復活祭前の長い大斎(断食・節食期間)も折り返し点を過ぎたところ。
Σεφουκλωτή Νάξου
うちは普段と変わらない食生活ですが、せっかくなので断食メニューをどんどん紹介していこうと思っています。いくつかレシピは書き溜めてあるのだけど、復活祭までに載せきれるかな?
近年はベジタリアンやヴィーガンの代替食品がどんどん増えているため、動物性食品の断食もしやすくなっています。肉で作っていた料理をそういった食材で代用するのは私もたまにやってみるのだけど、自分の中でしっくりくるものや本当においしいなと感じるのは、そういった“もどき”(というのもよい表現ではないですが)よりも、ギリシャで昔から食べられている食材を使った動物性食品なしの料理です。
ギリシャ人のソウルフード的な食べもののひとつにパイがありますが、私が気に入って冬から春にかけてよく作っているチーズなしのパイを今回はご紹介します。定番の青菜パイの地方バリエーションで、ナクソス島のセフクロティという料理。ふだんそう(セスクロ)を主材料に、たっぷりのハーブや米を加えた味わい深いパイです。
このパイのレシピを書くにあたって、日本でふだんそうはどれぐらい入手しやすいかというのが気になって調べてみたのですが、「うまい菜」という名前で売られていたりもするよう。妹が地元の里の駅で売られていたのを撮影して見せてくれました。他の名前はスイスチャードですが、茎の色がカラフルな品種がそう呼ばれる場合が多いみたいです。
フィリングに米を入れるのは他のいくつかの地方でも見られるもので、水分を吸ってクラストがべチャッとなるのを防ぎます。そういえばこのブログでは米入りのパイってほとんど紹介していませんが、初期に載せたタコのパイやケファロニア島の干し鱈パイがこのタイプです(いずれもレシピ未公開)。
ナクソス島のふだんそうパイのもうひとつの特徴が、ちょっと甘味を加えるということ。こちらは絶対条件というわけではないので苦手な方は抜いて作ってもいいのですが、干しぶどうを少し加えたり、蜂蜜をかけて食べたりします。蜂蜜をかけるのは確かアピランソスという村でよくやる食べ方ですが、これがまたおいしいのでぜひお試しを。イタリアやフランスの南の方にも甘いふだんそうのパイがあるのを思い出しましたが、地理的・歴史的に繋がりがあるのかもしれませんね。
レシピは厚めの生地上下1枚ずつの簡単なフィロでご紹介していますので、生地から手作りするパイは難しそう……と二の足を踏んでいる方にも比較的作りやすいです。
薄いフィロがお好みの方は、そちらで作っていただいてもどちらでもおいしいですよ。
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ギリシャ人のソウルフード的な食べもののひとつにパイがありますが、私が気に入って冬から春にかけてよく作っているチーズなしのパイを今回はご紹介します。定番の青菜パイの地方バリエーションで、ナクソス島のセフクロティという料理。ふだんそう(セスクロ)を主材料に、たっぷりのハーブや米を加えた味わい深いパイです。
このパイのレシピを書くにあたって、日本でふだんそうはどれぐらい入手しやすいかというのが気になって調べてみたのですが、「うまい菜」という名前で売られていたりもするよう。妹が地元の里の駅で売られていたのを撮影して見せてくれました。他の名前はスイスチャードですが、茎の色がカラフルな品種がそう呼ばれる場合が多いみたいです。
フィリングに米を入れるのは他のいくつかの地方でも見られるもので、水分を吸ってクラストがべチャッとなるのを防ぎます。そういえばこのブログでは米入りのパイってほとんど紹介していませんが、初期に載せたタコのパイやケファロニア島の干し鱈パイがこのタイプです(いずれもレシピ未公開)。
ナクソス島のふだんそうパイのもうひとつの特徴が、ちょっと甘味を加えるということ。こちらは絶対条件というわけではないので苦手な方は抜いて作ってもいいのですが、干しぶどうを少し加えたり、蜂蜜をかけて食べたりします。蜂蜜をかけるのは確かアピランソスという村でよくやる食べ方ですが、これがまたおいしいのでぜひお試しを。イタリアやフランスの南の方にも甘いふだんそうのパイがあるのを思い出しましたが、地理的・歴史的に繋がりがあるのかもしれませんね。
レシピは厚めの生地上下1枚ずつの簡単なフィロでご紹介していますので、生地から手作りするパイは難しそう……と二の足を踏んでいる方にも比較的作りやすいです。
薄いフィロがお好みの方は、そちらで作っていただいてもどちらでもおいしいですよ。
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