ギリシャのごはん

ギリシャ料理のレシピと、ギリシャで私が作っているごはんの記録。

タグ:野菜

ラタトゥイユに入れるような夏野菜を使った料理で、お気に入りのひとつがレンズ豆とあわせたフライパン煮込みです。

2025.05.26 fakes me lahanika
2年前の今頃にご紹介したレシピですが、夏野菜の値段が下がってくるこの時期に、繰り返しおすすめしたくなる一品。
レンズ豆は乾燥豆の中では調理時間が短く済み、長時間火を使いたくない季節の料理にぴったりです。とても栄養価が高く、夏バテ予防にもよさそうですよね。
とにかく簡単に作れて常備菜としても重宝するので、私にとって「とりあえずこれがあれば安心」という料理なのです。

お皿にこの煮込みを盛りつけて、皮をパリッと焼いたチキンだとかシーフードのグリルなんかをのせるとお店っぽいひと皿になりますよ。

2025.05.26 fakes me lahanika (2)
なんて言いつつ、暑い日は生ものとか極力触りたくないしやる気も出ないので、煮込みだけで一品勝負が常の我が家です。あとは適当にチーズやオリーブでもあれば上等。冷たいワインと一緒に、夏のメゼにもおすすめです。

【レシピリンク】


10月半ばにクレタ島のハニアへ行ってましたが、その後から調整を繰り返していたのがブレキのレシピです。

2024.12.04 boureki
Χανιώτικο μπουρέκι

ギリシャの郷土料理の中でも人気が高くよく知られるジャンルの筆頭がクレタ料理。クレタ島出身者のコミュニティもあちこちにあることから、全国的にクレタ料理店や食材店の数は多く、特にアテネなど大きな都市ではよく見かけます。
そのためアテネに住んでいてもクレタ料理はいろいろ食べられるのですが、そういえば見かけないかも?と思ってた料理のひとつがハニア風ブレキ(ハニオティコ・ブレキ、コロキソブレコ)でした。ミニパイやフライパンで焼いたり揚げたりするパイはどこのクレタ料理レストランでもあるけど、どっしりしたタイプのはあまり無いような気がします。

ハニア風のブレキはズッキーニとじゃがいもとフレッシュチーズを何層にも重ねて素朴な生地で包みじっくり焼き上げた一品。パイの一種ですが、食事のメインとして食べられるボリュームのあるものです。これを現地で食べてみたくてレストランで注文したら、運ばれてきたのはパイ生地で包まれてないタイプだったのでちょっとがっかり……ということがあったのでした。

ブレキは他では入手困難な地元産のチーズを使うことが味のポイントだと思ってるのでレシピ化するつもりはなかったんですが、レストランで食べたものが味の点でもまあまあで少々残念だったがために、これはやるしかないのでは?と自分の中でプロジェクトが立ち上がったのでした。


2024.11.12 boureki
プロトタイプは四角い耐熱容器でどーんと大きめに焼いたもの。ギリシャの家庭だと、うちで使ってるのよりもっと巨大な容器で作るでしょうけど。この時は野菜の下ごしらえとして軽くフライパン焼きにする方法で作りました。

2024.11.20 boureki
2度目からは、日本でも作りやすそうなサイズにスケールダウンし、野菜は生のまま入れる方法に。
分量的にはいい感じでレシピが書けたんですが、ここで「チーズの入手問題」が気になり、いっそ自家製チーズの方がいいのでは?と思い試作第3弾に踏み切りました。

ギリシャのフレッシュチーズの代用品はリコッタかカッテージチーズ辺りですが、売ってる店が限られそうだし値段もかなりするんですね。ギリシャでも普通はハニアのフレッシュチーズじゃなく他のもの(アンソティロにフェタ少し加えるのがよさそう)で代用することになります。

それで牛乳とレモン汁で簡単に作るフレッシュチーズを使ってみたところ、味も食感も一番私の好みに仕上がり、日本の方にも作れるレシピとしてはいい落としどころではないかなぁと密かに自信を持って書いたのが今回ご紹介するレシピです。


2024.12.04 boureki1
牛乳1リットルで切りのいい分量にしたかったので最初に作ったのよりチーズの量は控えめなのですが、味的には申し分なく、バランスよく仕上がったと思います。トマトは酸味がいいアクセントになるけれど(3回目のだけトマトなしで作りました)なくても美味しいのでお好みで。
少し手間と時間はかかりますが、作業自体は簡単なのでぜひお試しください。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

続きを読む

昔は栗の季節となると結構いろいろ作っていたものですが、あの情熱はどこへ行ってしまったんだろう……?

2024.11.04a
栗のお菓子、今でも食べるのは大好きなんですけどね。隙間時間に根気強く作業をするほどの気力がないので、すっかり遠ざかっています。

とりあえず市場で栗を買って冷凍しておいても、ここぞという機会を待ってたら永遠に先延ばしになりそうなので、普段の料理にちょこちょこ使ってみたり。そういえばひよこ豆と栗の煮込みを作りたかったんだと思い出したものの、ひよこ豆は切らしてたのでうずら豆を使ってみました。

【作り方】
豆は戻して茹でておきます。この時ベイリーフ1、2枚と、玉ねぎの「食べるにはちょっとな……」という感じの外側のレイヤーもあれば一緒に入れるといいです(あとで捨てる)。

豆を茹でてる間に他の材料も準備します。栗は皮に切り目を入れて軽く茹で、鬼皮と渋皮両方剥きます。

2024.11.04b
刻んだ玉ねぎとオリーブオイルをフライパンに入れ、じっくり炒めます。柔らかくなったら端に寄せて、空いたところに栗を並べ焼きます。玉ねぎには刻んだローズマリーとタイムを加え(好みでにんにくも)香りが立つまで炒め、すりおろすか刻んだトマトとトマトペースト少しを加え、ソースっぽくなるまで炒め煮にします。

茹でた豆と栗&ソースをあわせ、豆の茹で汁でひたひたぐらいに水加減をし、豆と栗がほっくりやわらかくなって全体がなじんだ感じになるまで煮込みます。もし煮詰まりすぎたら茹で汁か水を足して、シャバシャバではないけどある程度汁気を残して仕上げます。塩こしょうで味をととのえてできあがり。味付けは、少しピリッとアクセントになるぐらいの赤唐辛子フレークを加えてもおいしいです。

と、こんな感じで作りましたが、うずら豆に栗だとモサモサ感がありすぎる気がするので、やっぱりひよこ豆の方がいいかなと思います。

ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

この夏のバカンスではいつものシミ島のあと、サモス島にも立ち寄りました。そこの郷土料理のひとつが、細長い形をした玉ねぎに米などの詰め物をしたクレミドドルマデスです。

2024.09.05
Κρεμμυδοντολμάδες Σάμου

玉ねぎのドルマデスまたはイェミスタ(地方によってはそれ以外の名前で呼ばれることも)はギリシャの島々で結構よく見かける料理なのですが、サモス島のそれは特産品である細長い形をした玉ねぎを使うのが特徴です。


郷土野菜にはザキントス島のネロクレミド(水たまねぎ)のように全国のスーパーで見かけるようになったものもありますが、生産量が少なく地元でしか消費されないものもあり、サモス島の長い玉ねぎは現地でも売っているところが限られるよう。

samos onions
いくつか見て回ったスーパーや八百屋には普通の玉ねぎしか置いてなかったけど、夫の仕事関連でたまたま行ったカルロヴァシで、道を訊くために車を停めた場所にたまたま特産品マーケットがありそこで発見。早々に目的を果たすことができ、玉ねぎを旅の供にうきうきで島を巡ったのでした。

ちなみに特産品屋外市場という大きな看板が出ていたものの、駐車場の端に屋台がぽつんとひとつだけ。たまに来る客の相手をしつつ、店番の女性がのんびりといんげんのヘタ取りをしていました。

この玉ねぎは島の南東のクメイカという村やマラソカンボスの辺りで栽培されているそう。何曜日にやってるのかは知りませんが、青空市場でよく売っているようです。

2024.09.06a
今回の旅ではレストランで食べる機会はなかったので、市場の女性に聞いた話など参考に、アテネに戻ってから自作しました。「別に、ロールキャベツと同じだよ」とのことでしたが、風味付けにオールスパイスを使うのが特徴でしょうか。彼女はディルとパセリを入れると言っていましたが、ハーブはフェンネルを入れる人も多いみたいです。


2024.09.05a
まあまあな量の玉ねぎを買ってきたので、半量を炒めた挽き肉入り、半量を肉なしで。肉入りの方のハーブはフェンネルとパセリ、肉なしはディルとパセリにしてみました。どちらもちょっと多めのオールスパイスと、控えめな量のトマトペーストを使った味つけ。包むのに使えない玉ねぎの中の層(少なければ普通の玉ねぎも足し、玉ねぎ多めにして甘味を出します)は刻んで炒め、フィリングに加えます。

2024.09.06b
こちらは肉なし。トマトペーストを入れたつもりだったけど、やけに白く見えるから忘れたのかも?


2024.09.05b
お味の方は、特にひき肉入りのが親しみやすい甘辛味といった感じでよかったです。


2024.09.05c
サラダはトマトときゅうりにスベリヒユ。暑いのにうんざりしながらも、食べものに関しては、秋の実りよりも夏をもうしばらく感じていたい気持ちが優勢です。


20240820_155924

【PR】

ギリシャのごはんレシピ本では、古代遺跡で有名なデルフィ(デルフォイ)近くの町ガラクシディのひき肉詰め玉ねぎのレシピをご紹介しています。
※リンクはアマゾン・アソシエイトです

ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ





週末ぐらいから少し涼しくなりそうですが、最近はもう外を歩いていると半袖でも結構暑いぐらいの気候です。

2024.04.16 vegetable pastitsio
復活祭もまだなのに(今年は復活祭が遅めではあるけど)早すぎでは!?と不安になりますが、夏野菜が安くなってきたのはうれしい。今の時期はまだオーブン料理が苦にならない室温なので、いろいろ作っておこうと思っています。

昨日の晩ごはんは、比較的手間がかからない野菜のパスティチオを久々に作りました。レシピは以前に載せたので、下記リンクからご覧ください。


こちら乳製品を使ったレシピですが、ニスティシマやヴィーガン版は植物性の材料に置き換えて作ってください。


野菜とパスタとベシャメルソースという3つのパーツを準備するので面倒に感じるかもしれませんが、野菜は切って味つけをしてオーブンに入れるだけ。うまく同時進行でやれば、野菜が焼けた端からパスタとベシャメルソースを重ねて焼く工程に進めるので、1時間もあれば作れます。


2024.04.16 vegetable pastitsio1
手際よくやれる自信がなければ、先にパスタを茹で、ベシャメルソースを作っておいても。オーブンをつけている時間をできるだけ短くしたいので、野菜をローストしたあとすぐに組み立てて焼くのが理想です。

ちなみに茹で上がったパスタは水気を切って野菜を混ぜたボウルに入れ、パスタを茹でた鍋は熱で乾くので洗わずそのままベシャメルソースを作るのに使うと洗い物も減らせますよ。巷に溢れてるワンパンで……みたいな超お手軽なレシピじゃないですが、そこそこの手間でおいしいものが食べたい時にぴったりな一品です。


ギリシャごはん普及活動に、ご協力お願いします
にほんブログ村 料理ブログ 各国料理(レシピ)へ
人気blogランキングへ

↑このページのトップヘ