ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:米料理

ちょっと気力のある時に、とりあえず……と剥いて冷凍しておいた栗で、我が家の定番「栗ごはん」を作りました。

2019.11.27 gemista1
Γεμιστά με κάστανα

過去記事にも書いてますが、私は普通の栗ごはんには特に思い入れがなく、栗の入った米料理と言うとお赤飯かこのイェミスタ(ギリシャ風スタッフドベジタブル)が好きでよく作ります。元々は叔母さんが昔作ってくれた栗入りのイェミスタも、自己流にその時の気分で味付けを変えたりしてるので毎回違うのですが、ごろごろ入った栗のほっくりした甘さは大好きな秋の味覚(もう冬だけど)。作りながら、「今回はどういう系統の味がいいかな」と考えるのも楽しいものです。

肉入りもよかったのだけど、今回は肉なしで。温かさを感じさせるスパイスをほんのり香らせてみました。


2019.11.27 gemista3

フィリングです。オーブンでじっくり焼くため、野菜を炒めて甘味を引き出しておくとかせずに生のままただ混ぜるだけで大丈夫。いずれにしてもオリーブオイルは特に肉なしの場合たっぷり目に入れるんですが、炒めると「重くなる」という人もいますね。

今回ズッキーニのも作ったのでその中身と、玉ねぎ、にんにく、赤ピーマンを刻んで入れてます。赤ピーマンは主張しすぎないよう少なめの量。ズッキーニはたっぷり入れてますが、全部はイェミスタに使わなかったので残りはとりあえず水分がすっかり飛んで色づくくらいにオリーブオイルと塩、にんにくで炒めておきます。

上記の生の刻み野菜に洗った米を加え、大きめに割った栗、小さめに割ったくるみ、カランツかレーズン、あればパセリやディル(パセリを入れたかったところですが切らしてたので冷凍ディル少し)、塩、
胡椒、オールスパイス、シナモン、そしてもちろんオリーブオイルをだーっと加えて味付けします。いつも書いてますが、塩加減は出来上がると薄まるのでこの時点では濃くしすぎた?と思うくらいにすると丁度いいかと思います。トマトの中身をスティックブレンダー(潰せるような道具がなければ果肉を包丁で刻んで汁とあわせます)で潰したのも半分くらい加え、シャバシャバしたフィリングになります。

味付けなど今回のと少し違いますが、詳しくはこちらのレシピを参考にどうぞ。

トマトとピーマンの米詰め秋バージョン・コミッサ叔母さん風(ドマトピペリエス・イェミステス・フティノポリネス・ティス・スィアス・コミサス)


イェミスタは野菜をサポートするのと隙間を埋める役割も兼ねてじゃがいもを一緒に焼くのがお決まりですが、オーブンでじっくり焼かれたポテトってすごくおいしいんですよね〜。これまた秋らしく、今回はさつまいもも入れてみました。


2019.11.27 gemista2

切ってみるとこんな感じ。栗がたっぷり入ってるのが見えるでしょうか?
この料理は焼きたて熱々じゃなく、ちょっと温かいぐらいに冷ましてからの方が味がなじんでおいしいですよ。熱いのがいい人は温めなおして下さい。

炒めてあったズッキーニのことを忘れそうになりましたが(笑)ギリシャヨーグルトと塩、クミンパウダーを加え混ぜたのがイェミスタに添えてある白いものです。仕上げにふりかけてあるのはホットパプリカ。ちなみにイェミスタそのものには動物性食品が一切入ってないので、ニスティシモ(オイルOKの日)、ヴィーガン対応です。


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ここ最近の私にしてはめずらしく、先月はいっぱい更新したのですが、またちょっと間があいてしまいました。
何をしてたというわけでもないけど、載せる予定だったレシピのディテールにこだわって載せられなくなってしまったり、あまりの天気の悪さに気分もどんよりしたり……。

2014.12.05 gemista me kastana1
Γεμιστά με κάστανα

最近作った料理ってほとんど記憶に残ってないのだけど、きっと定番料理をローテーションしていたのでしょう。
今日の晩ごはん用に作ったイェミスタ(ゲミスタ)も、代わり映えしない絵面で申し訳ないのですが、覚え書きとして載せておきます。去年も作ったはずの栗入りイェミスタなのに、探してみても2010年の記事しか見当たらないんですよ。この時以来作ってなかったのか、ただ載せてなかっただけなのか???

前の記事に書いてあるように、狂牛病騒ぎの時に叔母さんがあみ出したナッツたっぷりのベジタリアン版イェミスタが基ですが、自己流にアレンジして我が家の定番となっています。秋になると食べたくなる「栗ごはん」は、私にとってはどちらかというとこちらなのです。日本で栗ごはんをあまり食べてなかったせいかもしれませんが。和風なら、栗入りのお赤飯の方に思い入れがあります。

元々ベジタリアン料理として生まれた栗入りイェミスタ、今年のは挽き肉入りで作ってみました。挽き肉入りのフィリングだと松の実とレーズンもよく入ってますが、そこへさらに栗を足しただけ。

2014.12.05 gemista me kastana2

基本的な作り方は普通の肉入りイェミスタと変わらず、玉ねぎみじん切りを炒め、挽き肉、ニンニク、松の実も加えしっかり炒めます。洗った米も加え炒め、レーズン、調味料、トマトの中身をFP 潰したもの(全部加えずに、上からかける用にも残す)を加え軽く煮て火から下ろします。ここに割った栗(軽く茹でても生でもOK )を加えフィリングのできあがり。調味料は塩胡椒をしっかり目に。香り付けには、今回は乾燥ミント、シナモン、オールスパイスを使いました。
ほんのり甘くて暖かな香りのスパイスが、栗や挽き肉によく合います。


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ある夏の日、いっぱい貰ったなすの使い道に悩んで思いついた料理。

2014.11.21 melitzanodolmades
Μελιτζανοντολμάδες

ギリシャでドルマデス(小さいものはドルマダキァ)と言うと、ぶどうの若葉で米などのフィリングを包み煮込んだ料理のこと。いわゆるギリシャ風ロールキャベツであるラハノドルマデス(別名サルマデス)も、ドルマデスのバリエーションのひとつです。
ぶどうの葉のドルマデス、キャベツのラハノドルマデスの他、レタスを使ったマルロドルマデス、玉ねぎを使ったクレミドドルマデス(別名スガニア、ケレミア)、そして他の食用の葉で包んだドルマデスもいろいろあります。

ドルマデスじゃないのですが、縦スライスにしたなすで挽き肉のたねを包んでオーブン焼きにした料理があり、同じ要領でドルマデスもいけそうだな〜と思って考えたのがこれ。生のなすだとトロッと柔らかい仕上がりになりそうですが、干しなすだと長時間煮込んでも崩れず、程よい食感になるのでは?という目論見です。
とりあえずなすを干して、なかなか作る機会がなくそのまま放置されてましたが……。

今回はちゃんとしたレシピではなく、主に自分用の覚え書きとして記録しておきます。あとで絶対忘れそうなことは、ブログにこうやって載せておくとすごく便利なんですよね^^


2014.11.21 melitzanodolmades1

縦に薄切りにして干したなす。
水に浸けて柔らかくなるまで置きます。


2014.11.21 melitzanodolmades2

フィリングは、挽き肉と米にしました。玉ねぎをオリーブオイルで炒め、ニンニク、挽き肉も加えよく炒めます。味つけは塩、胡椒、あまり辛くない唐辛子フレーク(プル・ビベールか韓国唐辛子)、スマックで、ちょっと中東風に。ギリシャ風にこだわるなら、スマックは無しで(唐辛子はお好みで)、トマトを加えたりギリシャの定番ハーブたっぷりにしたり、オールスパイスやシナモンなど定番スパイスをほんのり香らせても。煮ると味が薄まるので、ちょっときついぐらいのしっかり味にするのがポイントです。


2014.11.21 melitzanodolmades3

洗った米も加え炒め、水を少し加え軽く煮ます(包む時に若干まとめやすくなる)。ハーブはスペアミント。今回フレッシュミントが少しあっただけなのですが、乾燥ミントでも。あればパセリも加えるつもりでした。


2014.11.21 melitzanodolmades4

水気を切った干しなすにフィリングを適量のせて巻きます。両端が開いてるので巻きにくいけど、なるべくフィリング多目にすると味のバランスがいいです。両端から飛び出たフィリングを指でおさえて形をととのえます。


2014.11.21 melitzanodolmades5

なすのドルマデスを、フィリングがこぼれないよう鍋にきっちりと隙間無く並べます。なすの数が足りなくて隙間が開いたところには適当な野菜を詰め込むといいでしょう。
煮汁はトマトペーストを水で薄めてオリーブオイルと塩少しを加えたものをひたひたに加えます。


2014.11.21 melitzanodolmades6

他のドルマデスを作る時と同じく落し蓋をして、さらに蓋をして弱火で煮込みます。だいたい1時間ぐらい煮てますが、ドルマデスが柔らかく煮えて汁気がほぼ無くなったら出来上がり。


2014.11.21 melitzanodolmades7

これも他のドルマデスやイェミスタ(スタッフドベジタブル)と同じく、出来立てよりも時間を置いた方がおいしくなります。お好みで、ニンニク&塩で味つけしたギリシャヨーグルトやレモンを添えてどうぞ。


同じフィリングでバナナピーマンのイェミスタ(こちらはオーブン焼き)も作ったのでこの方法だったんですが、なすのドルマデスだけ作るなら挽き肉を炒めず生の状態でフィリングにする方が作りやすく、しっかり味に仕上がります。それぞれフィリングの食感は全く違うものになるので、お好みでどちらでもいいと思いますが。


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異端なスパナコリゾ。

2014.10.08 spanakorizo
"Σπανακόρυζο" μόνο με ρίζες

野菜をたっぷり使うギリシャ料理で人気メニューのひとつがスパナコリゾ。
ほうれん草と米を煮て作る料理のことですが、いろんな「野菜ごはん」の中でも一番よく作られるものです。
ギリシャ風リゾットとも呼ばれることがあるけれど、リゾットとの共通点は汁気がそこそこあるということぐらいでしょうか。ギリシャの野菜ごはんは米料理と言うよりは野菜料理といった感じで米に対して野菜の割合がかなり多く、また、基本的にストックやチーズなどは入れないシンプルな味つけです。

スパナコリゾはなるべく葉っぱだけで作る方がいいので、茎の短い品種のほうれん草がおすすめです。

……そこから何故「根っこだけ」なんて記事を書いているのかと言うと、個人的に根っこがとても好きだから。ギリシャ風に柔らかく茹で(煮)ると、甘味と風味が引き出されます。

下処理は、包丁で切るのでなく手でちぎるといいです。
日本ではほうれん草って束をバラさず洗って切るという人が多い気がしますが、ギリシャで売られているものは泥が結構ついているので、私は最初に根から茎数センチのところでちぎってしまいます。「葉っぱと茎の一部」と「根と茎数センチと中心のすごく小さな葉っぱ」に分かれるので、根の部分もよーく洗ってから茹でて塩とオリーブオイルで食べるのがお気に入り。

この時はちょっと多めにあったので、スパナコリゾを根っこ部分だけで作ってみました。作り方はほぼこのレシピの通りですが、葉ほどはアクがないので下茹でなしでそのまま入れてた気がします(随分前なので記憶が薄れています……)。材料は、玉ねぎ、ほうれん草の根っこ部分、オリーブオイル、米、塩、水だけ。胡椒やハーブはなしです。

なんだか貧乏料理のようでもありますが、これがとっても美味しいんですよ。ほうれん草を1kg買っても根ってそれほど沢山はないので、作ったのは自分用の1人分だけ。ある意味贅沢な、まかない料理です。


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前回の記事には、各方面でお祝いコメントありがとうございました!
web拍手やFBの「いいね!」も沢山頂き嬉しいです。自分のタイムライン上の投稿以外はどなたが押して下さったのかわかりませんが、どうもありがとうございました

2013.11.15 gemista

11月も半ばに入り、ギリシャも冷え込んできました。
と言っても、うちの辺りはまだ外出は薄手のコートで大丈夫なんですけど、家の中であまり動かないでいるとかなり寒いです。今からモコモコに着ぶくれしていて、本格的な寒さがやってきたらどうすればいいのでしょう……(やっぱり冬眠!?)。

食べもの的には、もうトマトの美味しい時期もとっくに終わっているのですが、先週はちょっと久しぶりに買い込んでしまったので、やはりここは加熱する料理で。長らく作っていなかった挽き肉フィリングのゲミスタ(スタッフドベジタブル)にしました。
ピーマンは、頂きもののバナナペッパーが沢山あったので、曲がってないものを選んで使用。普通のベルペッパーで作るよりも細長いバナナペッパーの方が野菜とフィリングのバランスがいいと好評でした♪

今回の反省点は、もうちょっとミントを入れればよかったな〜ということ。爽やかなミントの風味は挽き肉入りフィリングの味をよく引き立ててくれるので、少し多めがおすすめです。


ギリシャごはんに誘われてアテネへ (旅のヒントBOOK)

引き続き、どうぞよろしくお願いします。
本では詰め物料理に関するエッセイと、ベジヴァージョンのゲミスタレシピをご紹介しています。


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