ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:郷土料理

今日の1枚は5月はじめに撮ったもの。すっかり後回しになってしまい、もう青豆の時期も終わりそうですね。

2021.05.05

レシピは過去に紹介したこちら。豆の甘味を生かした、やさしい味の野菜料理です。




レモン味のと両方載せてるけど、うちはトマト味で作ることが多いです。生のグリーンピースがある時は上記レシピのようにフレッシュトマトでやさしい味に仕上げるのが好み。

冷凍グリーンピースの場合じゃがいもやにんじんは入れず、代わりにざく切りにしたパセリをバサッと。これは夫の叔母さん式なんですが、パッサータかトマトペーストを使ってトマト味強めに作ってライスと一緒に食べます。

もう一品の地味な見た目のは、ガボプサラと呼ばれる北ギリシャナウサの郷土料理です。マスタードシード入りの塩水漬けにしたなすに小麦粉をまぶして揚げたおつまみで、本来は冬の間に食べられる保存食。ある時に買ったなすが食べられないほど苦くて、ふとガボプサラのことを思い出し漬けてあったのです。
ちなみに、名前の由来は細く切って揚げたなすが魚(プサリ)のように見えるから。ガボスは確かちゃんと目が見えてないとか、あまりよくない意味の言葉。なぜそんな名前なのかは知りませんが、頭を取り除いた魚のように見えるからでしょうか。
結構塩気がきいているもので、チプロ(ぶどうの蒸留酒)のおつまみによく食べられるそうです。

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今回の写真は秋に作ってすっかり載せそびれてた料理なので、ちょっと時期はずれの話題になりますが、ドデカネス諸島のいくつかの島で作られる郷土料理です。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono1a

割とよく知られるギリシャ料理、ドルマデス(ぶどうの葉で米などを包んだ料理)にはいろんなバリエーションがあり、包む葉もぶどう以外のものが使われることがあります。ギリシャ風のロールキャベツであるラハノドルマデスもその一種。


2020.09.25 cyclamen dolmades
ドルマデスの中では珍しくて、遭遇率が多分とても低いのがシクラメンの葉を使ったものです。夫の母方の祖父母が暮らしていたシミ島や、その近隣のいくつかの島の郷土料理なのですが、お店では出しているところがほとんどないみたい。それなら自分で作ろうと思いつつ、長い月日が経ってしまっていました。

シクラメンの季節になるといつも思い出してはいたのですが、去年某所(事情により今はぼかしておきますが、後日加筆します)で食べる機会があったのです。その時食べたのは肉入りのだったので、私もまずはひき肉のフィリングで作ってみました。

ギリシャではシクラメンが自生しているので、それを摘んできて作るのが理想。とは言え、うちの辺りでは摘むことができないため観賞用のものを使いました。シクラメン食べられるの!?ってびっくりされますが、ドデカネス諸島出身の方が園芸品種のシクラメンで作ってるのを見たことがあるので多分大丈夫です。原種シクラメンというのがギリシャで自生しているものと似てそうですね。ただし、葉が小さくて包みにくいかもしれません。もし試される場合は薬がかかっていないものにしてください。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono3
私が使ったのも、葉っぱは結構小さいです。きれいに洗ってから、下茹でします。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono4
フィリングは米とひき肉に、玉ねぎ、ズッキーニ、トマト、パセリ、ミント、塩こしょうだったかな?すべて生のを混ぜただけで、オリーブオイルも適量加えます。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono5
生のひき肉を使ったフィリングは、小さい葉でも比較的包みやすいです。とても小さい葉は端を少し重ねて2枚並べて使います。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono6
鍋に隙間なく並べていきます。少量だと隙間ができることがありますので、写真のように味の邪魔をしないような野菜で埋めるといいです。この時はフィリングに使ったズッキーニの残りとヘタを入れました。
よく見ると違う葉っぱのが混ざってますが、シクラメンの葉がほんの少ししかなかったので、一部アマランサスを使いました。アマランサスはギリシャで夏場によく食べる青菜。普通ドルマデスにはしませんが、大きめの葉っぱを使えば巻きやすく、味もおいしいのでおすすめです。日本でも売っているようなので、ぜひお試しください。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono7
オリーブオイルとレモン汁を回しかけ、塩も少し。水をひたひた〜少しかぶるくらいに入れて、落とし蓋と蓋をして煮込みます。フィリングに火が通って葉っぱもやわらかくなったらできあがり。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono8
この時はアヴゴレモノ仕立てにしたので、卵とレモン汁をよく溶いたものを最後に加えています。再加熱したい場合やしっかりとろみをつけたい場合などはコーンスターチも加えるといいです。アヴゴレモノは卵がモロモロになったら失敗なので、スターチを加えておくとかきたま状態になるのも防げます。

2020.09.17 cyclamen dolmades avgolemono2
アヴゴレモノを混ぜて素朴な仕上がりにしましたが、見た目をきれいにしたければソースを別に作ります。煮上がったドルマデスを取り出して器に盛り、鍋に残った煮汁でアヴゴレモノソースを作ってかけてください。

2020.09.25 cyclamen dolmades2
ソースなしのは、別の日に作った米&レンズ豆のもの。シミ島ではレンズ豆やファヴァといった豆を入れたドルマデス(ヤプラキァとも呼ばれます)をよく作るのですが、これも島に滞在中に学んだお気に入りのひとつです。

ドルマデス(ドルマダキァ、ヤプラキァ)のレシピはこちらを参考にどうぞ。








【PR】こちらのレシピ本にはギリシャ風ロールキャベツや玉ねぎのドルマデスの作り方を載せています。
ギリシャのごはん (うちで楽しむ、とっておきレシピ65)



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早いもので、今週はメガリ・エブドマダと呼ばれる聖週間。パスハ(復活祭、イースター)も間近です。

2021.04.25 salt cod pie

昨日はパームサンデーだったので、魚の料理を作りました。
ギリシャ正教では復活祭までの40日間は断食なので、敬虔なクリスチャンは動物性の食品は食べませんが、3月25日と復活祭の前の日曜日(聖枝祭、棕櫚の主日)は魚食が許されます。

ギリシャの断食期間について、noteでも書いてますので興味のある方はこちらのリンクからどうぞ。




うちは普段あまり魚料理をしないので、断食はしてないけどここぞとばかりに行事に乗っかります。

先月は普通に定番の干し鱈のフライを作りましたが、パームサンデーにはケファロニアの干し鱈パイが食べたい!と心に決めてたんです。

ギリシャはパイ料理がとてもよく食べられる国で、全国的に共通するもの以外に地方のバリエーションもいろいろあります。イオニア海に浮かぶケファロニア島の郷土料理は、厚めの生地でたっぷりの具を包んで焼き上げたパイ。特にミートパイがよく知られます。
干し鱈やタコといったシーフードのパイもあり、そういえばあれはおいしかったな……と、最近ふと思い出して食べたくなっていたのです。

タコのパイは残り物のタコを使ってミニサイズで作ったのがこちらに載ってましたが、鱈は見つからず……。確かあの時はアニサキス入りの鱈を引いてしまったので(その部分はもちろん取り除いたけど)、気分が下がりすぎて撮らなかったのかも?

2021.04.25 salt cod pie1
ちなみに干し鱈ですが、ギリシャで使うのはポルトガル料理のバカラオと同じタイプの干し塩鱈です。セミドライなのでやわらかいですが、しっかり塩漬けされているので何度も水を換えながら2日ぐらいかけて戻します。

ケファロニア島のパイは、生地が厚めということ以外にも特徴があります。フィリングに米を入れるというのもそうで、リゾットのパイ包みのような印象を受けるかもしれません。


2021.04.23 marjoram
また、ケファロニア島で好まれるハーブ「サプシホ」の香りも味のポイント。これはマジョラムのことで、ギリシャの共通語ではマジュラナと呼ばれます。

他に入れるハーブなどは人それぞれですが、パセリ、ディルまたはフェンネル、スペアミントといったところ。私はハーブたっぷりで作るのが好きです。

2021.04.25 salt cod pie2
玉ねぎ、ねぎ、にんにくも。もう新にんにくの時期ですが、まだ葉にんにくが売っていたので、ねぎと一緒にこれもたっぷり刻んで入れました。

2021.04.25 salt cod pie3
こんな感じで焼く前はちょっと汁気があるのですが、米がスープを吸ってしっとりとしたフィリングになるまでじっくり焼きます。

2021.04.25 salt cod pie4
生地は、焦げてはいないけど深く焼き色がついた状態が理想。やっぱりとてもおいしくて、普段はあまりパイを食べない長女も2切れ食べていました。


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秋に漬けて冬に食べるものだからそろそろ時期はずれですが、パイに使った発酵キャベツがまだ残っていたので、使い切るため煮込みを作りました。

2021.04.04 kotopoulo me armia
Κότα με αρμιά

ザワークラウトのようにキャベツを発酵させた漬物は、ギリシャでは北の方でよく作られます。そのまま食べる以外に、ロールキャベツや煮込み、パイといった料理にも。発酵の味わい深さが加わり、フレッシュなキャベツで作るのとはひと味違ったおいしさです。

煮込みは以前豚肉ヴァージョンでご紹介したのと大体同じなので、レシピはこちらを参考にどうぞ。

特に鶏肉の場合オーブンで作るのもいいものですが、今回は鍋で煮込む作り方にしました。
鶏肉をフライパンで焼いて、色づいたら玉ねぎを加え炒め、次にキャベツや他の材料を加えていって煮込んであります。


2021.04.04 kotopoulo me armia2
一緒に食べるのはパンという気分ではなかったので、煮汁を取り分けてピラフを炊いてみました。ちなみに発酵キャベツと肉の煮込みは米を入れたバリエーションもあります。
写真は日の光があるうちに撮ったから煮込みだけで盛りつけましたが、晩ごはんに出した時はこのピラフを添えました。あと、フェタチーズも。食事の時に食べるチーズは他にもグラヴィエラとかいろいろあるんですが、やっぱりフェタチーズは最高ですね。

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断食期間のはじまりにギリシャ風タコマリネを作りましたが、その時に取り分けておいたタコでもう一品。

2021.03.24 octopus with avronies1
Χταπόδι με αβρωνιές

これこれ。アヴロニェスという野草を市場で見かけたら作ろうと思ってたのです。

オヴリエスやアヴロニェスと呼ばれるこの野草は以前にも何度か紹介しましたが、ギリシャの春の味覚のひとつ。ヤマノイモ属のDioscorea communisのことで、英語ではブラックブライオニー。日本でも英語の名前で知られるようです。

2021.03.24 avronies
全草にサポニンを多く含むため毒草として注意が必要なのですが、ギリシャ、トルコ、フランスなどいくつかの国々(の、一部地方かも?)では春に出てくる新芽を食用とします。ここアテネでは青空市場で売っていますが、見た目が野生アスパラに少し似ているのと、時には混ぜて売られていたこともあるので気をつけた方がいいかもしれません。新芽の毒性はどれぐらいのものかは知りませんが、アスパラだと生で食べちゃうこともあるので……。

タコと一緒に煮込んだこの一品は、クレタ島の郷土料理。クレタでは魚介類をさまざまな野菜とあわせて調理するようで、これもそのひとつです。

試してみる方はあまりいないような気はしますが、作り方を簡単に説明しておきます。

2021.03.24 octopus with avronies2

タコとブラックブライオニー新芽の煮込み(フタポディ・メ・アヴロニェス)

材料:
タコ
玉ねぎ
オリーブオイル
赤ワイン
ブラックブライオニーの新芽
塩、こしょう
ワインビネガー(好みで)

タコはギリシャ流によく叩いておいたものか、一度冷凍したものを使用(どちらも身をやわらかくする効果があります)。よく揉み洗いし、扱いやすい大きさに切り分けます。

玉ねぎを薄切りかみじん切りにし、たっぷりのオリーブオイルとともに鍋に入れて火にかけます。色づかせないよう弱火で炒め、やわらかくなったらタコを加えオイルを絡めるように軽く炒めます。

赤ワインを回しかけ、ふたをして弱火でタコがやわらかくなるまで煮込みます。

タコを煮ている間にブラックブライオニーの下ごしらえをします。アスパラのように硬い部分を折って除き、適当な長さに切ります。3分ほど下茹でし、水気を切ります。味を見て苦味が強いようなら少し水にさらすといいです。

タコがやわらかくなったらブラックブライオニーを加え混ぜ、塩(味を見て必要なら)、こしょうします。全体がくったりやわらかくなり、汁気が少なくなるまで煮込んでできあがり。火から下ろす少し前に、お好みでワインビネガーを適量加えて味をととのえます。

***************
この料理、たっぷりのオリーブオイルとワインでやわらかく煮込んだタコのうまみとコクは言うまでもなく、アヴロニェスのほろ苦さも絶妙なんです。
本来は海でとってきたタコと野山であつめたアヴロニェス、自家製のオリーブオイルやワインをあわせた素朴な田舎料理なのでしょうけど、こういうのがしみじみおいしいんですよね。


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