しい節食をする日には定番とされるものだったそう。他にはラキまたはチクディアと呼ばれるポマースブランデーのおつまみとしても食べられます。


2024.07.10c
クレタ島料理のもう一品は、「クコファヴァ」。ファヴァと呼ばれる豆のペーストのそら豆版なのですが、そら豆のことをファヴァと呼ぶ国もあるのでちょっと紛らわしいですね。ギリシャ語ではそら豆はクキァ。オトメレンリソウの種子を割り豆にしたものと、それを煮てペースト状にした料理をファヴァと呼びます(関連記事参照)。

クコファヴァを作るには、まず乾燥そら豆を水で戻して皮を剥きます。これを鍋に入れ、水と好みで玉ねぎも適量加え、とても柔らかくなるまでひたすら煮ます。簡単に潰れるぐらいに柔らかくなったら、フォークなどで好みの状態にマッシュします。器に盛って、生の玉ねぎや乾燥オレガノをトッピングしてオリーブオイルをたっぷりかけます。好みでレモンを絞ってどうぞ。


2024.07.10d
家族にはターメイヤをメインにしました。エジプト版のひよこ豆コロッケ/ファラフェルです。夫の母方の家族は元々がクレタ島の出身で、長いことエジプトにも住んでいたので、なんとなくルーツを辿るみたいな組み合わせのメニューになりました。エジプトではギリシャ人コミュニティの中で暮らしていた義母や叔母さんですが、ターメイヤやモロヘイヤなどエジプトの味も懐かしいようです。

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毎年バカンスシーズンに入ると人が減り、いろんなお店が閉まったりするアテネ。

2024.07.02
街のあちこちに立つ青空市場も7月終わりごろから8月にかけては出店数が減るのですが、ただでさえ規模が小さめなうちの近所の市場は、今年はやけに早い時期から閑散としてきています。

暑い中ちょっと遠い市場へ重い野菜や果物を買いに行くのもしんどいので、特別なものが欲しい場合でない限りなるべく近所で調達していると、いい野菜が常にあるわけではないバカンス先の島で料理をしてる時みたいな気分になります。曲がってたり皮が綺麗じゃなかったりで不恰好なきゅうりや、とても不揃いなモロッコいんげん。日本だったら絶対出回らないだろうなぁ……という野菜たちだけど、味は抜群です。

走りのとうもろこしやオクラはまだちょっと高いので見送って、最低限の夏野菜でこの季節定番の2品にしました。ギリシャではホリアティキ・サラタ(村のサラダ、田舎サラダ)と呼ばれるおなじみギリシャサラダ(グリークサラダ)と、いんげんの煮込み。前回の記事のイェミスタもですが、こういった夏野菜の料理がしみじみおいしいです。

その時々によって材料や作り方を少し変えたりするけれど、夏の間ほぼ毎週食卓に上る料理です。

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明日7月5日金曜早朝放送の、J-WAVE JK RADIO TOKYO UNITEDという番組内のTOKYO CROSSINGというコーナー(06:40から)で、ギリシャのサラダ事情について少しお話しします。
こういう場で話すのがすごく苦手なのでいつもラジオはひっそりと出てるのですが、今回は食べ物の話題ということで、ちょっとお知らせしてみました。

話した内容は番組サイトのアーカイブで読めるそうです。



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「ギリシャのごはん」レシピ本でもギリシャのいろんなサラダや野菜料理をご紹介しています。こちらもあわせて読んで&活用していただけると、とても嬉しいです。

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