ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:野草

ギリシャ語で、野草や青菜は「ホルタ」といいます。
ホルタの最もシンプルな味わい方は、クタッと茹でて、たっぷりのオリーブオイルとレモンで食べる一品。この温サラダも通称「ホルタ」と呼ばれます。

2016.05.17 vlastaria1

秋から春までのホルタのシーズンは終わり、そろそろヴリタ(葉アマランサス)やスティフノス(イヌホオズキ)といった夏のホルタに切り替わってきています。ギリシャで温サラダにしてよく食べるホルタを大きく分けると、夏季のホルタの代表がヴリタなのに対し、冬季はちょっとごわごわした葉っぱのゾホスでしょうか。

ゾホスと呼ばれるホルタにも品種がいろいろあるのかもしれませんが、学名Sonchus oleraceusだそうで、和名はノゲシといって日本でも見かける野草です。ケシと名前についていて紛らわしいですが、ノゲシはケシ科ではなくキク科の植物で、ケシとは全くの別物。

2016.05.17 vlastaria2

春も終わりになるとトウが立って終わりですが、シーズン最後に味わえるのが花茎(ヴラスタリ)です。
食べられるのはやわらかい穂先の部分と葉っぱだけなので、つまんで簡単にちぎれるところまでを摘みます。これをやると、爪と指先が黒くなってしまうのが困りものですが……。
茹でたホルタの青くほろ苦い味わいは、ギリシャで出会えてよかったなぁとしみじみ思う味覚のひとつです。


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この間載せた「ひなげしパイ」の、フィリング用に炒めた青菜でもう一品作っていました。

2016.03.02 horta kritharoto
Κριθαρότο με χόρτα

冬から春にかけてさまざまな野草が青空市場に並びますが、パイのほかにもいろんな料理に使えます。便利な野草ミックスは、煮込みにしてもおいしい。パイを作るために買ったけど、少し多い……なんて時は、余った分でリゾットやクリサロットをよく作ります。

「クリサロット」(クリサロト)という料理名は、昔は聞かなかったような気がするので結構新しいものなのかも?クリサリ=大麦なので麦粒のリゾット風も指していいはずですが、ギリシャ料理において、一般的にクリサロットと言うと、クリサラキ(イタリアではオルゾやリゾーニ)という小粒パスタをリゾット風に調理したものです。
ちなみに、トラハナというパスタの一種を使ったトラハノットなんてのもあります。
普通にお米を使ったリゾットがクリーミーで結構ボリュームがあるのに対し、クリサロットはパスタがつるんとした食感。同じ量を食べても比較的軽いので、夜食などにもよさそうです。


2016.03.02 horta kritharoto2

リゾットもクリサロットも甲乙つけがたいけれど、ここはやはりヘリオスパスタのクリサラキを使って。サンプルとして頂いた全粒粉クリサラキで何を作ろうかと考えていたのですが、まず思い浮かんだのが野草との組み合わせでした。

ギリシャ料理のスパナコリゾ(ほうれん草ごはん)とも似たものなのですが、今回のクリサロットは薄いチキンブイヨンを使ってみました。野菜ブイヨンでも水でもいいです。水だけで煮る場合、ひなげしよりももっと味の濃い野草か青菜をできれば数種類混ぜるのがおすすめです。
作り方はリゾットと同じで、仕上げに羊乳バターをひとかけら(オリーブオイルでも)、そしてフェタチーズを加えて味を引き立てるのと同時にクリーミーさを出しています。
トッピングにもフェタチーズとハーブを。カフカリスラはギリシャ以外では入手が難しいので、ディル、チャービルなどがあれば。もしくはミントでも面白いです。

食べてみた感想……これはやっぱり全粒粉クリサラキで正解!まさに滋味あふれるといった感じで、正直普通のクリサラキの方が好きなのですが、この料理にはわざわざ全粒粉のを使いたいほど気に入りました。作る時のポイントとしては、全粒粉クリサラキは普通のより早く柔らかくなる気がするので、煮過ぎないこと。少し歯ごたえを残すぐらいがおいしいです。


【関連記事】
野草のリゾット


ヘリオスパスタの情報は下記リンクから。
http://www.heliospasta.gr/
ヘリオスパスタはFOODEX JAPAN 2016出展中です!(小間番号:5F03)



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またまた昨日もベジメニューでした。

2016.03.02 hortopitakia

ホルトピタ(青菜パイ、野草パイ)が食べたい気分だったのです。
青菜のパイと言ってもいろんなタイプがあるけど、クレタ島でよく作られるミニサイズの揚げパイにしました。


2016.03.02 horta

パイや煮込み用にと売っている野草ミックスが便利なんですが、火曜の青空市場で買いそびれたので、別の市場でひなげしの葉とカフカリスラというハーブを買ってきました。チャービルも入れたかったのだけど、ついケチってしまった^^;

ひなげしは、春のギリシャで真っ赤な花を咲かせているのをよく見かけますね。若い葉っぱは青菜として食べることもできるんですよ。


2016.03.02 horta 2

炒めた玉ねぎとねぎに青菜、冷凍保存してあったディルも入っています。ここにフェタチーズを加えてフィリングのできあがり。
生地は、小麦粉に塩、オリーブオイル、水、ワインビネガー少々を加え捏ねたものです。

さっくり・ホクッとした生地をかじると、中から野草とハーブの香りが立ち上り、まさに春の味!


2016.03.02 salad

もう一品は、温野菜のタヒニソースサラダ。
レモンを効かせたタヒニ(ごまペースト)のソース、おいしいですよね。ファラフェルのソースとしておなじみですが、いろんなものに合う便利なソースです。今回は茹でたズッキーニ、ブロッコリー、カリフラワー、ひよこ豆を合わせたサラダにかけました。

タヒニのソース、一応レシピを載せておきます。



タヒニソース

材料:(約1/2カップ分)
タヒニ...1/4カップ
にんにくすりおろし...小さじ1/4(約1/2かけ分)
塩...小さじ1/4
レモン汁...大さじ2
水...大さじ2 ½

タヒニににんにくすりおろし、塩、レモン汁を加え混ぜていく。水でのばし、味をととのえる。

MEMO:割合はあくまで目安なので、好みや用途によって味加減と濃度を調整してください。時間が経つと少し固まってきますので、水やレモン汁を足してのばすといいです。


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さて、今日はチクノペンプティ(肉を焼く煙の匂いの木曜日)。
晩ごはんはさすがにベジメニューじゃなく、肉を焼きますよ〜。



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ギリシャ料理教室でかぼちゃのドルマデスを作った時、ほんの少しだけぶどうの葉が余ったんですが、ここぞとばかりに昨日作ったのが下の料理。

2014.11.13 katsikaki se ampelophylla1
Κατσικάκι του αμπελουργού

「ぶどう農家の仔山羊」です。
普通にぶどうの葉包みとも呼ばれる料理だけど、なんとなくこっちで。
ぶどうの葉っぱで包んであるからぶどう農家風。ギリシャ語のアベルルゴスの訳に悩みましたが、ワイン醸造家とした方がいいのかな?
今回は仔山羊を使ってますが、ラムで作られることが多く、チーズやハーブを巻き込んだ肉をぶどうの葉で包んで焼いたものです。
実は復活祭ランチで使った仔山羊の一部をこのために取ってあったのですが、なかなか出番がなくこんな時期に……年を越さなくてよかった^^;


2014.11.13 katsikaki se ampelophylla2

オーブン焼きにするのが基本のようですが、鍋で作りました。
余ったぶどうの葉というのが、普通なら捨てるボロボロさで枚数も少なかったのですが、そこは根性で無理矢理巻きましたよ。もったいない精神(笑)
肉も少ししかなかったので、私らしくちまちまと利用します。
ギリギリ2人分程度の量だったためレシピのために計量はしてないのですが、一応最後に分量なしのレシピを書いておきますね。
とっても美味しいので、ぶどうの葉が入手できる方は作ってみてください。


2014.11.13 katsikaki se ampelophylla3

自分用にはまたメゼサイズしか残らなかったのだけど、結構濃厚なのでこれでも満足。ワインが進む味です〜♪


2014.11.13 katsikaki me stamnagathi
Κατσικάκι με σταμναγκάθι

そして、少しの肉を最大限に利用してもう1品!
仔山羊のモモ1本をナタのような包丁でポーション分けしてあった肉なので、骨付きなんです。綺麗な肉の部分を前述の料理に回し、骨とその周りの肉はこちらの煮込み料理にしました。

市場案内の時に買って、結局サラダでちょこっとしか使えなかった野草の有効利用。早く使わないと傷んでしまいますからね。
「野草」って書いてますが、近年のクレタ料理ブームで栽培も多くされるようになった「スタムナガシ」という野菜です。クレタ島に多く自生し、よく食べられるスタムナガシは、茹でてオリーブオイル&レモンで食べたり、煮込み料理にしたり生でサラダに入れることも。苦いけど味わい深い野菜です。
最近ではこのスタムナガシを使った製品もいろいろ出てて、スタムナガシ入りソーセージ、スタムナガシ入りブレッドスティックなど見かけます。
日本でもこのブレッドスティックを買えるようになったらしいので、見かけたらぜひ。


2014.11.13 stamnagathi

やっぱり、そのままでも少し食べたいんですよね。
個人的に茹で野菜にレモンはどちらかと言うとかけないのが好きなんですが(最初かけずに途中からかける)、この色の取り合わせ、見てるだけで元気になれそうです。


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個人的に、この春はヴォルヴィがブームでした。
ギリシャで食材として一般的に言うヴォルヴィ(球根)は、春の野山で花を咲かせているのを見かけるハネムスカリ(Leopoldia comosa)の球根部分。苦くてほんのりフローラルな風味のあるこの野草は、以前も何度かご紹介したように四旬節の定番でもあります。

2014.03.20 octopus  stifado with muscari bulbs
Χταπόδι στιφάδο με βολβοί

主にピクルスにされるムスカリ球根を違った料理にもしたくて、作ってみたのがこちら。タコとムスカリのスティファドです。
なんのことはない、タコのスティファドの小玉ねぎをムスカリ球根に置き換えただけですが、ムスカリの場合は最初に苦味抜きをしたり、小玉ねぎを使う場合より煮込み時間を少し短くしたりと少々手順を変えています。

ムスカリというのは古代ギリシャやローマの時代から食べられている食材だそう。このスティファドもなんだか古代っぽい……?と思い作り始めたものですが、ワインと蜂蜜を入れて煮込んだのを味見したところ、やっぱりトマトも少し入れた方が断然美味しいな〜と考え直しトマトペーストを少量入れました。
トマト味というほどには入れてないのですが、これだけで味がまとまってしまうのはさすが。トマトは偉大です!
スパイス類は、いつものベイリーフやシナモンにローズマリーもほんの少し。小玉ねぎを使ったスティファドよりは軽い感じで、これはこれでありかも?

上でも書いたように、ギリシャでムスカリ球根と言うと主にピクルス。もしくは茹でてサラダ(ビネガーとオリーブオイルなので、ピクルスとあまり変わらない)、オイルと塩でシンプルなオーブン焼きにしたりします。最近のモダンギリシャ料理ではアレンジ料理に使ったりするシェフもいるようですが、それほど活用されていない食材なのです。
イタリアのプーリア地方ではギリシャと同じくムスカリ球根(イタリア語でランパッショーニ)を食用とし、あちらの方がいろいろ面白い食べ方もされているよう。

2014.03.19 scrambled eggs with muscari

ムスカリ入りの卵料理もあるとのことで、スクランブルエッグにしてみました。
生のムスカリ球根を下処理するために切るとネバネバした液体が染み出てくるのですが、そのぬめりのようなものが(たとえばオクラの粘りとはまた違うのですが)、こうやって柔らかく調理すると感じられる気がします。
ただ、ギリシャの国産ムスカリだと粘液はそれほど出ないようなので、種類にもよるのかも?この時は確か大粒の北アフリカ産かイタリア産のを使ったところ、苦味抜きのため球根を浸していた水がトロッとするほどでした。


2014.03.18 fava with oksimeli glazed muscari

古代ギリシャイメージで作ったファヴァのムスカリのせ。古代から伝わる調味料「オクシメリ」で味つけしたのですが、これも甘くない普通のビネガー味の方がさっぱりして美味しいですね。

結局は、ピクルスと言うか先日作ったオイル漬けが一番好きだという結論に落ち着いたのですが^^;やっぱり定番には理由があるということで。


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