ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:野草

鋼の意志で予算内におさめるメニュー。

2024.07.31
食費が入ってすぐに買出し日だと嬉しいのだけど、逆に数ユーロしか残ってないカツカツの日もあります。給料日前の……みたいな状況ですね。
もちろん所持金がそれだけということはないのですが、よほどのことがない限り予算オーバーにはならないようにしてます。

というわけで、今週の市場で買ったのは一束50セントのスベリヒユと、キロ1.5ユーロだった甘唐辛子とズッキーニで合計2ユーロ。野菜はこのほかにスーパーでじゃがいもを数個だけ買いました。これはスーパーの方がちょっと安いという以外に、市場では多めに買わされがちというのが主な理由です。

メインに用意した煮込みは、スベリヒユにズッキーニとじゃがいもをあわせて。オリーブオイルで玉ねぎをじっくり炒め、すりおろしたトマトを加え塩と隠し味程度の砂糖を加え少し煮ます。ひと口大に切ったズッキーニ(ヘタもおいしいので一緒に)、水適量を加え煮てやわらかくなってきたら、ざく切りにしたスベリヒユと食べやすい大きさに切ったじゃがいもを加えます。
汁気は程よく残る程度に調整し、じゃがいもがほっくりやわらかく煮えたらできあがり。にんにくやハーブなど加えないシンプルさが、しみじみおいしい煮込みです。味つけは塩と好みで黒胡椒を少し。

少しぬめりのあるスベリヒユは、ヌルヌル食材が苦手な夫には控えめな量の方がいいかなと思い、ズッキーニとじゃがいもを多めに入れました。
写真は私の分で、一緒に出した唐辛子の素揚げついでに目玉焼きも作ってのせました。

素揚げ唐辛子は、辛いもの好きの夫には辛い唐辛子で、私と娘の分は甘唐辛子。塩を振っただけでいくらでも食べられるほど好きなんですが、今日はにんにくを刻み入れたワインビネガーをかけて。

今回煮込みにしたスベリヒユですが、やっぱり生でも食べたくて、茎の細い部分を少し取り分けておきました。トマト、自家製オリーブと一緒に盛りつけて、オリーブオイルひとまわしと塩をパラリ。ギリシャサラダのバリエーションとしてスベリヒユを入れることもあるのだけど、チーズなど入らないシンプルなサラダもとても好きです。


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冬休みも、もう終わりですね。今日1月6日はギリシャでは神現祭(公現祭、主顕節)といって、ヨルダン川でキリストが洗礼を受けたことを記念する日。各地で水のお清めの儀式が行われます。

2024.01.03 lapas me horta1
行事食は、たとえばクレタ島ではいろんな豆や麦を煮た料理を食べたり、ルクマデスなど揚げ菓子を食べる地方があったりしますが、全国的に共通するこれと決まったものは特にないようです。神現祭の前日がニスティア(節食・断食)であることや、1月7日に七草粥を食べる日本の風習を思い出して、今週は青菜たっぷりの菜食料理ばかり作っていました。

もちろんギリシャに七草の概念はないのですが、日本と同じく現代においても野草を食べ、愉しむ食文化があります。なので、野山で草摘みをすることが容易でない街暮らしでも、市場へ出かければ七種類ぐらいはすぐに集めることができます。


2024.01.03 horta
青菜のパイや煮込みも食べたい気分だったので、献立の予定に沿って今回選んだのはこれらの青菜やハーブたち。他にもいろんな葉っぱが売っているし、綺麗な場所で摘めるならもっと選択肢は増えます。スイバ、ノゲシ、チコリやタンポポの類のほか、カブやラディッシュなどに、ディル、葉セロリ、パセリ、ミントなどおなじみのハーブ類。春菊(マルガリータ)やヒナゲシなどもいいですね。

※イラクサは触れるとチクチク痛くなる野草なのでちょっと注意。加熱することで安全に食べられるようになります。若く柔らかい部分は刺さないと言われますが、それでもチクッとするので触る時は手袋をはめて作業をした方がいいです。今回は生のまま他の青菜と刻んで入れましたが、さっと下茹でしておくと扱いやすいです。


2024.01.03 horta1
ただ、ちょっと予想はしてたことなのですが、ギリシャではハーブも一束がすごく大きいので、7種類も一度に買ったら下処理が大変で何時間もかかってしまいました(上の写真は作業途中)。ちょっと時間に余裕のある週の半ばにやっておいてよかった……。冷蔵庫にも収まらないし、買ったその日にほぼ全部洗い、ハーブはすぐ使わない分冷凍したり、青菜も後日使う分はさっと茹でて冷凍庫へ。全部あわせて刻んだ「七草ミックス」も何回分か作って冷凍したので、しばらく楽しめそうです。


2024.01.03 lapas me horta2
七草の節句ということで、やはりまずはお粥を作ってみました。
ギリシャでも米をやわらかく煮たお粥があるんですよ。米の種類が日本のより粘りが少ない種類だったり、味つけにレモンやオリーブオイルを入れるのがやはりギリシャという感じ。ちなみにレモンはかならず入れるのが基本のようで、オイルは体調によって(たとえばお腹を下しているなど)入れずに食べるそうです。

作り方は、お粥と同じように米がほどけるくらいまでお好みの状態に煮て、火からおろす少し前に塩と七草を加えただけです。細かく刻んでますが、全体が緑にならないよう粗めに刻んでも。お粥にレモン!?と思う方もいるかもしれませんが、日本でよくやるお粥に梅干しの組み合わせと、味も効能も共通するものです。


【関連記事】
過去記事から、七草っぽいものを集めてみました。ちょっと変化球な七草のヒントにどうぞ。







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ぼんやりしてると食べそびれてしまう、旬の味。

2023.05.04 pasta
ギリシャで年間通してよく食べられる茹で青菜がホルタ(野草や青菜の類。それらを茹でてサラダのようにして食べる料理のことも指す)ですが、季節によって種類が違います。


2023.05.03 horta
夏前の短い期間だけ見かけるヴラスタリアというのはトウが立ってきたホルタの花茎の部分で、これだけを束ねて売られていることも多いのだけど、この間市場で買ってきた「苦いホルタ」は、見た感じ3種類くらいの野草が混ざっていてヴラスタリア多めでした。


2023.05.03 horta1
まずは、普通に茹でてたっぷりのオリーブオイルとレモンで。
それ以外にヴラスタリアで何かもう一品作りたかったので、ソーセージミートとあわせた簡単なパスタにしました。

ソーセージミートは粗びきの豚肉に適当な味つけをして1日ぐらい寝かせたもの。今回入れたのは、塩、こしょう、フェンネルシード、オールスパイス、唐辛子フレーク、にんにく、ワインビネガーだったかな?
これをオリーブオイルで炒めておいて、茹でたホルタとパスタを加え、少し加熱しながらしっかり乳化させます。


2023.05.04 pasta1
仕上げのチーズは控えめに。
ホルタのほろ苦さと、程よくスパイスの効いたソーセージミートの味わいがバランスのいいひと皿になりました。

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今年のハネムスカリ球根は、これで最後。

2023.04.29 broad bean stew with volvoi1
3月の終わりの記事で、さやそら豆のオイル煮をハネムスカリ球根のピクルスと一緒に食べた話を書きましたが、本命はこちらでした。乾燥そら豆か、さやごと食べられないくらい育ったそら豆と一緒に煮たかったのです。

乾燥そら豆を買うつもりで市場へ出かけたものの、フレッシュなそら豆が出回ってる時期に乾燥のを買うのもな〜と思ってしまうんですよね。結局、大きめに育った生そら豆を買って帰りました。

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剥いてみたら、やっと黒い筋が出てきたくらいでまだとても柔らかそう。もうちょっとしっかり育ったので試してみたかったんですが、若いそら豆っておいしいですよね。今回は忘れずディルも入れてオイル煮にし、煮込み時間の最後の方で球根のピクルスを加えました。
本当はピクルスにしてない球根を使いたかったのだけど、ピクルスの酸味も合うだろうな……と。

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期待どおり、球根ピクルスの食感・苦味・酸味が、やわらかく煮えた豆の味わいを引き立てて、とてもおいしい組み合わせでした。


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去年のバカンス記事、かなり間があいてしまいましたがこれで最後です。

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シミ島で、もうひとつしておきたい“朝の散歩”がありました。

2022.09.05a

最終日の早朝にひとり起き出して、まだ空気がひんやりしているうちに向かったのは、古い風車が並ぶ丘。その先にあるポンディコカストロと呼ばれる史跡に行きたかったのです。

ポンディコカストロについては、たびこふれに書いた記事をご覧ください。



円く石が積まれた墳丘状のポンディコカストロは新石器時代に築かれた古墳ではないかと考えられているようですが、発掘調査はされておらず詳しいことはわかりません。

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古墳としてはとても小さいし地味な見た目なのだけど、なぜか惹かれるものがありシミ島での私のお気に入りの場所です。何度も行っているのは、うちから近いというのも大きな理由ですが。


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風車はほとんどが廃墟になっていますが、リノベーションされてホリデーアパートになっているものも。シーズン中はいつも、実のついたウチワサボテンが飾られていてフォトジェニックです。


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風車の廃墟と民家が並ぶ緩やかな坂道を歩いていき、鉄の門をくぐると辿りつきます。アテネへ戻る前にここからの絶景をしっかり見ておこうかなぐらいの気持ちで行ったら、ぺディ方面ではまだほとんど出てなかった海葱があちこちからニョキニョキと伸びているではありませんか!


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そういえば、夏の終わりに来たのはいつぶりでしょう?しばらくは8月に島へ来ることが多かったし、今回と丁度同じ時期(9月のはじめ)だった2021年のバカンスではポンディコカストロには来なかったのです。


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子供たちの夏休み中にしか旅行できないので昔のように観光シーズンの終わる頃のバカンスは無理なんですが、9月はじめのポンディコカストロでは海葱をいっぱい見ることができるとわかって、私的には今回の旅で一番の収穫となりました。


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一番育ってたのでこれぐらい。9月半ばぐらいだと、花が開いてるのが見られたでしょうね。


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海葱を激写したあとは、ポンディコカストロの横の岩にある洞穴を覗いてみたり、岩に登って360°ぐるっと景色を眺めたり。アギア・マリナ方面への道を歩き出したらどこまでも行けそうな気がしてきたけど、日も高くなってきたのでほどほどにして帰路につくことに。


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廃墟の石窯。


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民家の扉の前でくつろいでいた猫。


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村のパン屋さんを覗いてみたら、教会の聖体礼儀用のパンが焼けたところでした。

家に戻ったらみんな起きてきたところだったので、いつものコーヒーとクルラキァで朝ごはん。その後は、夕方までゆっくりと荷作りや家の片付け。帰りもフェリー泊なので、船に乗り込む前に晩ごはんは済ませておくのですが、港町の店でギロピタを買って食べるのが定番化しています。


2022.09.05m
2022年のシミ島旅行記は、これにて完結。お付き合いくださった読者の皆さまもお疲れさまでした!
散歩動画は追記に載せておきますので、よろしければそちらもご覧ください


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