ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:野草

今週は、ギリシャ各地で久々の雨。気温的には秋らしくなってきたなぁと感じてたのだけど、そういえば長いこと(場所によっては数か月も!?)降っていませんでした。

2025.09.30
もうスベリヒユも終わりかなと思いきや、まだ立派なのが近所の市場で売っていたので、最後に煮込みでも作っておこうかと。大きな1束も煮ると小さくなってしまうから、ふだんそうも1束。まだ夏の青菜アマランサスも売っているけど、気候のせいか、ワイルドな食感とほろ苦さのアマランスよりも、やわらかなふだんそうを選びたい気分です。

刻んだ玉ねぎとにんにくをオリーブオイルで炒め、好みで唐辛子フレークも少々。やわらかくなったらトマトを加え炒め煮にします。完熟トマトならそれだけでもいいけど、そうでなければトマトペーストも適量炒め、砂糖少々を甘味ブーストの隠し味に。トマトが崩れソースっぽくなったら、刻んだ青菜を加えくたっとするまで煮込みます。味つけは塩と好みで胡椒も適量。自分用には卵を落として仕上げました。


2025.09.30a
青菜は先述のとおり今回スベリヒユとふだんそうを使ったわけですが、シュウ酸が含まれるのでさっと下茹でしておくといいです。面倒なときはそのままで加えてしまうのだけど、やはり食べたあと口の中がキシキシします。


2025.09.30b
もう1品は、オレガノレモンガーリック風味のオーブン焼きポテト。この味つけのポテトはギリシャの定番で、肉と一緒に焼いたりもするのですが、最近次女がオーブンポテト気分らしくしょっちゅうリクエストされます。酸味が苦手な方にはおすすめできないけど、じっくり焼いてよく味が染みたポテトはとてもおいしいです。

早いもので、8月ももう終わり。

2025.08.21a
そういえばこの夏はスベリヒユをあまり食べていなかったなぁ……と思い出し、市場で買ってきました。


2025.08.21b
好きじゃない人には、ちょっと酸味があって青臭いただの草なんだけど、私は洗ったり下ごしらえしてる途中でちょいちょいつまみ食いしてしまいます。子供の頃にその辺でイタドリだとか、食べられる草や実をとってよく食べてたので、当時から変わってないのかもしれません。


2025.08.21c
先日の昼ごはんに作ったのは、じゃがいもやズッキーニとあわせた煮込み。玉ねぎをオリーブオイルでしんなりするまで炒め、食べやすい大きさに切ったじゃがいもとズッキーニを加え、じゃがいもの表面のかたさがとれるまで、ふたをしてちょっと蒸します。すりおろしたトマト、ざく切りにしたスベリヒユを加え、塩と砂糖を軽くひとつまみ程度。水を適宜加え、野菜がすべてやわらかくなるまで煮てできあがり。にんにくや胡椒など入れない、シンプルでやさしい味に仕上げるのが好きなのですが、この辺はお好みで。


2025.08.21d
生でサラダに入れるときは、やはり夏のサラダといえばこれ!のホリアティキ(グリークサラダ)にすることが多いです。トマトやきゅうりといった夏野菜のシンプルかつ力強い味わいに、雑草でもあるスベリヒユがとてもよく合います。


2025.08.23
1束分は、一度作ってみたいなぁと思っていた山形県辺りの保存食「ひょう干し」にしてみました。煮物をお正月料理として食べるそう。軽く茹でてから天日干しにするんですが、太い茎がしっかり乾くまで結構しぶとい。

毎年作っているかんぴょうも同じ頃に干したのだけど、どちらもからからに乾くとほんの少しになりますね。あまり張り切って沢山作っても結局使い切れなかったりするので、「ちょっと足りないくらいが丁度いい」と、自分に言い聞かせています。


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鋼の意志で予算内におさめるメニュー。

2024.07.31
食費が入ってすぐに買出し日だと嬉しいのだけど、逆に数ユーロしか残ってないカツカツの日もあります。給料日前の……みたいな状況ですね。
もちろん所持金がそれだけということはないのですが、よほどのことがない限り予算オーバーにはならないようにしてます。

というわけで、今週の市場で買ったのは一束50セントのスベリヒユと、キロ1.5ユーロだった甘唐辛子とズッキーニで合計2ユーロ。野菜はこのほかにスーパーでじゃがいもを数個だけ買いました。これはスーパーの方がちょっと安いという以外に、市場では多めに買わされがちというのが主な理由です。

メインに用意した煮込みは、スベリヒユにズッキーニとじゃがいもをあわせて。オリーブオイルで玉ねぎをじっくり炒め、すりおろしたトマトを加え塩と隠し味程度の砂糖を加え少し煮ます。ひと口大に切ったズッキーニ(ヘタもおいしいので一緒に)、水適量を加え煮てやわらかくなってきたら、ざく切りにしたスベリヒユと食べやすい大きさに切ったじゃがいもを加えます。
汁気は程よく残る程度に調整し、じゃがいもがほっくりやわらかく煮えたらできあがり。にんにくやハーブなど加えないシンプルさが、しみじみおいしい煮込みです。味つけは塩と好みで黒胡椒を少し。

少しぬめりのあるスベリヒユは、ヌルヌル食材が苦手な夫には控えめな量の方がいいかなと思い、ズッキーニとじゃがいもを多めに入れました。
写真は私の分で、一緒に出した唐辛子の素揚げついでに目玉焼きも作ってのせました。

素揚げ唐辛子は、辛いもの好きの夫には辛い唐辛子で、私と娘の分は甘唐辛子。塩を振っただけでいくらでも食べられるほど好きなんですが、今日はにんにくを刻み入れたワインビネガーをかけて。

今回煮込みにしたスベリヒユですが、やっぱり生でも食べたくて、茎の細い部分を少し取り分けておきました。トマト、自家製オリーブと一緒に盛りつけて、オリーブオイルひとまわしと塩をパラリ。ギリシャサラダのバリエーションとしてスベリヒユを入れることもあるのだけど、チーズなど入らないシンプルなサラダもとても好きです。


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冬休みも、もう終わりですね。今日1月6日はギリシャでは神現祭(公現祭、主顕節)といって、ヨルダン川でキリストが洗礼を受けたことを記念する日。各地で水のお清めの儀式が行われます。

2024.01.03 lapas me horta1
行事食は、たとえばクレタ島ではいろんな豆や麦を煮た料理を食べたり、ルクマデスなど揚げ菓子を食べる地方があったりしますが、全国的に共通するこれと決まったものは特にないようです。神現祭の前日がニスティア(節食・断食)であることや、1月7日に七草粥を食べる日本の風習を思い出して、今週は青菜たっぷりの菜食料理ばかり作っていました。

もちろんギリシャに七草の概念はないのですが、日本と同じく現代においても野草を食べ、愉しむ食文化があります。なので、野山で草摘みをすることが容易でない街暮らしでも、市場へ出かければ七種類ぐらいはすぐに集めることができます。


2024.01.03 horta
青菜のパイや煮込みも食べたい気分だったので、献立の予定に沿って今回選んだのはこれらの青菜やハーブたち。他にもいろんな葉っぱが売っているし、綺麗な場所で摘めるならもっと選択肢は増えます。スイバ、ノゲシ、チコリやタンポポの類のほか、カブやラディッシュなどに、ディル、葉セロリ、パセリ、ミントなどおなじみのハーブ類。春菊(マルガリータ)やヒナゲシなどもいいですね。

※イラクサは触れるとチクチク痛くなる野草なのでちょっと注意。加熱することで安全に食べられるようになります。若く柔らかい部分は刺さないと言われますが、それでもチクッとするので触る時は手袋をはめて作業をした方がいいです。今回は生のまま他の青菜と刻んで入れましたが、さっと下茹でしておくと扱いやすいです。


2024.01.03 horta1
ただ、ちょっと予想はしてたことなのですが、ギリシャではハーブも一束がすごく大きいので、7種類も一度に買ったら下処理が大変で何時間もかかってしまいました(上の写真は作業途中)。ちょっと時間に余裕のある週の半ばにやっておいてよかった……。冷蔵庫にも収まらないし、買ったその日にほぼ全部洗い、ハーブはすぐ使わない分冷凍したり、青菜も後日使う分はさっと茹でて冷凍庫へ。全部あわせて刻んだ「七草ミックス」も何回分か作って冷凍したので、しばらく楽しめそうです。


2024.01.03 lapas me horta2
七草の節句ということで、やはりまずはお粥を作ってみました。
ギリシャでも米をやわらかく煮たお粥があるんですよ。米の種類が日本のより粘りが少ない種類だったり、味つけにレモンやオリーブオイルを入れるのがやはりギリシャという感じ。ちなみにレモンはかならず入れるのが基本のようで、オイルは体調によって(たとえばお腹を下しているなど)入れずに食べるそうです。

作り方は、お粥と同じように米がほどけるくらいまでお好みの状態に煮て、火からおろす少し前に塩と七草を加えただけです。細かく刻んでますが、全体が緑にならないよう粗めに刻んでも。お粥にレモン!?と思う方もいるかもしれませんが、日本でよくやるお粥に梅干しの組み合わせと、味も効能も共通するものです。


【関連記事】
過去記事から、七草っぽいものを集めてみました。ちょっと変化球な七草のヒントにどうぞ。







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ぼんやりしてると食べそびれてしまう、旬の味。

2023.05.04 pasta
ギリシャで年間通してよく食べられる茹で青菜がホルタ(野草や青菜の類。それらを茹でてサラダのようにして食べる料理のことも指す)ですが、季節によって種類が違います。


2023.05.03 horta
夏前の短い期間だけ見かけるヴラスタリアというのはトウが立ってきたホルタの花茎の部分で、これだけを束ねて売られていることも多いのだけど、この間市場で買ってきた「苦いホルタ」は、見た感じ3種類くらいの野草が混ざっていてヴラスタリア多めでした。


2023.05.03 horta1
まずは、普通に茹でてたっぷりのオリーブオイルとレモンで。
それ以外にヴラスタリアで何かもう一品作りたかったので、ソーセージミートとあわせた簡単なパスタにしました。

ソーセージミートは粗びきの豚肉に適当な味つけをして1日ぐらい寝かせたもの。今回入れたのは、塩、こしょう、フェンネルシード、オールスパイス、唐辛子フレーク、にんにく、ワインビネガーだったかな?
これをオリーブオイルで炒めておいて、茹でたホルタとパスタを加え、少し加熱しながらしっかり乳化させます。


2023.05.04 pasta1
仕上げのチーズは控えめに。
ホルタのほろ苦さと、程よくスパイスの効いたソーセージミートの味わいがバランスのいいひと皿になりました。

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