ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:献立

昨日はカサラ・デフテラ(クリーンマンデー)、復活祭に向けての断食期間のはじまりの日でした。

2022.03.07a
日本語にすると「清浄な月曜日」でしょうか。心身ともに清く、つつましやかな生活を心がけようというのが目的ですが、食事節制のルールでは血の出る魚以外のシーフードは食べていいことになっているのです。

そのため、シーフードを使った結構豪華なメニューを囲み、家族や親しい人たちで集まって過ごす場合が多いです。

この日に欠かせない食べ物は、まずラガナという平たくて大きなパン。ごまをまぶしてあって香ばしいです。元はイーストで発酵させたないパンだったそうですが、現代では普通のパン生地で作られます。

そして、タラマ(たらこのような魚卵のペースト)、ハルヴァ(サクサクホロホロした食感のごまペーストのヌガー)、オリーブやピクルス類、豆(特に白いんげんのスープ)など。

タラマはタラモサラタというディップにするのが定番ですが、本来カサラ・デフテラは油も摂らないのが正しいそうなので、厳しく節制するならペーストそのままをラガナにつけて食べます。

特に断食はしない我が家では、毎年(私が)シーフードをここぞとばかりに楽しむ日。前述の定番メニューに加え、シーフードを使った料理をひとつふたつ作っています。


今年のメニューです。

・ラガナ
・タラモサラタ
スコルダリァ
・自家製オリーブとハネムスカリ球根ピクルス
白いんげん豆のスープ
・甲いかのピラフィ
・アーティチョークとえびのデルビエ
・アーモンド入りハルヴァ(市販品)

買いに出かける方が面倒なので、ラガナも毎年手作り。いつもひとつだけ作って全然足りないので、今年は2つに増やしました。

スコルダリァ(ガーリックディップ)や豆スープはシーフードを食べない家族用。断食メニューじゃないですが、写真の料理以外にアーティチョークのリゾットも。

甲いかのピラフィ(ピラフ)は前にも載せましたが、今回は墨がちょっとしかなくて色が残念……。味はおいしかったです。アーティチョークの料理は次回に作り方を載せますね。

2022.03.07c
タラモサラタやスコルダリァなどディップ類にぴったりなラガナですが、ハルヴァと一緒に食べるのも好きです。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

イベント苦手だしやる気が出ないなぁ、今年はやめとこうかな……と思ったけど、とりあえず大きいお肉焼いといたらそれっぽいだろうというメニュー。

2021.12.25 christmas
それにしても、冬は日が短いので料理写真撮るの急がないとすぐ暗くなっちゃうんですよね。タイムリミット4時ぐらいなんですが、ちょっと過ぎてしまったらどんどん日が落ちて写真もブレがちに

今年のクリスマスメニューは、

2021.12.25 christmas1
・ローストポーク、メドラーのチャツネ添え
・タイムとレモンとガーリックのローストポテト
・カストリア風サルマデス
・ざくろと生ハムのグリーンサラダ
・イオス島のスコティリ(セイボリー入りの熟成ソフトチーズ)
・フリストプソモ
・メロマカロナ2種とクラビエデス


2021.12.25 christmas2
メインのローストポークは肩肉におろしにんにくをすり込んで、スパイスやハーブ入りの塩もすり込んで数日マリネしておいたもの。途中、メロマカロナを作った日にオレンジの汁と皮、ラキも加えました。当日は午前中から低温のオーブンで焼いただけ。

うちは夫が鶏を食べないし、次女も食べられる肉が限られます。ラムやローストビーフも駄目だし、結局いつもポーク。これも、次女はフライパン焼きの豚肉以外苦手なので嫌々食べるんですけどね。クリスマスイブは子供たちが大好きで私も食べたかったフライドチキンを山盛り作りました。

最初はお肉だけ焼くつもりだったけど、やっぱりポテトも要りますね。しっかり味つけされてても単調になりがちなローストには、味変にチャツネやチーズも。
チャツネはまだ記事を書きそびれてますが先月お友達に分けてもらったメドラーという果物で作ったもの。チーズも頂き物で、イオス島在住の友達がアテネへ来た時にくれたものです(いつも貰いっぱなしですみません!)。

もう一品のサルマデスは前の記事で書いたものですが、やっぱりクリスマスにも何か伝統的な煮込みが欲しかったので。

2021.12.25 christmas3
サラダはホリデーシーズンらしく、ざくろで華やかに仕上げ、長女が大好きな生ハムもトッピング。写真ではわかりにくいですが、ドレッシングもざくろで鮮やかな赤なんですよ。ざくろシロップはギリシャでも入手できますが、普通にスーパーで売ってるものではないのと、少量で作る自家製の方が鮮やかな色に仕上がるのでざくろを絞って煮詰めています。

2021.12.25 christmas4
フリストプソモはギリシャのクリスマスブレッド。スパイスが香る生地を丸く成形して十字のデコレーションとくるみを埋め込むのですが、配合などはさまざま。今年はごく普通のリーンな生地にして、くるみとドライフィグとギガンデス(白花豆)の甘納豆を入れました。やる気のなさが成形にも表れてますね一応念を押しておくと、ギリシャ人は甘納豆は入れませんよ。

2021.12.25 christmas5
お菓子はクラビエデスとメロマカロナ。本当は他のお菓子も作るつもりだったけど、バタバタしてたらできなかったのでごくベーシックなものだけ。あまり早く作ると食べ尽くされるので23日に作るんですが、それでもあっという間に減っていきますね。もちろん撮影用にはあらかじめ取り分けてあります


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

自家製カヴルマスで作った料理を次に載せますね……と言いつつ、ほんの数日のつもりが2週間も経ってました。結局予定変更して、先に別の話です。

2021.08.14

この夏は家のことが忙しかったり、あと仕事もいろいろあって、いつになくバタバタしています。8月前半は40℃前後の猛暑でバテたり各地の山火事でちょっと気分が沈んでいたのも、なかなか更新ができなかった理由ですが。

日本はお盆休みがあるので急いで片付ける案件もあって大変だ〜!ってやってましたが、考えてみればギリシャもこの時期は似た感じなんですよ。

8月15日は、生神女就寝祭。聖母マリアが天に昇ったことを記念する日で、ギリシャ正教では重要な祭日のひとつです。日本のお盆休みの帰省や旅行ラッシュのような現象がこちらでも見られ(ギリシャの場合、休みが長いので早々に出発してる人も多いですが)、ニュースではピレウス港の混雑や国道の渋滞の様子などが毎年流れています。

2021.08.14 laiki
14日、土曜の青空市場の様子はこんな感じ。ここ1、2週間はやっぱりお休みしているお店が多く、市場は普段の1/3〜半分ぐらいでしょうか。うちの辺りの肉屋や魚屋といったお店はほとんど全部閉まっています。野菜もあまりいいのが買えなかったりで、仕事に影響が……


2021.08.11
そんなわけで苦労しながらも、CLASS101の動画撮影を必死で進めています。



上の写真は、最初のチャプターの3品。ベーシックなものですが、しっかりコツをお伝えできるといいなぁ。

昨日は買い物のあと、サラダの作り方だけ1本撮影。
晩ごはん(トップ写真)は毎週土曜定番の豚肉料理なんですが、今回はスキレットでギロス風豚肉炒めにしました。ギロスって重ねて焼いたお肉を削ぎ切りにするから、最初からスライスしたのを炒めるとやっぱり違うんですけどね。スーパーのお肉コーナーで売ってる「ギロス」も炒めるタイプなので、まあこれはこれでいいのかもしれません。
あとはジャジキとピタパン、撮影に使ったサラダの残り。
もう暗くなってきていたので、まだ光がちょっと差し込んでたキッチンの作業台で撮りました。夏の暑さにはうんざりだけど、空気に秋の気配を感じたり、日が短くなってくるのはほんのり寂しくなりますね。
 
ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

何気に始まっていたカーニバルシーズンも2週目で本来なら盛り上がっているところですが、今年はお察しの通り……。本当に、食べるくらいしか楽しみがないですね。

2021.03.04 tsiknopempti
カーニバルというと日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、復活祭前にある長い断食期間の準備期間的なものでしょうか。動物性の食品が禁じられたりの節制生活(全ての人が実践するわけではないですが)に入る前に、お祭り騒ぎを楽しみます。

カーニバル2週目肉週間の木曜日はチクノペンプティと呼ばれる日。チクナ=肉を焼いた時の煙の匂いの意味で、この日は全国的にバーベキューが定番料理です。肉料理専門店も大賑わいになるのですが、去年から飲食店はずっとデリバリーやテイクアウトのみ。大人数で集まることもできないので、今年はひっそりとしたチクノペンプティでした。

イベントにあまり興味のない我が家ですが、行事関連の食べ物は一応押さえておくのでスブラキディナーにしました。

2021.03.04 tsiknopempti1

・スブラキ(チキンとポーク)
・フライドポテト
・ジャジキ
・グリーンサラダ
・オニオンスライス、トマト
・ティロカフテリ(辛いフェタチーズディップ)
・ギリシャ七味


肉焼いて野菜やジャジキと一緒に食べるのは毎週土曜のメニューと変わりないのですが、普段はめんどくさくてやらないスブラキ(串焼き)にして目先を変えています。スブラキは近所の店でテイクアウトするか、もしくは生のも肉屋やスーパーにあるのですが、私たちの好みにあわせて自作しました。
豚肉は脂や筋のない部位(これは夫と次女用。私は普通に脂のあるのが好き)、鶏肉は市販スブラキだと皮なしなので、骨付きもも肉を買ってきて捌いて作りました。ちなみに鶏もも1本で2串できます。

2021.03.04 tsiknopempti2
「ギリシャ七味」も久々に登場。これはもちろんギリシャにそういうのがあるわけではなく、日本の七味唐辛子をギリシャの素材に置き換えて作ってみたオリジナルです。




2021.03.04 tsiknopempti3
私のチキンスブラキプレートです。肉自体はシンプルな味つけだけど、レモンを絞って付けあわせと一緒に食べるとやけにおいしいんですよね。写ってませんが、パンとワイン(レチーナ)も進みました。


ギリシャのごはん (うちで楽しむ、とっておきレシピ65)
去年発売されたレシピ本「ギリシャのごはん」にはおうちでスブラキパーティーを楽しめるメニューも載せてますので、こちらも手に取っていただけると嬉しいです。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

復活祭に向けて、動物性の食品をとらない断食期間が昨日カサラ・デフテラから始まりました。
うちは断食はしないので普通に肉も卵も乳製品も食べますが、行事としてこの日は特別なメニューを毎年楽しんでいます。

2020.03.02a

ちょっと節約モードだったのと、買い物をあまりできなかったので割とシンプルに……。

・イカ墨ごはん(スピオピラフォ)
・バナナピーマンローストのマリネ
・タラモサラタ
・ラガナ

植物性の食品、そして血の出ないシーフードなら何でもOKなので(厳しくやる人はオイルも不使用だったりしますが)カサラ・デフテラの食卓はシーフードのご馳走が並ぶという家庭が多いです。

これだけは外せない!という一品はラガナ。平たく大きく焼いたパンで、ゴマを散らしてあります。元々はイーストを使わないパンとのことですが、現代見られるのは普通に発酵させたパンなのでおいしく食べられます。こちらも定番のタラモサラタをラガナにつけて食べると最高!ごくシンプルにやるなら、ラガナとタラモサラタ、あとはオリーブやピクルスがあると立派なカサラ・デフテラメニューになります。

とは言え、せっかくシーフードを食べる日なのでちょっと自分を甘やかしたく、今年は甲イカを買ってきてもらいました。何にしようかな〜と考えた結果、副材料に乏しかったのでシンプルな墨煮に。これはそのまま食べてもいいおつまみになるし、こうやって米やパスタとあわせても。リゾット……と呼びたくなるかもしれませんが、ギリシャでよく作られる「ピラフィ」は作り方が違うので「ごはん」と呼んでおきます。ピラフィ=ピラフでもいいんですが、ピラフと言うとパラッとしたイメージで誤解されるかもしれないので難しいですね。

イカやタラマを食べるのは私だけなので、家族は断食メニューじゃないものに。赤魚のプラキ、チキンのシーザーサラダなどを作りました。うちは誰も宗教を気にしないとは言え、仏教徒の私が断食メニューでクリスチャンの家族が普通メニューというのがなんだかおかしかったけど、みんな満足なのでよしとします。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ


↑このページのトップヘ