ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:自家製

ここ何年か、夏が終わると心待ちにしているのが生のグリーンオリーブです。

2021.10.05 olives

時期が近づくと、そろそろ出てくるかな……と、そわそわ。
ギリシャでは秋から冬にかけて生のオリーブが市場で売られ、手作り好きな人は日本の梅仕事みたいにオリーブを漬けるのですが、私が一番気に入っているのはシーズン最初に出回る丸みのあるグリーンオリーブ。


2021.10.05 olives1
オリーブの時期って結構長いので油断していましたが、このグリーンオリーブは最初の数週間ぐらいで消えてしまうのです。その後に出てくるアルカディアオリーブと呼ばれるティアドロップ型のはいまいち。漬け方によってはおいしいのかもしれないけど、楕円形のオリーブみたいなジューシーさがないし、味もあまり好みではないのです。

ギリシャに住んでから今までいろんな漬け方をしてきたけど、オリーブはいかにアク抜きをうまくするかが重要ですね。特にアクが強いグリーンオリーブは、普通に水に浸けて何日も置く方法だと傷んできたり茶色い部分ができたりで私はあまりうまく漬けられたことがありません。


2021.10.05 olives2
唯一、すごく簡単で失敗なし、しかもおいしく仕上がるペットボトル漬けは毎年作っています。写真は、仕込みたてのと一年前の。渋が抜けるのに時間がかかるからいつも夏ぐらいにやっと開封してますが、夏のホルタのヴリタ(アマランサス)とすごくよく合うので、季節のお楽しみとして味わっています。




取り扱いが大変そうだし少量では売ってないようだしと、ずっと二の足を踏んできた苛性ソーダを使うようになってからは、安定しておいしいオリーブが食べられるので万々歳。ちなみによく言われる化学薬品が〜という懸念ですが、苛性ソーダは強アルカリというだけで毒性はないようです。きちんとオリーブを水にさらしたりの手順を守れば問題ないと思います。

今年は2週に分けて4キロ半ぐらい仕込んだので、もういいかな?という感じですが、最初に漬けた方がすでに結構なペースで減っているのが恐ろしい(私だけしか食べてないのに)。
たっぷりあると、味付けのバリエーションも楽しめるのがいいですね。今週ちょっと忙しかったので、すぐに作れる和風のお醤油系のと、あと韓国風の新にんにく酢醤油漬けの瓶にもいくつか放り込んでみました。


2021.10.06 olives

まだ漬かりが浅いけど、食べ比べ。見た目同じですが、上から時計回りに:醤油系調味液漬け、新にんにく酢醤油漬けの汁に漬けたもの、普通の新漬け(プレーンな塩味)です。
お酒にもごはんに合うし、どれもそれぞれいいな〜と、また食べすぎてしまうのでした。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

すっかり載せそびれてたらもう2ヶ月も経ってました。もうみんな忘れてると思うけど、自家製カヴルマスで作った一品です。

2021.07.20 bouyiourdi me kavourma1
Μπουγιουρντί με καβουρμά

ブユルディはフェタチーズにトマトや唐辛子をあわせて焼いたもので、パンもお酒も進むおいしいメゼ。ベーシックな材料のが好きなんですが、ふとカヴルマス入りのが食べたくなったので作ってみました。


ブユルディの作り方。


2021.07.19 kavourmas1
自家製カヴルマス。


作り方は、フェタチーズとカセリチーズ(グラヴィエラチーズなどでも)、トマト、唐辛子を耐熱容器に入れ、大きなスライスのままか角切りにしたカヴルマスをのせます。普通のブユルディを作る時よりも控えめな量のオリーブオイルを回しかけ、オーブンで焼いてできあがり。


2021.07.20 pita
ほかの2品は、カリフラワーをさっと茹でて作ったサラダと、次女のお気に入りスジュキとチーズのパイです。パイはもともと、マケドニア風スフォリアータ生地の端切れをのばし直して辛いスジュキと溶けるチーズを入れて焼いた「おまけパイ」だったんですが、余り物でおまけに作ったものの方が人気になるのはよくあることですよね。ここのところ、リクエストに応え大きいのをよく作っています。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

すこし前に、気が向いたのでこんなのを作っていました。

2021.07.19 kavourmas
Καβουρμάς

毎週金曜にポークチョップを買って土曜日に食べるのが、ここ1年ぐらい定番になっています。と言っても普通に丸々焼いて出すのではなく、真ん中の脂のない部分を家族にあげて、私が周りを担当するという食べ方なのですが。

家族には赤身部分をフライパン焼きにしてジャジキや野菜を添えるギリシャ風。私はアジア風に料理して食べることが多いんですが、「そういえばこの間からカヴルマスを食べたい気分だなぁ」と思い出し、少量生産で作ってみました。

カヴルマスは以前市販のを載せたことがありますが、コンフィとかコンビーフのような味わいの、肉の加工品です。名前はトルコ語のカヴルマに由来し、ギリシャへはカッパドキアや東トラキアなどから引き揚げてきた人々が伝えました。トルコでは肉(野菜を入れることも)をじっくり炒め煮にした料理のことも指すようですが、ギリシャでは専ら巨大なソーセージのような形に固めたものを言うようです。




このような肉の加工品はいろんな国で自然に発生したもので、ギリシャでもさまざまな名前と調理法で各地にバリエーションが見られます。カヴルマスは牛や羊などで作られることが多く、複数の種類の肉を混ぜて作ることもよくありますが、ギリシャでは全国的には豚肉を使った加工品が多く、冬に家畜の豚を〆て作られる保存食のひとつです。

コンフィ系の保存食はいろんな料理に使いまわすというのもあってか、味つけはシンプルなのが多いような気がします。

作り方は一応記しておきますが、かなり適当。
肉は赤身と脂に分け、赤身は小さめの角切りにします。できあがりに脂身が多くならないよう、脂身は先に溶かして漉しておくか、最後に取り出しやすいよう大きな塊のまま入れるかガーゼなどに包んで入れます。風味付けに何を入れたかはっきり覚えてないのですが、こしょう、ベイリーフ、セイボリーだったかな?もしかしたらオールスパイスも数粒入れたかもしれません。
必要に応じ水を少し加え、肉がホロッとやわらかくなるまで炒め煮にします。最後は水分が飛んで、肉と脂だけになるように。

2021.07.18 kavourmas
カヴルマスも家庭で作る時は壷や瓶のような容器に詰めることが多いのですが、せっかくなのであの丸い形にしたく、丁度よさそうなコップにラップとパーチメントペーパーを敷いて詰めてみました。
この状態で冷蔵庫に入れて、冷えて固まってきたらペーパーを閉じてさらにぎゅうぎゅう押して完成です。


2021.07.19 kavourmas1
スライスしてそのままでもおいしかったけど、これを使った料理も次回載せますね。

 
ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

チーズ週間といえばチーズたっぷりのパイやマカロニパイミルクパイをよく作るのですが、ずっと食べたかったこれをとりあえず。

2021.03.10 armiopita1
Αρμιόπιτα

以前にも何度かご紹介した、北ギリシャのカストリア辺りで食べられる郷土料理のアルミオピタです。

キャベツを乳酸発酵させたお漬物はザワークラウトやシュークルートがよく知られていますが、東欧・バルカン諸国では大きいままのキャベツを漬けてロールキャベツに使ったりも。ギリシャでも北の方ではバルカン諸国の食文化と共通するものがあり、発酵キャベツの料理が食べられます。

ずっと昔にテレビでカストリアのおばあちゃんが作っているのを見て印象に残っていたこのパイは、その後何度か作ってみてお気に入りになっています。と言っても、なかなか重い腰が上がらず、冬の間にキャベツを漬けて1回作れたらいいなという程度なのですが。今シーズンはキャベツがおいしいうちに漬けてもう一回ぐらい作りたいなぁ……。

2021.03.10 armiopita2

作ってる途中の写真を撮り忘れましたが、今回は普通のザワークラウトと同じように刻んだキャベツを瓶にぎゅうぎゅう詰めにする方法で漬けました。ロールキャベツも作るなら丸ごとまたは1/2〜1/4割りで漬けますが(※)、パイや煮込みに使うだけなら刻みキャベツが省スペースになっていいです。ザワークラウトは細いせん切りにするようですが、ギリシャ料理に使う場合は少し太めにラフな感じで切った方がそれらしくなります。

レシピはこちらを参考にどうぞ。フィリングはキャベツだけでもいいですが、私はフェタチーズも少し入れるのがお気に入りです。




※ロールキャベツを作りたいけどなるべくコンパクトにしたいという場合、使いたい枚数だけキャベツの葉をはがして漬けるといいです。うまくはがすのがちょっと大変ですが。

ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

今年の自家製オリーブの記事、これで最後です。

2020.10.26 olive achar deviled eggs0
夫がインド料理やスパイス系好きなのでアチャールは普段からいろんなもので作っているんですが、当然オリーブでも作りますよね?我ながらいいアイデアだな〜と思ってたんだけど、今検索してみたら割と一般的?みたいです


2020.10.26 olive achar
……気を取り直して。
第一弾は、丸っこくて小さめのオリーブをそのまま使ってみました。
オリーブアチャールは期待通りの出来栄えだったのですが、ある時にふと、「デビルドエッグに入れたらおいしそう」と思いつき作ってみたのがこちら↓


2020.10.26 olive achar deviled eggs2
刻んだオリーブアチャールと青唐辛子のアチャール(オリーブアチャールにも唐辛子は入ってるので、これはなくてもOK)、マヨネーズを茹で卵の黄身に混ぜたフィリングを白身に詰め、仕上げに粗くつぶしたフェンネルシードと黒胡椒を合わせたものトッピングします。このトッピングがかなりいい仕事をするので必須!フィリングを作る時にはアチャールの漬け汁というかオイル(?)も加えて味をととのえるのと、マヨネーズを恐れず多めに入れるのもポイントです。

今までデビルドエッグには全く思い入れがなかったのだけど、オリーブアチャール入りがかなりのヒットで、この秋は何度も作りました。


2020.11.11 olive achar
第二弾は、大粒のティアドロップ型オリーブを種抜きで。このオリーブはとにかく種が取りづらいので、毎回扱いに苦労します。叩いて種をはずし、半割りにして作りました。オリーブキムチもですが、半割りにするのはフレーバーが絡みやすくていいですね。

オリーブアチャールもグラヴィエラチーズとの組み合わせがおいしく、おつまみに重宝します。一口大に切ったパンに、チーズ、オリーブアチャールと重ねて爪楊枝で留めたのはパーティーでも受けそう(パーティーに縁がないですが)。


2020.11.14 meat & olive achar
いろんなものにオリーブ入れすぎって言われそうですが、最後にもうひとつ。家族が食べられるようポークチョップの周りの部分を取り除いたら中途半端な量の切り落とし肉が出たので、豚肉のアチャールをオリーブ入りで作ってみました。


2020.11.14 meat & olive achar2
これも、自分えらい!最高!と褒めたくなるおいしさ(笑)


2020.11.14
味が濃いからちびちび食べてたのですが、私はライスよりもパンと食べる方が好みかも?ある日の自分用晩ごはんは、このアチャールとジャジキ&パン、生ハムと柿入りサラダでした。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

↑このページのトップヘ