ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:郷土料理

ギリシャのクリスマス料理の定番というと、やはりローストでしょうか。

2025.12.25 christmas menu
大きな塊肉や丸鶏をポテトと焼いたのは普段からよく食べるけど、クリスマス感を出すならターキーなどにしたり、フルーツや栗、芽キャベツなど「それっぽい食材」を組み合わせるのがポピュラーです。

また、地方によって伝統料理はいろいろあるものの、豚肉とセロリのアヴゴレモノソースやロールキャベツといった煮込み料理も、ギリシャのクリスマス料理の定番とされます。

我が家ではその年によって気分でいろんな料理を作ってきましたが、ここ何年かはお気に入りが定まってきたかなという感じです(と言いつつ、また違うものが食べたくなるかも)。


2025.12.24 christmas eve
クリスマスイブは引き続きザキントス島のを採用し、ブロッコリーとクルラでした。
ブロッコリーを食べる風習があるというのが面白いなとただ単に思ったのと、何よりも楽なので。ちなみになぜクリスマスイブにブロッコリーを食べるのかは深い意味はないそうなのですが、ザキントスでは紫色のブロッコリーの栽培が盛んだとか。


2025.12.24 kouloura
クルラは赤ワインで捏ねてフルーツやナッツをふんだんに加えた、リング型の甘いパンです。クリスマスに食べるパンというとフリストプソモ(キリストのパン)もそうですが、スパイスなどが香ります。うちは普通に食べるだけですが、暖炉の炎の上でクルラの穴からワインとオリーブオイルを注ぎ、祈りを捧げるのが伝統。


2025.12.25 avgolemono soup
クリスマス当日のメニューも、ザキントス島のアヴゴレモノスープが気に入って今年も作りました。体調がいまいちなのと、時間がなくて数種類の肉を使ったりする本来の作り方より簡略化しましたが。


2025.12.25 sarmades
あとは、カストリア風のサルマデス(ラハノドルマデス、ロールキャベツ)と、生ハム柿ルッコラ。発酵キャベツで作る北ギリシャ風のロールキャベツは気に入っていて、キャベツを漬けるのを忘れなければ大体いつもクリスマスかお正月辺りに作っています。


【関連リンク】

有料記事ですが、今回のロールキャベツとクルラのレシピ付きで少し長い記事をnoteに掲載しています(最初の部分は無料で読めます)。


普通のキャベツで作るアヴゴレモノ(卵レモン)ソース仕立てのロールキャベツは「ギリシャのごはん」レシピ本に掲載しています。郷土料理や行事食もいくつか載せていますので、お手に取っていただけると嬉しいです。

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2025年の更新はこれで最後になりそうなので……

いつもブログを見にきてくださっている皆さま、どうもありがとうございます。
また料理教室やイベントをやりたいなとか、ニッチなテーマの本を作ってみたいなとか(編集能力がなく進んでないけど)いろいろ考えてるのですが、こちらも地味に続けていきますので引き続きよろしくお願いします。
よいお年をお迎えください。カリ・フロニャ!

今年の夏休みは予定が合わずシミ島のサマーハウスへは行けなかったのだけど、近場の島へ日帰り旅行に出かけたりしました。

2025.09.24 tzolia
Τζόλια Μάνδρας

先週は、マンドラという街で夫の仕事の用事があったので、ついでにサラミナ島へも寄ろうということに。マンドラは西アッティカのエレウシスの近くにある小さな街です。広大な松林に囲まれていて、かつてこの街の住人の多くは樹脂採集・加工業に携わっていたそう。観光で訪れるような場所ではないので日本人にはなじみがないですが、ギリシャに長く住んでる人は、2017年11月に起きた大規模な洪水被害のニュースを思い出すかもしれません。


2025.09.20 mandra1
取引先の人が別れ際に、「そこの道を曲がったとこにある教会に寄っていきなさいね」と言っていたのだけど、夫の仕事中にちょっと散歩をしてたとき、確かに街の中心の広場に立派な教会を見かけました。
後で調べてみたら、アギオス・コンスタンティノスとアギア・エレニの教会で、19世紀後半から20世紀初頭にかけてギリシャで活躍したドイツ人建築家、エルンスト・ツィラーが手がけたものだそうです。


2025.09.20 mandra2
それ以外は取り立てて何もない街という印象ですが、マンドラにはハサポタベルナ(肉屋のレストラン)や肉料理専門店がいくつかあり、おいしい焼き肉料理が食べられることで知られています。

でも肉料理よりも私が気になっていたのは、ジョリアという手打ちパスタ。イタリアのカヴァテッリに似ていて、小さく切った生地を指先で押しながら転がしてカールさせた形が特徴です。自分でも作れるシンプルなものだけど、マンドラのどのレストランのメニューにも載っているので、ぜひ現地で食べてみたかったのです。


2025.09.24 tzolia2
ジョリアは別名をゴグリエスやクルクビネスといい、地方によっていろんな名前で呼ばれるのですが、いずれもアルヴァニテスと呼ばれる人々の料理だそう。アルヴァニテスとは現在のアルバニアの領土となっているイピロス北部のアルヴァニ地方からギリシャ中部および南部に移住した人々の子孫で、中世、そして18世紀と、情勢の変化に伴う何度かの移住の波によりやって来ました。マンドラも、彼らが定住した土地のひとつ。ちなみにジョリアと似たイタリアパスタのカヴァテッリは、イタリア南部のモリーゼ州発祥とのこと。モリーゼにもトルコの迫害から逃れてきたアルバニア系の人々が暮らしているらしいので、ルーツは同じなのでしょう。




拙著「ギリシャのごはん うちで楽しむ、とっておきレシピ74」(イカロス出版)の郷土料理の章に、「南エヴィア風手打ちパスタ(Κουρκουμπίνεςクルクビネス)」のレシピを載せています。前述の通りジョリアのバリエーションですが、こちらはエヴィア島のカリストスへ行ったときに教えてもらった郷土料理で、鶏のレッドソース煮とあわせてよく食べられます。


2025.09.24 tzolia1
このように、同じアルヴァニテスのパスタでも、地方によって生地の配合、大きさ、食べ方が少し違っていたりします。マンドラでは、レストランで出されているものや市販品の写真を見た感じ、小さめに成形するよう。食べ方はシンプルにバターとすりおろしチーズですが、焦がしチーズをあわせたりもするようで、このテクニックはペロポネソス半島南のマニのチュフティというパスタ料理を思い出したりもしました。


2025.09.24 tzolia3
マンドラでの用事を終えたらサラミナ島へ向かう予定だったので、もしレストランが開く時間までかかったら、ジョリアをテイクアウトしよう……とか考えていたのですが、昼前に用事が済んでしまったので、残念ながらまたの機会に。食べたい気持ちを鎮めるため、後日自作しました。


2025.09.24 tzolia4
マンドラのジョリアはシンプルに小麦粉と水、少しの塩とオリーブオイルで生地を作って寝かせ、ひも状にのばしたのを短く切って成形します。成形は、グレーターの一番細かい目の面を使う人が多いよう。結構簡単にできて、なかなか楽しいですよ。羊バターで炒めた焦がしミジスラ(※)と、そのままのミジスラのダブル使いで仕上げてみました。小さなお団子のようなもっちりしたパスタに、バターやチーズの豊かな乳製品の風味が絡む、シンプルだけど味わい深い一品です。


2025.09.24 tzolia5
私は肉料理レストランに行きたい気分になることがあまりないため、マンドラのお店紹介記事など見てもあまり気に留めたことはなかったのだけど、こうやっていろいろ繋がると俄然興味が沸いてきますね。もうひとつ気になったのは、エヴィア島カリストスの辺りの名物料理にティロピタリと呼ばれる大きめの揚げチーズパイがあるのですが、マンドラのレストランにもジョリアと並んでティロピタリが定番なのです。同じようなチーズパイはギリシャ料理にあるものの、ただ単に呼び名の地方バリエーションというだけでなく、アルヴァニテスの料理なのだろうなぁとわかって、ふむふむとひとり頷いたのでした。

※ミジスラチーズはリコッタチーズのようなフレッシュタイプと塩をして熟成乾燥させたタイプがあり、今回の記事に出てくるのは後者。すりおろしてパスタにかけたりする使い方が一般的です。リコッタ・サラータや、低脂肪のハードチーズで代用できるかと思います。

断食期間もそろそろ大詰めだしニスティシマ(ギリシャの精進料理的なもの)でいいや......と、豆料理多めにしてたらクレームが発生しまして。

2025.04.10 pastitsada
主に復活祭用にと先日買って小分けしておいたラムの、すね肉の部分を使って昨日はパスティツァーダにしました。

パスティツァーダは通常牛肉や鶏肉(特に雄鶏で作るのがおいしい)で作られるケルキラ島の郷土料理で、スパイシーなトマトベースのソースで肉をじっくり煮込んだもの。家族みんなで集まってゆっくり楽しむ日曜の食卓によく登場する料理です。

全国的に見かけるコキニスト(レッドソース煮)の肉料理のバリエーションですが、ケルキラ島のパスティツァーダはより多くのスパイスを使うのが大きな特徴。家庭によってこだわりのスパイスブレンドがあったり、スパイスミックスが市販されていたりもします。


2025.04.10 pastitsada1
じっくり煮込んでホロッとやわらかくなった肉と濃厚なソースは、パスタにたっぷり絡めて味わうのが定番。ブカティーニやチューブ型のショートパスタ、もしくは太いスパゲッティが合います。

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比較的短時間で簡単に作れる、手羽元を使ったメゼヴァージョンのレシピを「おうちでギリシャ居酒屋」に掲載しています。
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本では肉だけの盛りつけですが、もちろんパスタと一緒に食べたり、ポテトやパン、ライスと食べてもおいしいです。


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カロミナ!(月初めの挨拶)
断食期間のうちにベジ料理をもっと載せたかったのだけど、あっという間にイースターになりそう。今年は西方教会と東方教会ともに4月20日です。

2025.03.18 fasolia me lahano toursi
今日ご紹介する料理は自分でキャベツを漬けようと思うと少し日数がかかってしまうのですが、素朴ながらもおいしい豆の煮込みです。

スラブ系の食文化に近いものも多い北ギリシャではキャベツの漬物を使った料理があると以前書きましたが、これもそのひとつ。普通にキャベツと豆を煮込んだだけでもおいしいけど、発酵により醸し出される酸味と複雑な風味が、フレッシュなキャベツをそのまま使うのとはひと味違った料理に変身させてくれます。

作り方はいろいろあり、トマト味、トマトなしでパプリカだけの味つけ、米も加えたラハノリゾ(キャベツごはん)のバリエーションのようなタイプ、豆スープの残りに発酵キャベツを加えて展開料理として作るパターンなど。それぞれのおいしさがあってどれも捨てがたいです。


2025.03.18 fasolia me lahano toursi1
レシピは一番シンプルなパプリカ味で書いてみたので、興味のある方はお試しください。


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クリスマス辺りにサルマデス(ロールキャベツ)を作ろうと思って漬けてあったキャベツ、タイミングを逃し続けてたらちょっと忘れそうになってました。

2025.02.12 sarmades
ギリシャの普通のロールキャベツが好きではなく、特に卵レモンソースで仕上げたものは絶対に手をつけない夫。発酵キャベツ(キャベツのお漬物)で作る北ギリシャ風のや焼きロールキャベツなら結構喜んで食べるので、我が家で登場するのはこのタイプが多いです。
ちなみにギリシャ語でロールキャベツは全国的にはラハノドルマデスですが、北ギリシャではサルマデスと呼ばれることが多いです。


2025.02.12 sarmades1
中身は米と、肉入りの場合は生のひき肉だねで作る場合もあるけど、うちは豚ひき肉または細かく刻んだ豚肉を炒めて入れています。玉ねぎのみじん切りもたっぷり加えて炒め、米とミントとパセリを加え、パプリカ、こしょう、塩で味つけしたシンプルなフィリング。キャベツに塩気があるので、フィリングに加える塩はかなり控えめにします(塩気強めのお漬物だったら、塩なしでもいいぐらい)。


2025.02.12 sarmades2
少しかぶるくらいの水を加えバターを散らし、耐熱のお皿など、ある程度重さのある落し蓋をします。さらに蓋をして弱めの火加減で40分〜1時間くらいコトコト煮てできあがり。普通のキャベツに比べ、発酵キャベツの方がやわらかくなりにくい気がします。


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